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7章
スキル取得条件【1】
ニャーベルの街を馬車に乗って出発してから、前々から思っていた疑問をみんなに問いかける。
「ねぇねぇ、スキルってどうやって取得するの?」
『スキル? 主様は何か欲しいスキルがあるの?』
「いや、私は特に思いつかないんだけど、ジルと念話ができたら便利だなって思ってさ」
私はパパ達から全部スキルをもらっちゃったから、どうやってスキルになるのかがわからない。
パパ達からの刷り込みでは反復行動でスキル取得になるとしか情報がない。
《そうねぇ……確かにジルベルトも念話が使えたら便利ね》
〈繰り返し行動するとスキルになるが、向き不向きがあるから確実とは言えないはずだ〉
「やっぱりそうなんだ」
じゃなきゃみんなスキルいっぱい持ってるよね……
使える魔法の属性によって、取得できるスキルも違うとエルミスとクラオルが教えてくれた。
魔法の適正があってもセンスが問われるのか、どうやってもスキル取得には至らない場合も充分にありえるらしい。
「念話ってどうやったら取得できるかな?」
〈『『うーん……』』〉
私の質問にみんな揃って首を捻った。
〈念話が使える人間はなかなかいないからな……〉
「そうなの?」
〈あぁ。人間はそもそも喋ることが当たり前だからな〉
あぁ……なるほど。念話をしようと思わないのか……便利なのに。
それなら、頭の中で会話できたら便利だねって話せばできるようにならないかな?
あれ? そもそもジルって魔法使えるのかな? たぶん風は使えると思うんだけど……ちゃんとした魔法使ってるところ見たことないや。
◇
お昼ご飯を食べるために、馬車から下りて作ったパラソルを広げると、ジルの瞳が輝いた。パラソルの構造に驚いたらしい。
「ねぇねぇ、ジルはなんの魔法が使えるの?」
「僕は風と闇です。両方ともセナ様ほどは使えませんが……」
パラソルの骨組みを興味深そうに見ているジルに聞いてみると、申し訳なさそうに答えられてしまった。
私はパパ達のおかげだから特殊パターンなんだよね。最初から使えてたし、何よりも地球のゲームのイメージの強さがある。
《あら? ジルベルトは光も使えるでしょ?》
「え?」
プルトンに言われてジルがキョトンと驚いた。
え? なんで本人が驚いてるの?
ジルはステータスを開いて確認したらしく、「ほ、本当にありますね……」と呟いた。
本人も知らなかったらしい。あれかな? もしかしたら、先祖返りのハイエルフに覚醒したおかげで使えるようになったのかもしれない。
《光魔法の使い方がわからないならウェヌスに聞くといいわ~》
「はい! 使えるのならばセナ様をお守りする力にしてみせます!」
「あ、うん。でも一番は自分を大切にしてね?」
拳を握って喜ぶジルに言うと、微笑み返された。
わかってるかな? 大丈夫かな?
「んと、それは今は置いておいて……ジルは念話ってわかる?」
「念話ですか?」
「うん。頭の中で会話するんだよ」
「自問自答ということでしょうか?」
他人と話すということが思い浮かばないらしい。不思議そうにコテンと首を傾げながら返されてしまった。
念話の説明をエルミスとプルトンがしてくれている間に作ったお昼ご飯をみんなに配る。
「なるほど。そのようなことができるのですね。今までの謎が解けました」
「オーク狩りに行ったときに、ギルマスの娘と一緒だったじゃん? ああいうときも念話なら普通に話せるから便利なんだよね」
〈離れていても会話できるしな。セナ、おかわり!〉
グレンにおかわりを作って渡し、ご飯が進んでいないジルに食べるように促した。
念話のことを理解してもらうという第一段階は大丈夫だと思う。あとは、ジルにどうやってスキル取得してもらうか。
みんなで考えた結果、念話で話しかけるということに落ち着いた。
◇
出発した私達は馬車組とコテージ組に分かれ、私は今ポラルと一緒に裁縫部屋で作業中。
ポラルは服を作るのに慣れているのか、糸を使ってみんなのサイズを測っていた。
ジルはネライおばあちゃんが作ってくれた服しか着ていない。以前のときのものはもう着たくないと処分したからだ。
ダンジョンに入ってから一着が破れてしまったため、今は着替えがない。
「ふふふふふ。これもいいかも! ねぇ、ポラルはブーツも作れたりする?」
〔ハイ! エアリルサマニ、ホン、モライマシタ〕
「ポラルすごーい! そしてパパ素敵!」
あとで貸してもらおう!
ポラルにデザイン画を見せ、どれがいいかを相談して、決まったデザインをミシンを使って縫っていく。
難しいところはポラルが請け負ってくれた。
二人であーしてこーしてとご飯と睡眠以外はひたすら服作り。
合間にジルに念話で話しかけることも忘れない。
エルミスとプルトンがジルにいろいろとアドバイスをしてくれていたおかげか、翌日にはたまにジルに聞こえるようになっていた。
ただ、たまにしか聞こえず返せないらしいので、このまま繰り返しみんなで念話で話しかけることになった。
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