ミルキーウェイの束縛術  ──お金稼ぎのために作って売った砂糖菓子が何故か宇宙1美味しいと言われています──

「ステラには婚約を、財政の関係でしてもらうことが出来ない。──すまないな」
「……え?」

 頭を下げた伯爵である父を、私はぼうっと眺める。今、父は何て言った?
 婚約できない? それって、このまま独身でいろってこと──?

(たしかに、私の家には子供が六人もいる。でも、なんで私だけが我慢しなくちゃいけないの?)

 これまで私──ステラは、魔法が一家の中で唯一使えないから、つらい思いをたくさんしてきた。なのに、今度は結婚もあきらめろ?

 ふざけないでほしい。

 結婚しない貴族令嬢なんて、この世界に一人もいない。これだけで、いかに貴族にとって結婚が重要なのか分かるだろう。
 それを、お金がないから〜と軽く言われては困る。

(しょうがない、ね)

 今までは育ててくれたことに感謝して、精一杯家族のために頑張ってきた。
 ──でも。
 どうやら、それは意味をなさなかったらしい。

 ステラは決めた。長年夢だった──でも家族のために諦めていた、スイーツショップを開こう。
 そして、たくさんお金が貯まったら。

 どこかの家に嫁いで幸せに暮らそう、と。

 まだこの時のステラは、知らない。
 この選択は後に大成功しただけでなく、ある素敵な出会いをもたらす、ということを。
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