赤い月夜はマルガリータを

上野小百合の恋人、藤堂義彦は普通のハウスメーカーに勤める営業マンだった。
地味な黒縁のメガネをかけて、ダークスーツとモノトーンのネクタイ。髪型も体型も普通だった。
営業成績も普通。何から何まで普通だった。藤堂はそんな目立たない男だった。
ただ、ジムに通っているわけでもないのに、服を脱ぐと鋼のような肉体に、大小の傷がいくつかあった。
いつもニコニコしていて、やさしい藤堂だったが、付き合いはなく。週に1度、肌を合わせる小百合がいるだけだった。ただ小百合が気になったのは、時々セックスの時に花火のような匂いがしたことだった。

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