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トルフェリード公爵家。
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クライン帝国三大公爵家が一つ。トルフェリード公爵家。
「ぶっ飛んだ公爵家」として有名な家門だが、これにはれっきとした理由がある。
トルフェリード公爵家当主、ファルク・ルア・トルフェリード。別名「鬼畜公爵」。
とんでもないことをさらりと要求してくる。が、恐ろしいほど仕事ができる人間である彼の中では、周りも自分と同じだけ仕事ができるという認識になっているため、本人に悪意はない。そんな彼が指揮を執る王宮総務部は、なぜか《職場ランキング 仕事が充実している部》で、彼が指揮を取り始めて以来、見事皆勤賞を更新し続けている。現在四十一歳。
そんな彼の妻。トルフェリード公爵夫人、カリア・ルセ・トルフェリード。別名「社交界最恐夫人」。
出身はトルフェリード公爵家下の家門の一つ、メルプリア伯爵家。八歳で社交界デビューをしたパーティーで、見下してきた同い年の王女を叩き潰して以来、彼女に勝てた者はいない。話術、流行、人脈、その全てを駆使して、彼女は社交界を掌握している。公爵とは違い、彼女の言う無茶は悪意満載だ。唯一ネーミングセンスだけは壊滅的である。現在三十九歳。
そして、この二人から生まれた、これまた少々捻れた三人。
トルフェリード公爵家長男、アルクセウス・ルオ・トルフェリード。別名「破壊の鬼隊長」。
一言で脳筋。王宮騎士団二番隊隊長を務める彼は、強靭な肉体と驚異的な体力を兼ね備えている。だがすべての物事をパワーで解決しようとする所があり、物事の順序を無視して突っ込んでいくことが多い。五歳で始めてパーティーに出席した時に、ドアマンがドアを開けるのを待たず、ドアを破壊して会場に入った事件は、帝国歴史書に書かれるほど有名だ。現在二十歳。
次男、ルシアーノ・ルオ・トルフェリード。別名「歩く危険物」。
十歳の時に爆発の美しさに目覚めて以来、常に爆弾を持ち歩くようになった。どこに行っても危険物検査で必ず引っかかるため、警邏隊の常連客になっている。公爵家にある彼の部屋は、クライン帝国で最も爆弾の密集度が高いところで、その辺の置物を触っただけでも爆発する可能性のあるトラップ室だ。公爵家では、侵入者が入った時にはまずこの部屋に誘導する決まりになっている。現在十六歳。
三男、フェンディ・ルオ・トルフェリード。別名「学問の寵児」。
唯一比較的まともな別名を持った彼だが、二歳にして読み書きを習得し、三歳で百科事典を読破。四歳のときには公爵家の資料も全て読破し、五歳になる頃には王宮図書室も全て読み切った。天才的な頭脳を駆使して六歳で異例のアカデミー早期入学を果たし、史上初のアカデミー入学試験満点。普通は六年かかる教育課程を、飛び級制度をフル活用して八歳で卒業。同時に王宮学者団に入団。その後九歳で新たな数式を発見したことで、上から三番目に当たる二級学者の称号を授与されている。だが、自分が面白いと思ったものにしか熱意のない性格で、公爵家の危機だろうが、国家の危機だろうが、興味のあることしかしない。そのため、ルシアーノの違法ギリギリの行為にも結構関わってたりする。クライン帝国内で疫病が発生した時、特に面白くなさそうだからと研究を拒否し、多くの貴族がなんとかして気を引こうと、様々な条件を提示していたのは記憶に新しい。こちらの件もめでたく、アルクセウスのドア破壊事件と共に、帝国歴史書へ載った。現在十四歳。
そして最後。使用人一同を始めとした公爵家の常識人代表。
公爵家筆頭執事、クリスティアン・シレイスト。
代々トルフェリード公爵家に仕えている家系で、公爵家一家に振り回され続けている苦労人。毎度のようにやらかそうとするアルクセウスやルシアーノを必死に止めようとするのは、公爵家名物だ。ちなみに父親である総執事長もファルクと同類なので、クリスティアンもとっくに慣れている。本人は無自覚だが、小さい頃から魔の巣窟のような公爵家の人たちを見て育った彼も、高い仕事能力を持っており、王宮文官三人で三日かかる仕事を、一日で終わらせてしまう。どんな悪事の証拠隠滅も、彼の仕事の速さには間に合わない。裏では「不正の天敵」と恐れられている。
今日、そんな公爵家に変化が訪れる。
「ぶっ飛んだ公爵家」として有名な家門だが、これにはれっきとした理由がある。
トルフェリード公爵家当主、ファルク・ルア・トルフェリード。別名「鬼畜公爵」。
とんでもないことをさらりと要求してくる。が、恐ろしいほど仕事ができる人間である彼の中では、周りも自分と同じだけ仕事ができるという認識になっているため、本人に悪意はない。そんな彼が指揮を執る王宮総務部は、なぜか《職場ランキング 仕事が充実している部》で、彼が指揮を取り始めて以来、見事皆勤賞を更新し続けている。現在四十一歳。
そんな彼の妻。トルフェリード公爵夫人、カリア・ルセ・トルフェリード。別名「社交界最恐夫人」。
出身はトルフェリード公爵家下の家門の一つ、メルプリア伯爵家。八歳で社交界デビューをしたパーティーで、見下してきた同い年の王女を叩き潰して以来、彼女に勝てた者はいない。話術、流行、人脈、その全てを駆使して、彼女は社交界を掌握している。公爵とは違い、彼女の言う無茶は悪意満載だ。唯一ネーミングセンスだけは壊滅的である。現在三十九歳。
そして、この二人から生まれた、これまた少々捻れた三人。
トルフェリード公爵家長男、アルクセウス・ルオ・トルフェリード。別名「破壊の鬼隊長」。
一言で脳筋。王宮騎士団二番隊隊長を務める彼は、強靭な肉体と驚異的な体力を兼ね備えている。だがすべての物事をパワーで解決しようとする所があり、物事の順序を無視して突っ込んでいくことが多い。五歳で始めてパーティーに出席した時に、ドアマンがドアを開けるのを待たず、ドアを破壊して会場に入った事件は、帝国歴史書に書かれるほど有名だ。現在二十歳。
次男、ルシアーノ・ルオ・トルフェリード。別名「歩く危険物」。
十歳の時に爆発の美しさに目覚めて以来、常に爆弾を持ち歩くようになった。どこに行っても危険物検査で必ず引っかかるため、警邏隊の常連客になっている。公爵家にある彼の部屋は、クライン帝国で最も爆弾の密集度が高いところで、その辺の置物を触っただけでも爆発する可能性のあるトラップ室だ。公爵家では、侵入者が入った時にはまずこの部屋に誘導する決まりになっている。現在十六歳。
三男、フェンディ・ルオ・トルフェリード。別名「学問の寵児」。
唯一比較的まともな別名を持った彼だが、二歳にして読み書きを習得し、三歳で百科事典を読破。四歳のときには公爵家の資料も全て読破し、五歳になる頃には王宮図書室も全て読み切った。天才的な頭脳を駆使して六歳で異例のアカデミー早期入学を果たし、史上初のアカデミー入学試験満点。普通は六年かかる教育課程を、飛び級制度をフル活用して八歳で卒業。同時に王宮学者団に入団。その後九歳で新たな数式を発見したことで、上から三番目に当たる二級学者の称号を授与されている。だが、自分が面白いと思ったものにしか熱意のない性格で、公爵家の危機だろうが、国家の危機だろうが、興味のあることしかしない。そのため、ルシアーノの違法ギリギリの行為にも結構関わってたりする。クライン帝国内で疫病が発生した時、特に面白くなさそうだからと研究を拒否し、多くの貴族がなんとかして気を引こうと、様々な条件を提示していたのは記憶に新しい。こちらの件もめでたく、アルクセウスのドア破壊事件と共に、帝国歴史書へ載った。現在十四歳。
そして最後。使用人一同を始めとした公爵家の常識人代表。
公爵家筆頭執事、クリスティアン・シレイスト。
代々トルフェリード公爵家に仕えている家系で、公爵家一家に振り回され続けている苦労人。毎度のようにやらかそうとするアルクセウスやルシアーノを必死に止めようとするのは、公爵家名物だ。ちなみに父親である総執事長もファルクと同類なので、クリスティアンもとっくに慣れている。本人は無自覚だが、小さい頃から魔の巣窟のような公爵家の人たちを見て育った彼も、高い仕事能力を持っており、王宮文官三人で三日かかる仕事を、一日で終わらせてしまう。どんな悪事の証拠隠滅も、彼の仕事の速さには間に合わない。裏では「不正の天敵」と恐れられている。
今日、そんな公爵家に変化が訪れる。
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