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1章

2 私は王女

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目が覚めたそこは私の知らない場所だった。

自分の家じゃない。

病院のヘッドでもない。

明らかに煌びやかに装飾されたベッド。

いつか漫画やテレビで見たような、お嬢様が寝ているベッドだった。

辺りを見渡してみる。

とても広い部屋だ。

と、その時私は気づく。

隣に1人の人間がいることに。

むしろなぜ今まで気づかなかったのだろうか。

じーっと私の方を見ている少年が1人。

か、可愛い。

肌の白い可愛い少年がいた。

しかもその少年の服装は執事服だった。

見た感じは、小学生か中学生。

私の目が彼に会うと。

彼はあたふたした様子で。

「おっ、おはようございます。リア様。」

リア様。

この子は私を見てそう言った。

そうか、私はリア様か。

私はよく分からないけど、違う世界に来てしまったんだ。

これがいわゆる異世界に来てしまったってやつなのか夢の中なのか分からないけれど。

「あ、あの。」

少年に話しかけられた。

「ん?どうしたの。」

「あの、お食事はどうされますか。」

「えっと、どうって。」

少年のあたふたする姿が可愛い。

その時。

ガチャッ、という音がした。

扉の方を確認すると、そこには背の高い少年が立っていた。

「おっと、おはようございます。お目覚めでしたか。」

い、イケメンだ。

高身長のスラッとしたイケメンがそこに立っていた。

「おい、じろ、何ぼーっとしているんだ。仕事をしなさい。」

そのイケメンは少年に向かって言った。

「あっ、ごめんなさい。カムイ兄さん。」

少年はイケメンの方に走った。
カムイというのか。

青年は走ってきた少年、じろ、の頭を撫でて。

「すみません、じろが失礼なことをしませんでしたか?」

「あっ、いや、大丈夫。」

「すぐに食事の準備をしますので、準備が出来ましたら、いつもの場所に。」

そう言うと青年はお辞儀をして部屋から出ていった。

なんだろう、この世界では私はもしかしてどこかの国の王女?

起き上がって、ワクワクしながらクローゼットを見ると漫画でしか見ないような豪奢な服がかかっている。

それに見とれて結局その部屋から出たのはかなり時間が経ってからだった。

部屋から外に出るとそこには先程の青年、カムイが立っていてその先には長い廊下が続いていた。

「ご準備は、整いました。どうぞ。」

その道の途中ですれ違う人は全員私を見ると頭を下げた。

その途中には、メイドもいたし西洋の鎧を着た兵士もいた。

やはりそういう世界観か。

私は期待に胸をふくらませた。

ドアを開けるとそこには大きなテーブルと豪華な食事があった。

そして既に席に着いている人間がいた。

「おはようございまーす、リアちゃん。」

えっ?

そこに居たのは忍者の服装をした女性だった。

「おっ、おはようございます。」

私は驚いて変な声になりながらも挨拶を返した。

「どうしたんですか。そんなに驚いた顔をして。」

「あっ、いや。今日はどうしたのかなーって。」

「どうしたって、それは遠まわしにあなたには会いたくない気分。だということですか。」

忍者の服装をした女性はこちらに詰め寄ってきた。

「いや、別にそういう訳では無いんだけどね。」

すると、横から。

「コラコラいちはなさん。リアさんを困らせてはいけないよ。」

カムイさんだ。

「だって。わたし、リアちゃんに、いらないって、」

ぐすん、と涙目で私を見る。

「違う。そういうことじゃないって。」

私はそのいちはなさん?の表情を見てあわててしまった。

そして同時に可愛いと思ってしまった。

「そういうことじじゃないの?」

「もちろん、私はいちはなちゃん大好きだよ。」

「ありがとう。」

いちはなちゃんは見た感じは大人だったけど、とても子供っぽく感じられた。

ぱちっ。

誰かが手を叩く音。

音後した方向を見ると、カムイだった。

「ほら、じゃれるのはそれくらいにして、食事にしましょう。今日もやることは沢山ありますよ。」

「はーい。」

いちはなちゃんはへんじして食事を始めた。

カムイくんの方が立場は上なのか。

やることってなんだろう。

そう思いながらも、目の前の見た事もないような豪華な食事の誘惑には抗えず、食事を始めた。

食べてから、それからだ。

おなかいっぱい食べてしまった。

現実世界では食事には少なからず気を使っていたのに。

「ごちそうさまでした」

元気よくそう言ったのはいちはなちゃん。

やはり可愛い。

「それでは今日の作戦の話をしましょうか。」

「はーい。」

はーい、って?

聞き間違いだろうか。

作戦って何?

「えっ、あのー、作戦って。」

カムイくんは笑顔で言った。

「また、聞いてませんでしたか?リア様。あなたはいつも作戦も何もないですからね。」

「そうだよー、リアったらいつも私たちが止めるのも聞かないで突っ走っちゃうんだから。」

「まあ、それで勝っちゃうんだから笑っちゃうよね。」

えっ、私って戦う王女様?

「あのー、私、ちょっと今日体調が。」

「何言ってんの。体調が悪い時だって無双しちゃうリアちゃんじゃん。」

えっ、リアちゃんどんだけ強いの?

「では、2時間後。」

カムイくんは部屋から出ていった。

「あ、あのさ。」

私はいちはなちゃんにこえをかける。

「どしたのー?」

「カムイくんって、ぶっちゃけどれくらい強いと思う?」

「んー。まあ、控えめに言っても無敵じゃない?正直この国って強すぎるほど強いし、カムイくんたちかっこよくて強くて他の国にもファンがいる程だしね。」

「あ、だよね。」

他にもいるのか。

「じゃあ、私も準備するねー。今日も頑張ろー。リアちゃん。」

あはは。

まずいことになった。

よりにもよって戦う王女とは。

まあいいや。

イケメンくんたちに何とか守ってもーらお。

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