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第三話 シルヴィア、愛を知る
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救国の英雄となったシルヴィアを待っていたのは、社交界であった。魔国の勢力が目に見えて減り、聖女の手を借りずとも対処できるようになったため、人国の上層部はシルヴィアに社交の場に出ることを望んだのだ。
人国上層部としては、シルヴィアを王族や貴族とくっつけ、聖女個人の権威を人国の権威として塗り替えたいという思惑があったらしい。
暗い戦場から華やかな場に移ることになったシルヴィアであるが、持ち前の優秀さですぐに適応した。シルヴィアは瞬く間に社交界の花となった。
誰が救国の聖女と結ばれるかということは、社交界はもとより、市井の人々の間でも連日噂されることになった。噂はどんどん広まるものの、貴族の子弟といえど、華やかな経歴を持つシルヴィアと釣り合う人間は中々いなかった。
だがやがて一人の男が婚約者として名乗り出ることになった。人国の王子、エリックである。
「やあ君が噂の聖女様か。君のおかげで人国は魔国に打ち勝ち、未来永劫の繁栄を手に入れたと言える。病身の父上に代わって改めて礼を言うよ。ありがとうシルヴィア」
エリックは見目麗しく文武に優れた青年であり、次期国王とも称され、シルヴィアと並んでも遜色のない人間に思えた。非の打ち所のない立派な青年に思えた。
「シルヴィア、僕と踊りませんか?」
「喜んで。エリック様」
シルヴィアは初めて恋に落ちた。
多くの魔族を討ち果たした女傑とはいえ、一人の乙女である。イケメンに愛を囁かれて恋に落ちないわけがなかった。秒速でラブを感じた。
「シルヴィア、愛している」
「私もですエリック様」
そしてシルヴィアはエリックと愛を育んでいく。初めての接吻を経験し、身体こそ重ねなかったものの、会う度に抱擁を繰り返し幾度も唇を重ねた。
「シルヴィア、結婚しよう」
「はい喜んで」
エリックからのプロポーズを受け、シルヴィアはそれを喜んで受け入れた。
二人は近々正式にゴールインして人国はおめでたいムードに包まれる――かと思われた。
「このままでは私は側室。あの泥棒猫の下になるということですのね……」
エリックとシルヴィアの婚約に待ったをかける人物がいた。由緒正しき大貴族の子女であるキャシーだ。
キャシーはシルヴィアが現れる前、エリックから愛を囁かれていた。結婚という話が出ていたが、シルヴィアが現れたので、キャシーとしては横から愛する人を奪われた形となっていた。
エリックとキャシーの婚姻話も破談にはならなかったのだが、聖女の方が明らかに格が上なので、キャシーは側室ということで話がまとまりそうであった。
側室という立場に甘んじるのは、プライドの高いキャシーとしては到底許容できるものではなかった。
「何が聖女よ。たかだか魔族を討ち滅ぼしただけの武骨な女じゃない。元はどこの馬の骨とも知らぬ農民の出。由緒正しき血筋であるこの私の上に立つなど、絶対に許されないことですわ!」
キャシーは自らのコネを最大限に使い、シルヴィアの排除に乗り出すことにした。
大貴族のコネを使い、生まれた時から培ってきた貴族同士のコネも使う。ありとあらゆる手段でシルヴィアを追い落とそうとした。
「確かにキャシーの言う通り、聖女の権威がこれ以上高まりすぎても困るな」
「そうでしょパパ。シルヴィアはいなくなってくれた方が人国のため、我らが貴族のためになるのですわ」
「魔族の連中が虫の息の現状、聖女はもはや必要ないか。確かにそうだな」
平和になった世の中において、シルヴィアはもはや必要のない存在となりかけていた。
国富という名のパイは限られる。聖女という大きな存在があると、そこにパイが取られてしまう。それを嫌がる特権階級は多かった。
また王家と聖女が結びつくのを嫌がる勢力もいた。下克上を狙っている貴族などだ。現王家と聖女が不動の地位として固められると困るのであった。
「魔国打倒という役目を終えた聖女シルヴィアには消えてもらうとするか」
「それがよいですわパパ」
キャシーの父である大貴族当主は、シルヴィア排除のために動き出す。またキャシー自身も、シルヴィア排除のために動き出した。
「ねえエリック様。あんな人形のような気持ちの悪い女より、人間的な温かみのある私の方がよろしいんじゃなくて?」
「あぁ……キャシーのオマ○コ気持ちいい……最高だぁ……」
キャシーの色仕掛けに、エリックは秒で落ちることになった。
イケメンとはいえ厳しい躾の下で育てられ女を知らぬ男であったエリックは快楽に弱かった。初めて女を知り、女に溺れる駄目人間になってしまった。
「エリック様。私の貞操を奪ったのですからわかっていますわね?」
「わかってる。シルヴィアとの婚約はなしだ」
「聖女の権威は以前よりも衰えたとはいえ未だ健在です。徹底的にこき下ろしませんと、王家を脅かす不安材料は永遠に消えませんわよ?」
「わかった。シルヴィアを徹底的にこき下ろそう。結婚式当日に婚約破棄して処刑しよう」
「それは素敵ですわ」
キャシーに唆されたエリックは、結婚式当日にドタキャンすると同時、シルヴィアを罠にハメて処刑するという愚行に出ることになった。
人類がこのまま魔族を支配する世界になるかと思われたが、そうではなくなった――その時、歴史が動いた瞬間である。
「ついに私も結婚するのですね……。田舎の父上、母上に晴れ姿を見せられるなんて感無量です」
エリックがキャシーのオマ○コにドハマリして駄目人間になっていることなど露知らないシルヴィアは、呑気に結婚式の準備に勤しんでいた。
「こっちのドレスの方がいいですかね。いやそれともこっち……うーん迷います。一生に一度の晴れ舞台ですものね」
田舎の両親を都に呼び寄せる準備をして、式で着る衣装を用意したりする。結婚式に向けて一番楽しいとも言える時期を過ごしていた。
「先生は既に亡くなっておられますし、友人枠はなし……。父上と母上だけでいいですね」
長らく大陸のあちこちを駆け巡る軍務に励んでいたシルヴィアには、友達と呼べる存在がいなかった。
都での勉強は貴族たちの通う学校に通ったわけではなく、家庭教師の下で指導を受けただけであったので学友などいない。家庭教師の先生とは友人と呼べるまでの知己を結んでいたが、いずれも当時既に老人だったので、現在では亡くなってしまっていた。
「少し寂しいですが仕方ありませんね。私の友人枠の代わりに、エリック様が沢山のご友人を呼び寄せてくれることでしょう」
頭の良いシルヴィアであるが、まだ十八歳。政治とは数。数の力が一番怖いという現実を知らなかった。
結婚式に来る人間の中で味方と呼べるのが農民の父と母だけしかいない。会場その他周辺は聖女排除のための兵で固められている。
そんな恐ろしい現実に、結婚に浮かれる乙女シルヴィアは気づかないのであった。
「うふふ、結婚式楽しみです」
そして結婚式当日。エリックとキャシーの姦計により、シルヴィアは地獄を見ることになるのであった。
人国上層部としては、シルヴィアを王族や貴族とくっつけ、聖女個人の権威を人国の権威として塗り替えたいという思惑があったらしい。
暗い戦場から華やかな場に移ることになったシルヴィアであるが、持ち前の優秀さですぐに適応した。シルヴィアは瞬く間に社交界の花となった。
誰が救国の聖女と結ばれるかということは、社交界はもとより、市井の人々の間でも連日噂されることになった。噂はどんどん広まるものの、貴族の子弟といえど、華やかな経歴を持つシルヴィアと釣り合う人間は中々いなかった。
だがやがて一人の男が婚約者として名乗り出ることになった。人国の王子、エリックである。
「やあ君が噂の聖女様か。君のおかげで人国は魔国に打ち勝ち、未来永劫の繁栄を手に入れたと言える。病身の父上に代わって改めて礼を言うよ。ありがとうシルヴィア」
エリックは見目麗しく文武に優れた青年であり、次期国王とも称され、シルヴィアと並んでも遜色のない人間に思えた。非の打ち所のない立派な青年に思えた。
「シルヴィア、僕と踊りませんか?」
「喜んで。エリック様」
シルヴィアは初めて恋に落ちた。
多くの魔族を討ち果たした女傑とはいえ、一人の乙女である。イケメンに愛を囁かれて恋に落ちないわけがなかった。秒速でラブを感じた。
「シルヴィア、愛している」
「私もですエリック様」
そしてシルヴィアはエリックと愛を育んでいく。初めての接吻を経験し、身体こそ重ねなかったものの、会う度に抱擁を繰り返し幾度も唇を重ねた。
「シルヴィア、結婚しよう」
「はい喜んで」
エリックからのプロポーズを受け、シルヴィアはそれを喜んで受け入れた。
二人は近々正式にゴールインして人国はおめでたいムードに包まれる――かと思われた。
「このままでは私は側室。あの泥棒猫の下になるということですのね……」
エリックとシルヴィアの婚約に待ったをかける人物がいた。由緒正しき大貴族の子女であるキャシーだ。
キャシーはシルヴィアが現れる前、エリックから愛を囁かれていた。結婚という話が出ていたが、シルヴィアが現れたので、キャシーとしては横から愛する人を奪われた形となっていた。
エリックとキャシーの婚姻話も破談にはならなかったのだが、聖女の方が明らかに格が上なので、キャシーは側室ということで話がまとまりそうであった。
側室という立場に甘んじるのは、プライドの高いキャシーとしては到底許容できるものではなかった。
「何が聖女よ。たかだか魔族を討ち滅ぼしただけの武骨な女じゃない。元はどこの馬の骨とも知らぬ農民の出。由緒正しき血筋であるこの私の上に立つなど、絶対に許されないことですわ!」
キャシーは自らのコネを最大限に使い、シルヴィアの排除に乗り出すことにした。
大貴族のコネを使い、生まれた時から培ってきた貴族同士のコネも使う。ありとあらゆる手段でシルヴィアを追い落とそうとした。
「確かにキャシーの言う通り、聖女の権威がこれ以上高まりすぎても困るな」
「そうでしょパパ。シルヴィアはいなくなってくれた方が人国のため、我らが貴族のためになるのですわ」
「魔族の連中が虫の息の現状、聖女はもはや必要ないか。確かにそうだな」
平和になった世の中において、シルヴィアはもはや必要のない存在となりかけていた。
国富という名のパイは限られる。聖女という大きな存在があると、そこにパイが取られてしまう。それを嫌がる特権階級は多かった。
また王家と聖女が結びつくのを嫌がる勢力もいた。下克上を狙っている貴族などだ。現王家と聖女が不動の地位として固められると困るのであった。
「魔国打倒という役目を終えた聖女シルヴィアには消えてもらうとするか」
「それがよいですわパパ」
キャシーの父である大貴族当主は、シルヴィア排除のために動き出す。またキャシー自身も、シルヴィア排除のために動き出した。
「ねえエリック様。あんな人形のような気持ちの悪い女より、人間的な温かみのある私の方がよろしいんじゃなくて?」
「あぁ……キャシーのオマ○コ気持ちいい……最高だぁ……」
キャシーの色仕掛けに、エリックは秒で落ちることになった。
イケメンとはいえ厳しい躾の下で育てられ女を知らぬ男であったエリックは快楽に弱かった。初めて女を知り、女に溺れる駄目人間になってしまった。
「エリック様。私の貞操を奪ったのですからわかっていますわね?」
「わかってる。シルヴィアとの婚約はなしだ」
「聖女の権威は以前よりも衰えたとはいえ未だ健在です。徹底的にこき下ろしませんと、王家を脅かす不安材料は永遠に消えませんわよ?」
「わかった。シルヴィアを徹底的にこき下ろそう。結婚式当日に婚約破棄して処刑しよう」
「それは素敵ですわ」
キャシーに唆されたエリックは、結婚式当日にドタキャンすると同時、シルヴィアを罠にハメて処刑するという愚行に出ることになった。
人類がこのまま魔族を支配する世界になるかと思われたが、そうではなくなった――その時、歴史が動いた瞬間である。
「ついに私も結婚するのですね……。田舎の父上、母上に晴れ姿を見せられるなんて感無量です」
エリックがキャシーのオマ○コにドハマリして駄目人間になっていることなど露知らないシルヴィアは、呑気に結婚式の準備に勤しんでいた。
「こっちのドレスの方がいいですかね。いやそれともこっち……うーん迷います。一生に一度の晴れ舞台ですものね」
田舎の両親を都に呼び寄せる準備をして、式で着る衣装を用意したりする。結婚式に向けて一番楽しいとも言える時期を過ごしていた。
「先生は既に亡くなっておられますし、友人枠はなし……。父上と母上だけでいいですね」
長らく大陸のあちこちを駆け巡る軍務に励んでいたシルヴィアには、友達と呼べる存在がいなかった。
都での勉強は貴族たちの通う学校に通ったわけではなく、家庭教師の下で指導を受けただけであったので学友などいない。家庭教師の先生とは友人と呼べるまでの知己を結んでいたが、いずれも当時既に老人だったので、現在では亡くなってしまっていた。
「少し寂しいですが仕方ありませんね。私の友人枠の代わりに、エリック様が沢山のご友人を呼び寄せてくれることでしょう」
頭の良いシルヴィアであるが、まだ十八歳。政治とは数。数の力が一番怖いという現実を知らなかった。
結婚式に来る人間の中で味方と呼べるのが農民の父と母だけしかいない。会場その他周辺は聖女排除のための兵で固められている。
そんな恐ろしい現実に、結婚に浮かれる乙女シルヴィアは気づかないのであった。
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