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第1章
第6話:チャクラと経絡経穴
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アバコーン王国暦287年2月13日ガーバー子爵領アームストン城・美咲視点
(試す?
何を試そうと言うのですか?)
「エマのこの身体で、魔法や魔術が使えるかです。
この世界では解剖学は発達していないのですか?
魔力がどこからきて、どのような存在だか研究されていないのですか?」
(身体には肉体と幽体があると言われています。
魔力は幽体を形成していると考えられています)
「エマ、肉体には魔力を蓄える器官はないの?
胃や腸、肝臓や腎臓みたいな器官はないの?
アニメやラノベでは、魔力器官があると言う話もあるわ」
(何を仰っているのか全く分かりませんわ)
「アニメやラノベは私のいた世界の娯楽よ。
魔法や魔術に関する空想的な話しよ。
空想だけど、肉体に魔力を作ったり蓄えたりする器官があるという考えよ。
この世界ではどうなの?
魔力器官はあるの?!
ないの?!」
(肉体に魔力を蓄える器官などありません。
幽体にある魔力を絞り出して魔法や魔術を発動させていたと聞いています)
「だったら私がエマの身体に魔力があるか確かめてみるわ。
エマは今、身体の感覚はあるの、ないの?」
(身勝手な事を言わないでくださいませ!
貴女が私の身体を乗っ取ってしまっているのですよ!
感覚などあるわけがないでしょう!)
「残念ね、肉体の感覚はなくても、幽体の感覚があるかと思ったわ。
まあ、いいわ、何か感じたら教えてよ」
(ちょっと貴女、いったい何をする心算ですの?!)
「集中するからしばらく黙っていて!」
私も東洋医学で生活の糧を得ていたのです。
ラノベやアニメでは、アーユルヴェーダのチャクラや東洋医学の経絡経穴が魔力の流れだという設定が多かった。
だったら、チャクラや経絡の流れに沿って魔力を流す意識をすればいい。
チャクラや経穴ごとに魔力が蓄えられるか確かめればいい。
もしこの考えが正しいのなら、この世界の魔法や魔術を復活させられる。
それどころか、今まで誰も試した事にない、魔力の貯蓄ができるかもしれない。
魔力が蓄えられるのなら、過去にこの世界で使われていた、全ての魔法や魔術を凌ぐような大魔術を発現できるかもしれない。
(え?
貴女何をしているの?!
体の感覚が戻ってきているのだけど?!
手足に何か流れているような気持ちの悪い感覚なのだけれど?!)
「エマが言っていた幽体に魔力を流してみたの。
私には何も感じられないのだけれど、魔力の流れが分かるのね?」
(これ魔力だと言われるのなら、確かに魔力を感じていますわ)
「ではその魔力の流れをどこかに蓄えてみるから、溜まった感覚があるか教えて」
(難しい事を言ってくれますわね!)
「まず最初に、肛門と性器の間に貯めるわよ」
(貴女?!
よくそんな卑猥な事を口にできますわね!
それでも教育を受けた淑女ですの?!)
「私はこれでも医療従事者なの!
医療従事者がいちいち恥ずかしがっていては、治療ができないでしょう。
これは魔法を使えなくなったこの世界の人に対する治療なの!」
(……仕方ありませんわね。
治療ならばしばらくは目をつむりましょう。
ですが、他の方が聞いている時には絶対にしないでくださいませ!)
「大丈夫よ、エマ。
アビゲイルは部屋の端で聞かないようにしてくれているのでしょう?」
(……そのようですわね)
「それでどうなの、何か溜まっている感覚はあるの?」
(……ええ、これが本当に魔力なら、溜まっている感覚がありますわ)
「では次の場所に魔力が溜まるかどうか確かめるわ。
お臍の下10センチくらいの所に溜まっている感覚はある?」
(ええ、お臍の下に何かが溜まる感覚がありますわ)
「次にお臍の所に溜めてみるわね」
(溜まっていますわ。
最初の所にも2番目の所にも溜まっていますわ)
「次は胸の中心、心臓の近くに溜めているわ」
(ええ、心臓よりも胸の中心近くに溜まっていますわ)
「5番目は咽喉よ。
咽喉のあたりに魔力が溜まる感覚はある?」
(不思議ね、貴女が言った場所に暖かい物が溜まっていくわ)
「まだ気を抜かないで!
まだまだ魔力を溜める場所があるのよ。
6番目は眉間よ。
おでこの真ん中に魔力は溜まっている?」
(ええ、確かに暖かいモノが溜まっていますわ。
これが魔力なのですね)
「7番目は頭の天辺よ。
ここが1番大切な場所だと言う人もいるわ。
魔力は溜まっている?」
(安心してくださいませ、貴女の言う通りなら、魔力が溜まっていますわ)
「では、今度はチャクラではなく全ての経穴に魔力を溜めていくわよ。
全ての経穴に魔力が溜められたら、莫大な魔力になるわよ!」
(試す?
何を試そうと言うのですか?)
「エマのこの身体で、魔法や魔術が使えるかです。
この世界では解剖学は発達していないのですか?
魔力がどこからきて、どのような存在だか研究されていないのですか?」
(身体には肉体と幽体があると言われています。
魔力は幽体を形成していると考えられています)
「エマ、肉体には魔力を蓄える器官はないの?
胃や腸、肝臓や腎臓みたいな器官はないの?
アニメやラノベでは、魔力器官があると言う話もあるわ」
(何を仰っているのか全く分かりませんわ)
「アニメやラノベは私のいた世界の娯楽よ。
魔法や魔術に関する空想的な話しよ。
空想だけど、肉体に魔力を作ったり蓄えたりする器官があるという考えよ。
この世界ではどうなの?
魔力器官はあるの?!
ないの?!」
(肉体に魔力を蓄える器官などありません。
幽体にある魔力を絞り出して魔法や魔術を発動させていたと聞いています)
「だったら私がエマの身体に魔力があるか確かめてみるわ。
エマは今、身体の感覚はあるの、ないの?」
(身勝手な事を言わないでくださいませ!
貴女が私の身体を乗っ取ってしまっているのですよ!
感覚などあるわけがないでしょう!)
「残念ね、肉体の感覚はなくても、幽体の感覚があるかと思ったわ。
まあ、いいわ、何か感じたら教えてよ」
(ちょっと貴女、いったい何をする心算ですの?!)
「集中するからしばらく黙っていて!」
私も東洋医学で生活の糧を得ていたのです。
ラノベやアニメでは、アーユルヴェーダのチャクラや東洋医学の経絡経穴が魔力の流れだという設定が多かった。
だったら、チャクラや経絡の流れに沿って魔力を流す意識をすればいい。
チャクラや経穴ごとに魔力が蓄えられるか確かめればいい。
もしこの考えが正しいのなら、この世界の魔法や魔術を復活させられる。
それどころか、今まで誰も試した事にない、魔力の貯蓄ができるかもしれない。
魔力が蓄えられるのなら、過去にこの世界で使われていた、全ての魔法や魔術を凌ぐような大魔術を発現できるかもしれない。
(え?
貴女何をしているの?!
体の感覚が戻ってきているのだけど?!
手足に何か流れているような気持ちの悪い感覚なのだけれど?!)
「エマが言っていた幽体に魔力を流してみたの。
私には何も感じられないのだけれど、魔力の流れが分かるのね?」
(これ魔力だと言われるのなら、確かに魔力を感じていますわ)
「ではその魔力の流れをどこかに蓄えてみるから、溜まった感覚があるか教えて」
(難しい事を言ってくれますわね!)
「まず最初に、肛門と性器の間に貯めるわよ」
(貴女?!
よくそんな卑猥な事を口にできますわね!
それでも教育を受けた淑女ですの?!)
「私はこれでも医療従事者なの!
医療従事者がいちいち恥ずかしがっていては、治療ができないでしょう。
これは魔法を使えなくなったこの世界の人に対する治療なの!」
(……仕方ありませんわね。
治療ならばしばらくは目をつむりましょう。
ですが、他の方が聞いている時には絶対にしないでくださいませ!)
「大丈夫よ、エマ。
アビゲイルは部屋の端で聞かないようにしてくれているのでしょう?」
(……そのようですわね)
「それでどうなの、何か溜まっている感覚はあるの?」
(……ええ、これが本当に魔力なら、溜まっている感覚がありますわ)
「では次の場所に魔力が溜まるかどうか確かめるわ。
お臍の下10センチくらいの所に溜まっている感覚はある?」
(ええ、お臍の下に何かが溜まる感覚がありますわ)
「次にお臍の所に溜めてみるわね」
(溜まっていますわ。
最初の所にも2番目の所にも溜まっていますわ)
「次は胸の中心、心臓の近くに溜めているわ」
(ええ、心臓よりも胸の中心近くに溜まっていますわ)
「5番目は咽喉よ。
咽喉のあたりに魔力が溜まる感覚はある?」
(不思議ね、貴女が言った場所に暖かい物が溜まっていくわ)
「まだ気を抜かないで!
まだまだ魔力を溜める場所があるのよ。
6番目は眉間よ。
おでこの真ん中に魔力は溜まっている?」
(ええ、確かに暖かいモノが溜まっていますわ。
これが魔力なのですね)
「7番目は頭の天辺よ。
ここが1番大切な場所だと言う人もいるわ。
魔力は溜まっている?」
(安心してくださいませ、貴女の言う通りなら、魔力が溜まっていますわ)
「では、今度はチャクラではなく全ての経穴に魔力を溜めていくわよ。
全ての経穴に魔力が溜められたら、莫大な魔力になるわよ!」
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