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明かされる真実編
26.坑道前説明会(1)
しおりを挟む坑道前では、俺の頼れるパーティーメンバーが待っていた。空を飛ぶ俺とサブロの姿を確認した時点で、フィルは指を指して叫び、ヤス君は手を叩いて笑い、サクちゃんは呆然とした。思った通りの反応だったので、俺は笑ってしまった。
取り敢えず、着地後すぐにサブロは勾玉に戻ってもらう。目立つからね。
それから俺は、ヤス君と再開の挨拶を交わし、興奮するフィルとサクちゃんにサブロの成長について説明した。そのあとで、三人が顔を合わせたことのないイザベラ、レノア、ニーナを紹介。そのタイミングで、ヤス君が挙手した。
「丁度良い流れなんで、俺の方からも一人」
ヤス君が【箱庭】からサーナを呼び出し、紹介した。
「皆様、お初にお目に掛かります。サーナ・シンドゥーと申します」
「あ、どうも、これはご丁寧に」
「うーん、ユーゴの言ってた通りになったな」
「そうだねー。なんか怖いんだけど」
「え、どういうことっすか?」
ヤス君に【精神感応】で見た夢について伝える。と、露骨に引かれた。
「えぇ……? それ覗きじゃないっすか……」
「それは認めるけども。俺だって見たくて見た訳じゃないんだよ。電車で向かいの席のおばちゃんのパンツが見えちゃう事故みたいなもんなんだよ」
「もっと他に例え方あっただろ。なんでわざわざそれを選んだ」
他にも、俺が抱き上げているイザベラに起きたこと、そしてギーとニルリティと会ったこと、殴られて死にかけたこと、二人から得た情報についてなどをすべて話した。
これもまた思った通り、全員、真っ青。
「あの、ユーゴさん、平然と話してましたけど、その桃花仙の渡り人、トウゲンって、俺の勘違いじゃなかったら、相当ヤベー存在じゃないすか?」
「いや、イノリノミヤがいればクリス王国内には入れんから、今はラグナス帝国の軍隊の方が怖ろしいだろう。火薬まで扱ってるんだぞ」
「そうだよねぇ。まずは軍隊に対抗できなきゃね」
「フィル、サクちゃんもだけど、論点がズレてる。そんな当たり前のこと、ヤス君はちゃんと分かってるよ。分かった上で、トウゲンがヤベーって言ってんじゃないのよ」
ヤス君が言おうとした内容、それは桃花仙に住む者は皆、能力値がカンストしている可能性があるということ。生きる為に亜人しか食べれないが、食べると能力値が上がる。そして桃花仙では亜人の肉が流通しているというのがその根拠。
「そういうことを言いたかったんだよね?」
確認したところ、ヤス君は「はい。やっぱヤベーっすね」と顔を歪めた。
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