婚約破棄と、最後の恋のはじめかた
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「婚約破棄、最高!」
エミルは本気でそう思っている。
秘密の婚約者ルシアンは、社交界を魅了する美貌の宮廷魔術師。けれどエミルが恋をしたのは、その華やかな顔だけではなかった。ひたむきに努力するその横顔だった。
婚約はいつまでも二人だけの秘密。彼の周りに男女問わず色恋の噂が絶えなかった。
それでもずっと、物分かりのいい婚約者であり続けた。
――あの夜、寝室の扉を開けるまでは。
見知らぬ女と同じベッドにいる婚約者を前に、遂に「理解のある婚約者」でいることをやめた。
夜明け前の街を泣きながら歩く彼を拾ったのは、遠征から戻ったばかりの幼馴染、カイ。昔は美少女と見まがうほど可愛かった一つ年下の少年は、いつの間にか体格も態度も立派な騎士団副団長になっていた。
「…家、来るか」
「行く!」
長い片思いを抱えた年下騎士と、愛を疑い続けた元婚約者。別れて最高に幸せなはずのエミルが、自分の本音を取り戻し、新しい恋を選ぶまでの、少し切なくて、騒がしい恋の物語。
エミルは本気でそう思っている。
秘密の婚約者ルシアンは、社交界を魅了する美貌の宮廷魔術師。けれどエミルが恋をしたのは、その華やかな顔だけではなかった。ひたむきに努力するその横顔だった。
婚約はいつまでも二人だけの秘密。彼の周りに男女問わず色恋の噂が絶えなかった。
それでもずっと、物分かりのいい婚約者であり続けた。
――あの夜、寝室の扉を開けるまでは。
見知らぬ女と同じベッドにいる婚約者を前に、遂に「理解のある婚約者」でいることをやめた。
夜明け前の街を泣きながら歩く彼を拾ったのは、遠征から戻ったばかりの幼馴染、カイ。昔は美少女と見まがうほど可愛かった一つ年下の少年は、いつの間にか体格も態度も立派な騎士団副団長になっていた。
「…家、来るか」
「行く!」
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