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隣の芝生はなんとやら
自分こそが正しい筈だった
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―――嗚呼、本当に役に立たないな。
いつまで経っても蘭に接触しない、挙句の果てに言い訳ばかり。
お前のの所為で俺と康介が別れる羽目になったんだぞ。
分かってるのか?
「で、でも!蘭さんも諫山も、幸せそうなんだよ!?」
「だから何だよ!お前、俺と康介の幸せ奪っといてよくそんなこと言えるよなぁ!!」
「そ、そんなつもりじゃ………」
瑠衣加の頭悪い言い訳に、俺は正論でそう怒鳴りつける。
涙声でまだ言い訳を繰り返してくる瑠衣加に手を上げなかったことを、いっそ褒めて欲しい位だ。
何が【そんなつもり】はないだ。
「じゃあどういうつもりだったんだよ。俺の恋人が康介だって知らなかったにしても、俺に恋人が居るって知ってたよな!?公言してたんだから!!」
「でも結局私を選んだじゃん!選んだのは宗太郎だよ!?別れる選択肢をしたのも………自己責任じゃん!」
瑠衣加の言葉に、目の前がカッと赤くなる。
確かに、俺が康介に別れ話をした。
瑠衣加に手を出したのも、俺が決めたことだ。
でもそれも、瑠衣加が俺に言い寄ってきたからだろう?
「蘭さん、私が付け入る隙無いよ。諫山しか見えてないって感じで、私や他の人が話しかけても素っ気ないのに、諫山にだけは子供みたいに甘えてる!アンタだってそうしたら良かったじゃん!」
「は?俺が悪いって言うのかよ!」
「私も確かに悪いけど、宗太郎も悪いって言ってんの!」
責任転嫁するなよ!
アイツが子供みたいに甘えてるのは知ってる。
あの日に見たからな!
でもどうせ、そんなのアイツは誰にだってやってたんだろう!?
「会社の人達言ってたよ。蘭さん、歴代彼女にそんな態度取ったことないって。諌山にだけ特別だって!負けてんだよ!アンタは蘭さんに、私は諌山に!」
瑠衣加がそう叫ぶように言ってとうとう泣き出した。
なんだよ、泣きたいのは俺だよ。
俺は負けてない。
俺だけが康介を幸せに出来るんだから!
「ママー?」
「………っ!大丈夫だよ、ごめんね。一緒にねんねしよっか。」
大声で騒いでいたせいか、子供が眠い目を擦りながら部屋に入って来た。
慌てて駆け寄る瑠衣加と不安そうな子供に、俺は怒りのやり場が無くなってどうしようもなくなって部屋を出て行く勢いでそのまま家を出た。
行く場所なんてない。
適当にコンビニでも行って、明日も仕事だけど酒でも買って飲もう。
そう思いながらなんとなく家から結構歩く距離のコンビニへと足を運んだ。
別に馴染みって訳ではないが、おつまみに最適なデリが多いからこういう時に便利だと思う。
「チキン食いたいよなー、チキン。」
「僕は肉まんかなー。お酒買う?」
「買う―。週末ゆっくり飲もうぜ。今はチキンの気分。」
そう思いながらコンビニの駐車場まで辿り着くと、少し離れた場所で聞き覚えのある声が聞こえた。
聞きたかった声と、聞きたくなかった声。
声がする方に顔を向ける。
そこに居たのは―――
いつまで経っても蘭に接触しない、挙句の果てに言い訳ばかり。
お前のの所為で俺と康介が別れる羽目になったんだぞ。
分かってるのか?
「で、でも!蘭さんも諫山も、幸せそうなんだよ!?」
「だから何だよ!お前、俺と康介の幸せ奪っといてよくそんなこと言えるよなぁ!!」
「そ、そんなつもりじゃ………」
瑠衣加の頭悪い言い訳に、俺は正論でそう怒鳴りつける。
涙声でまだ言い訳を繰り返してくる瑠衣加に手を上げなかったことを、いっそ褒めて欲しい位だ。
何が【そんなつもり】はないだ。
「じゃあどういうつもりだったんだよ。俺の恋人が康介だって知らなかったにしても、俺に恋人が居るって知ってたよな!?公言してたんだから!!」
「でも結局私を選んだじゃん!選んだのは宗太郎だよ!?別れる選択肢をしたのも………自己責任じゃん!」
瑠衣加の言葉に、目の前がカッと赤くなる。
確かに、俺が康介に別れ話をした。
瑠衣加に手を出したのも、俺が決めたことだ。
でもそれも、瑠衣加が俺に言い寄ってきたからだろう?
「蘭さん、私が付け入る隙無いよ。諫山しか見えてないって感じで、私や他の人が話しかけても素っ気ないのに、諫山にだけは子供みたいに甘えてる!アンタだってそうしたら良かったじゃん!」
「は?俺が悪いって言うのかよ!」
「私も確かに悪いけど、宗太郎も悪いって言ってんの!」
責任転嫁するなよ!
アイツが子供みたいに甘えてるのは知ってる。
あの日に見たからな!
でもどうせ、そんなのアイツは誰にだってやってたんだろう!?
「会社の人達言ってたよ。蘭さん、歴代彼女にそんな態度取ったことないって。諌山にだけ特別だって!負けてんだよ!アンタは蘭さんに、私は諌山に!」
瑠衣加がそう叫ぶように言ってとうとう泣き出した。
なんだよ、泣きたいのは俺だよ。
俺は負けてない。
俺だけが康介を幸せに出来るんだから!
「ママー?」
「………っ!大丈夫だよ、ごめんね。一緒にねんねしよっか。」
大声で騒いでいたせいか、子供が眠い目を擦りながら部屋に入って来た。
慌てて駆け寄る瑠衣加と不安そうな子供に、俺は怒りのやり場が無くなってどうしようもなくなって部屋を出て行く勢いでそのまま家を出た。
行く場所なんてない。
適当にコンビニでも行って、明日も仕事だけど酒でも買って飲もう。
そう思いながらなんとなく家から結構歩く距離のコンビニへと足を運んだ。
別に馴染みって訳ではないが、おつまみに最適なデリが多いからこういう時に便利だと思う。
「チキン食いたいよなー、チキン。」
「僕は肉まんかなー。お酒買う?」
「買う―。週末ゆっくり飲もうぜ。今はチキンの気分。」
そう思いながらコンビニの駐車場まで辿り着くと、少し離れた場所で聞き覚えのある声が聞こえた。
聞きたかった声と、聞きたくなかった声。
声がする方に顔を向ける。
そこに居たのは―――
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