やっと見つけた、私の居場所
高校最後の春、由莉奈が出会ったのは、華道の課外授業を担当する外部講師・館本慶太。
彼は静かで距離感のきれいな人だった。
だからこそ、課外授業が終わったあとも自分を覚えていてくれたことが嬉しかった。
けれどその再会は偶然ではなく、慶太はずっと由莉奈を見ていた。学校も、バイト先も、誰にも気づかれずひとりで帰る背中さえも。
普通なら恐ろしいはずのその視線に、どうしてか由莉奈は安堵してしまう。
誰にも見つけてもらえなかった寂しさを、彼だけは知っていたから。
見られていた少女と、見てしまった男。
これは、正しくないのに救われてしまう、危うく静かな恋愛譚。
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