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対策会議
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「えっと、確認しますけど、ロゼさんは本当に賢者様のお孫さんなんですよね」
「そうだ。この学院でそれを知らない人間はいない」
ルーカスさんは頷く。
まあ、考えてみれば当たり前のことだ。賢者様の血縁なら普通は魔術の勉強をするだろう。
この街で魔術の勉強をするなら学院に入ることも自然な流れといえる。
……ん?
「じゃあ、あなた方はロゼさんが賢者様の血縁だとわかっていながら虐めているんですか?」
ルーカスさん自身が言っていたように、賢者様はこの街の最高責任者だ。
領地で言うなら領主の立ち位置。
そんな相手の親族を攻撃するなんて無謀としか言いようがない。
「本当に何もわかっていないようだね。いいかいセルビア、この学院を仕切っているのは学院長だが、理事を務めるのは賢者様だ。
定期的にこの学院にも様子を見に来ている。だから賢者様はこの学院の内情を知っている」
「……それって」
「そうだ。その女の境遇も知っているんだよ、賢者様は。なのに何の動きも見せない。理由は一つしかないだろう。
その女は賢者様に見捨てられたんだよ」
「――ッ」
背後でロゼさんが何かに耐えるように唇を噛みしめたのがわかった。
見限られている……? ロゼさんが賢者様に?
以前通信で少し話した限り、そんなことをする人には見えなかったけど……
困惑する私に対してルーカスさんはさらに言葉を続ける。
「だいたい、虐めだなんて誤解もいいところだ。ボクたちがやっているのは特訓だよ」
「……特訓?」
「ああ。ボクたちの研究会は魔術戦闘を学んでいると言っただろう? その成果を実際に教えてやっているのさ」
「――、」
白々しい口調でそんなことを言うルーカスさん――いや、ルーカス。
私は半ば睨むようにその顔を見据えた。
「……無抵抗の相手に火の魔術を撃つことが特訓ですか?」
「いざ戦いになったとき、無抵抗でいれば敵は見逃してくれるか?」
「それは……」
「そんなわけがないだろう!
五年前の『竜の群れ』、そして今起こっている『行方不明事件』――イレギュラーはこちらの状況と関係なくやってくる。
ただの小娘なら怯えていてもいい。
だが、そいつは賢者の孫だ。有事の際は矢面に立って戦わなくてはならない。そんな人間が、目の前の脅威に対して縮こまっていていい道理はない!」
吐き捨てるようにルーカスは告げる。
私はその様子にさらに混乱する。
ルーカスの表情は、明らかに暴力に酔っているだけのようには思えなかったからだ。
……何か事情があるんだろうか?
この街に来たばかりの私にはわからない事情が。
「……それでもやっぱり、彼女を攻撃する理由にはならないはずです」
「やれやれ、強情だなキミは。それではこういうのはどうだろう?」
「はい?」
私が聞き返すと、ルーカスはこんな提案をしてきた。
「セルビア。キミ、『魔術戦闘学』の講義は取っているかな?」
「……取ってますけど、それがなんですか」
オズワルドさんに組まれた時間割表にはそんな名前の科目があった気がする。
実践的な魔術戦闘について学ぶ講義で、参加者もかなり多かったはずだ。
「明日の魔術戦闘学では模擬戦を行うことになっている。ボクはキミを対戦相手に指名するから、それを受けたまえ。一つ賭けをしようじゃないか」
「賭け?」
「そうだ。模擬戦でボクが勝てば、キミはロゼと縁を切ってボクの研究室に入るんだ」
賭けを持ち出してまで勧誘する価値が私にあるのかどうか。
「私が勝ったらどうするんです?」
「そのときはなんでも言うことを聞こう。たとえば『ロゼを攻撃するのはやめろ』という命令でも構わないよ」
「……それ、本当ですね?」
「ライオット家の名に誓おう。ま、どうせ勝つのはボクだと思うがね」
自分が負けるなんて微塵も思っていないような表情でルーカスは言う。
私は頷いた。
「わかりました。その勝負、受けて立ちます!」
▽
「……お前には目立ちたい願望でもあるのか? どうして転入初日からいきなり名前が広まっている?」
「す、すみません……」
場所はオズワルドさんの研究室。
今日のぶんの講義を終えた私は、成り行きでルーカスと模擬戦を行うことになった件を報告していた。
呆れた表情でオズワルドさんが尋ねてくる。
「そもそもどうしてお前はルーカス・ライオットに噛みついたりしたんだ」
「……その、昔のことを思い出してしまって」
「昔のこと?」
「教会にいた頃のことです」
ルーカス一味を見て私が想起したのは、教会にいた頃にあった陰湿ないじめ行為だ。
聖女の座をめぐる権力闘争の場でもある教会内では、陰でのいびりがよくあった。
そういうときに標的になるのは決まって大人しく、心優しい聖女候補ばかり。
もちろん私もできる限りそういう子を守ろうとはしたけど、長時間の祈祷のせいでどうしても庇いきれないことが多かった。
祈祷に加えて、他の聖女候補からの仕打ちによって心を病んでいく子たちを何人も見たものだ。
「私、大人数で寄ってたかって一人を攻撃するような真似が本当に嫌いなんです。だから、どうしても我慢できなくて……」
当時のことを思い出して毒を吐いてしまう私に、オズワルドさんが嘆息した。
「……聖女候補たちの蹴落とし合い、か」
「え? な、なんでオズワルドさんがそのことを?」
他国の人は聖女候補の内情までは知らないはずだ。
「聖女候補については以前少し調べたことがある。研究対象として興味深かったからな」
「研究対象ですか」
「ああ。まあ、結局お前たちは特殊すぎて有益な結果は得られなかったが。
そのときに俺は聖女候補についてある程度の知識を得ている」
オズワルドさんはそんなことを言った。
聖女候補を研究って……そんなこと考えもしなかった。
確かに私たちの扱う魔術は珍しいらしいし、その価値はあるのかもしれない。
聖女候補について何かわかったことがあるならちょっと聞いてみたいところだ。
「……まあ、お前の言い分は理解した。要は模擬戦を辞退する気はないわけだな」
「……すみません」
「俺は以前の研究の際に、お前たちの能力についても調べた。
確か『回復魔術』、『浄化魔術』、『障壁魔術』の三つが主だったな。それでどうやって模擬戦に勝つつもりだ?」
そう言ってオズワルドさんは私をじろりと睨む。
聖女候補が得意とするのは回復魔術、浄化魔術、障壁魔術。
生身の相手への攻撃手段がないため、はっきり言って争いごとにはまったく向いていない。
オズワルドさんに呆れられるのは当然といえる。
「言っておくが、ルーカス・ライオットはあれでもかなりの実力者だ。炎魔術を得意とし、魔術戦闘の腕なら今の『第一学院』では一、二を争うだろう。
無策で挑んで勝てる相手ではないぞ」
「本当に強かったんですね、あのひと」
「ライオット家は中央魔術騎士団に何人も血族を在籍させている名家だからな」
虐めなんてやっているわりにルーカスの実力は確からしい。
「お前が模擬戦で負ければやつの研究室に所属する約束なのだろう。今のお前にそんなことをしている暇はない」
「潜入任務中、ですもんね。わかってます」
「それで、策は?」
再度尋ねてくるオズワルドさんに私は自分の考えを告げた。
「障壁魔術を使って閉じ込めます」
「閉じ込める……? そんなことが可能なのか?」
「はい。前に暴れる火竜をそれで大人しくさせたこともあります」
敵意むき出しだった初対面のシャンに対してやったことだ。
あの方法なら、ルーカスでも簡単には脱出できないはず。
私が言うと、オズワルドさんはなぜか考え込むような顔をした。
「……一度閉じ込めてしまえば、か」
「な、なにかまずいことがあるんですか? もちろん聖位系の魔術は使わないつもりですよ?」
目立つなというのは今さらだけど、ただの『魔力が高い人間』と『元聖女候補』では目立ち方にも差が出てくるだろう。
一応、学院にいる間は【聖位障壁《セイクリッドバリア》】や【聖位回復《セイクリッドヒール》】は封印するつもりだ。
もちろん明日の模擬戦でもそれらの魔術を使う気はない。
「まあ、確かにそれは使わないほうがいいだろうが……」
オズワルドさんはそれでも考え込んだ表情のまま、隣接する実験室に向かう。
なんだかわからないでいると、すぐに戻ってきて私にあるものを渡してきた。
「明日の模擬戦、危なくなったらこれを使え」
手渡されたのは指先ほどのサイズの焦げ茶色の物体。
これは――
「……植物の種、ですか?」
「ああ。それを使えば何とかなるだろう」
神妙な顔で頷くオズワルドさん。
模擬戦で危なくなったらこれを使えって……え? これでどうしろと……?
「何を不思議そうにしている。お前は元聖女候補だろう。魔力植物の種の使い道など一つしかないと思うが?」
「魔力植物……あ、なるほど」
そこでようやく私はオズワルドさんの行動の意味に気付き、ぽんと手を打ち鳴らすのだった。
「そうだ。この学院でそれを知らない人間はいない」
ルーカスさんは頷く。
まあ、考えてみれば当たり前のことだ。賢者様の血縁なら普通は魔術の勉強をするだろう。
この街で魔術の勉強をするなら学院に入ることも自然な流れといえる。
……ん?
「じゃあ、あなた方はロゼさんが賢者様の血縁だとわかっていながら虐めているんですか?」
ルーカスさん自身が言っていたように、賢者様はこの街の最高責任者だ。
領地で言うなら領主の立ち位置。
そんな相手の親族を攻撃するなんて無謀としか言いようがない。
「本当に何もわかっていないようだね。いいかいセルビア、この学院を仕切っているのは学院長だが、理事を務めるのは賢者様だ。
定期的にこの学院にも様子を見に来ている。だから賢者様はこの学院の内情を知っている」
「……それって」
「そうだ。その女の境遇も知っているんだよ、賢者様は。なのに何の動きも見せない。理由は一つしかないだろう。
その女は賢者様に見捨てられたんだよ」
「――ッ」
背後でロゼさんが何かに耐えるように唇を噛みしめたのがわかった。
見限られている……? ロゼさんが賢者様に?
以前通信で少し話した限り、そんなことをする人には見えなかったけど……
困惑する私に対してルーカスさんはさらに言葉を続ける。
「だいたい、虐めだなんて誤解もいいところだ。ボクたちがやっているのは特訓だよ」
「……特訓?」
「ああ。ボクたちの研究会は魔術戦闘を学んでいると言っただろう? その成果を実際に教えてやっているのさ」
「――、」
白々しい口調でそんなことを言うルーカスさん――いや、ルーカス。
私は半ば睨むようにその顔を見据えた。
「……無抵抗の相手に火の魔術を撃つことが特訓ですか?」
「いざ戦いになったとき、無抵抗でいれば敵は見逃してくれるか?」
「それは……」
「そんなわけがないだろう!
五年前の『竜の群れ』、そして今起こっている『行方不明事件』――イレギュラーはこちらの状況と関係なくやってくる。
ただの小娘なら怯えていてもいい。
だが、そいつは賢者の孫だ。有事の際は矢面に立って戦わなくてはならない。そんな人間が、目の前の脅威に対して縮こまっていていい道理はない!」
吐き捨てるようにルーカスは告げる。
私はその様子にさらに混乱する。
ルーカスの表情は、明らかに暴力に酔っているだけのようには思えなかったからだ。
……何か事情があるんだろうか?
この街に来たばかりの私にはわからない事情が。
「……それでもやっぱり、彼女を攻撃する理由にはならないはずです」
「やれやれ、強情だなキミは。それではこういうのはどうだろう?」
「はい?」
私が聞き返すと、ルーカスはこんな提案をしてきた。
「セルビア。キミ、『魔術戦闘学』の講義は取っているかな?」
「……取ってますけど、それがなんですか」
オズワルドさんに組まれた時間割表にはそんな名前の科目があった気がする。
実践的な魔術戦闘について学ぶ講義で、参加者もかなり多かったはずだ。
「明日の魔術戦闘学では模擬戦を行うことになっている。ボクはキミを対戦相手に指名するから、それを受けたまえ。一つ賭けをしようじゃないか」
「賭け?」
「そうだ。模擬戦でボクが勝てば、キミはロゼと縁を切ってボクの研究室に入るんだ」
賭けを持ち出してまで勧誘する価値が私にあるのかどうか。
「私が勝ったらどうするんです?」
「そのときはなんでも言うことを聞こう。たとえば『ロゼを攻撃するのはやめろ』という命令でも構わないよ」
「……それ、本当ですね?」
「ライオット家の名に誓おう。ま、どうせ勝つのはボクだと思うがね」
自分が負けるなんて微塵も思っていないような表情でルーカスは言う。
私は頷いた。
「わかりました。その勝負、受けて立ちます!」
▽
「……お前には目立ちたい願望でもあるのか? どうして転入初日からいきなり名前が広まっている?」
「す、すみません……」
場所はオズワルドさんの研究室。
今日のぶんの講義を終えた私は、成り行きでルーカスと模擬戦を行うことになった件を報告していた。
呆れた表情でオズワルドさんが尋ねてくる。
「そもそもどうしてお前はルーカス・ライオットに噛みついたりしたんだ」
「……その、昔のことを思い出してしまって」
「昔のこと?」
「教会にいた頃のことです」
ルーカス一味を見て私が想起したのは、教会にいた頃にあった陰湿ないじめ行為だ。
聖女の座をめぐる権力闘争の場でもある教会内では、陰でのいびりがよくあった。
そういうときに標的になるのは決まって大人しく、心優しい聖女候補ばかり。
もちろん私もできる限りそういう子を守ろうとはしたけど、長時間の祈祷のせいでどうしても庇いきれないことが多かった。
祈祷に加えて、他の聖女候補からの仕打ちによって心を病んでいく子たちを何人も見たものだ。
「私、大人数で寄ってたかって一人を攻撃するような真似が本当に嫌いなんです。だから、どうしても我慢できなくて……」
当時のことを思い出して毒を吐いてしまう私に、オズワルドさんが嘆息した。
「……聖女候補たちの蹴落とし合い、か」
「え? な、なんでオズワルドさんがそのことを?」
他国の人は聖女候補の内情までは知らないはずだ。
「聖女候補については以前少し調べたことがある。研究対象として興味深かったからな」
「研究対象ですか」
「ああ。まあ、結局お前たちは特殊すぎて有益な結果は得られなかったが。
そのときに俺は聖女候補についてある程度の知識を得ている」
オズワルドさんはそんなことを言った。
聖女候補を研究って……そんなこと考えもしなかった。
確かに私たちの扱う魔術は珍しいらしいし、その価値はあるのかもしれない。
聖女候補について何かわかったことがあるならちょっと聞いてみたいところだ。
「……まあ、お前の言い分は理解した。要は模擬戦を辞退する気はないわけだな」
「……すみません」
「俺は以前の研究の際に、お前たちの能力についても調べた。
確か『回復魔術』、『浄化魔術』、『障壁魔術』の三つが主だったな。それでどうやって模擬戦に勝つつもりだ?」
そう言ってオズワルドさんは私をじろりと睨む。
聖女候補が得意とするのは回復魔術、浄化魔術、障壁魔術。
生身の相手への攻撃手段がないため、はっきり言って争いごとにはまったく向いていない。
オズワルドさんに呆れられるのは当然といえる。
「言っておくが、ルーカス・ライオットはあれでもかなりの実力者だ。炎魔術を得意とし、魔術戦闘の腕なら今の『第一学院』では一、二を争うだろう。
無策で挑んで勝てる相手ではないぞ」
「本当に強かったんですね、あのひと」
「ライオット家は中央魔術騎士団に何人も血族を在籍させている名家だからな」
虐めなんてやっているわりにルーカスの実力は確からしい。
「お前が模擬戦で負ければやつの研究室に所属する約束なのだろう。今のお前にそんなことをしている暇はない」
「潜入任務中、ですもんね。わかってます」
「それで、策は?」
再度尋ねてくるオズワルドさんに私は自分の考えを告げた。
「障壁魔術を使って閉じ込めます」
「閉じ込める……? そんなことが可能なのか?」
「はい。前に暴れる火竜をそれで大人しくさせたこともあります」
敵意むき出しだった初対面のシャンに対してやったことだ。
あの方法なら、ルーカスでも簡単には脱出できないはず。
私が言うと、オズワルドさんはなぜか考え込むような顔をした。
「……一度閉じ込めてしまえば、か」
「な、なにかまずいことがあるんですか? もちろん聖位系の魔術は使わないつもりですよ?」
目立つなというのは今さらだけど、ただの『魔力が高い人間』と『元聖女候補』では目立ち方にも差が出てくるだろう。
一応、学院にいる間は【聖位障壁《セイクリッドバリア》】や【聖位回復《セイクリッドヒール》】は封印するつもりだ。
もちろん明日の模擬戦でもそれらの魔術を使う気はない。
「まあ、確かにそれは使わないほうがいいだろうが……」
オズワルドさんはそれでも考え込んだ表情のまま、隣接する実験室に向かう。
なんだかわからないでいると、すぐに戻ってきて私にあるものを渡してきた。
「明日の模擬戦、危なくなったらこれを使え」
手渡されたのは指先ほどのサイズの焦げ茶色の物体。
これは――
「……植物の種、ですか?」
「ああ。それを使えば何とかなるだろう」
神妙な顔で頷くオズワルドさん。
模擬戦で危なくなったらこれを使えって……え? これでどうしろと……?
「何を不思議そうにしている。お前は元聖女候補だろう。魔力植物の種の使い道など一つしかないと思うが?」
「魔力植物……あ、なるほど」
そこでようやく私はオズワルドさんの行動の意味に気付き、ぽんと手を打ち鳴らすのだった。
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