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創立記念祭②
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壇上を凝視すると、確かにそこには正装したハルクさんの姿が。
な、なぜハルクさんがここに……!?
『ハルク様は知っての通り、五年前の「竜の災禍」で街を救った英雄。今は「剣聖」ではなく「剣神」の二つ名で世間に知られていらっしゃいます。実は先日解決した行方不明事件の調査にも、内密で当たってくれていたのです』
『ご紹介に預かりました、ハルクです。今日は事情があってパーティに参加させていただきました。どうぞよろしくお願いします』
拡声用魔導具を渡され、ハルクさんが挨拶する。
するとそれだけで周囲の生徒たちから歓声が上がった。
予想はしていたけどすごい人気だ。
『それではしばし歓談を楽しんでください』
学院長が開会のスピーチを終え、ダンスが始まるまでは談笑する流れになった。
「レベッカ、ハルクさんが来ると聞いてましたか?」
「いや、全然。ハルクも美味いメシ目当てに来たんかな」
「それは完全にレベッカの話ですよね?」
私と話しながらもレベッカは絶え間なく料理を口に運んでいる。
メイド服も相まってレベッカの注目度は上がる一方だ。
「し、仕方ねーだろ! 『第二学院』の食堂のメシは量ばっかりで全然美味くねえんだから……! いいよなあセルビアは、毎日こんな美味いもん食っててよぉ!」
「レベッカも大変だったんですね……」
『第二学院』に潜入していたレベッカにも色々と苦労があったようだ。
「うーん……しばらくハルク様は空きそうにないね」
一方ロゼがそんなことを言う。
見ると、壇上から降りたところでハルクさんは学生たちに取り囲まれていた。
かつて街を救った英雄だけあって、一度話をしたいと思う生徒は多いようだ。
あれではハルクさんに直接話を聞くのはしばらく無理だろう。
仕方ないので私たちは周りにならって雑談をすることに。
料理に夢中なレベッカは置いておいて、私とロゼで交流のある生徒や教師と話す。
途中で眼鏡をかけた男子生徒――生徒会の副会長が話しかけてきた。
「やあ、セルビア君にロゼ君。ドレス、とてもよく似合っているね」
「ありがとうございます、副会長さん」
「どうも……」
ああ、ロゼが人見知りを再発させている。
ここは私が話すことにしよう。
「首の傷はどうですか? きちんと治療したつもりですが」
「うん、ばっちり治ったよ。その節はありがとう」
「それならよかったです。……会長さんの容態はどうですか?」
生徒会長は行方不明事件の被害者の一人だ。経過が少し気になっていた。
私が聞くと、副会長は難しい顔をした。
「話を聞く限り、あまりよくないらしいね。重度の魔力欠乏症らしくて、まだ意識が戻らないそうだ」
「そうですか……」
「まあ、魔力が足りないだけならそのうち目を覚ますだろうさ。僕も会長も、きみのおかげで救われた。本当にありがとう」
「い、いえ、気にしないでください」
副会長に神妙に頭を下げられて慌ててしまう。
私は私で目的があったし、お礼を言われるほどのことをしたわけでもない。
副会長と別れ、ロゼと話しながら過ごす。
するとやがて音楽が流れ始めた。
ゆったりとした優雅な曲だ。それに合わせて、数組の男女ペアがダンスを始める。
「音楽が始まると、それ以降はダンスに誘ってもいいことになるの」
「なるほど」
ロゼが解説してくれる。
つまりここからがこのパーティの本番というわけで――
「「「セルビア嬢ォォおおおおお! どうか僕(俺)(私)と踊ってくれええええええっ!」」」
「ひぃい!?」
血走った目の男性数人が勢いよく向かってきてあまりの迫力に悲鳴が漏れた。
なんですか? 一体この人たちは何に取り憑かれているんですか?
「あの……踊ってくれというのは」
「そのままの意味だよセルビア嬢!」
「ああ、俺たちは愚かだ! 今日まできみの美しさに気付かなかったとは!」
「ぶっちゃけ噂を聞いてヤバいやつだと思っていたのさ! しかし今はあなたと踊りたくて仕方ない!
さあ私の手を取ってくれ!」
近い。距離が近い。ものすごく対応に困る感じだ!
「……ちなみにこのダンスパーティ、恋人探しの意味も含んでるから。男子の誘いに乗るのは『脈アリ』のサインにもなるから気をつけてね」
「ロゼ、なんでそれを先に教えてくれないんですか!」
しかもなんだかロゼが遠い!
巻き込まれないように私を切り離そうとしていませんか?
「いいじゃない、大人気で。わかるセルビア、この一緒にいるのにこっちには見向きもされない感じが……いや、別に恋人とかいらないからいいんだけどさ……」
「拗ねてないで助けてくださいロゼ! それに何度も言いますが、ロゼはすごく可愛いですから!」
どうしてこの子の耳には褒め言葉が届かないのか。
そうこうしていると、目の前の男子たちを押しのけながらある人物が現れる。
「ここにいたのか、セルビア。探したぞ」
「…………………………ああ、ルーカスさんですか」
「なんだその間は」
金髪の下から不満げな目を向けてくるルーカス。
残念ながらこの人に関して私が友好的に接することは向こう十年ないだろう。
ルーカスは気を取り直すように言う。
「ま、まあいい。セルビア、こんな有象無象など放っておけ。ボクと踊ろうじゃないか」
当然のように差し出される手を見て、私は呆れ声で応じる。
「踊ろうって、ルーカスさんは知らないんですか? ここで男子が女子にダンスを申し込むのは求愛のサインだそうですよ?」
まったく、初参加の私でさえ知っていることを知らないなんてこの人は本当に――
「ああ。その通りだ」
「は?」
神妙に頷くルーカスに私は思わず固まった。
今、はいって言いました? ……気のせいではなく?
「確かにボクは少し前まで、キミのことをライバルだと思っていた。
だが違ったんだ。あの日――ダンジョンであのおそろしい大蛇に立ち向かったキミを見て、ボクの気持ちは形を変えた。
そう、それは恋!
ボクは大蛇に立ち向かったキミの凛々しさに、心を奪われたんだ……!」
ルーカスが何やら想定外のことを語っている。
「……じょ、冗談ですよね……?」
「冗談なものか! しかも今日のキミは一段と美しい! ボクの恋人になってくれ。何なら婚約者でも構わない!」
「冗談ですよね!? 冗談って言ってください!」
「それは無理だ! さあ踊ろうセルビア、そしてボクたちがいい仲だと周囲にアピールしよう!
そうすれば外堀も埋まり、キミも嫌とはいいづらくなるはずだ!」
「こ、姑息なことを……!」
それにしてもこれはまずい。周りの注目が一気に集まっているのがわかる。
こんな状況はまったく望んでいないというのに!
そもそも私は恋だの婚約だのに、今のところ全然興味がないのだ。
おまけに相手が元いじめっこのルーカスである。
とはいえこんなに注目されてしまっては、ルーカスに冷たい返事をすれば場が白けてしまうだろう。
そうなると私はパーティが終わるまで、ずっと気まずい思いで過ごすことなる。
ど、どうすれば……!
そんな感じで私が困っていると。
「――すまないね。彼女は僕が先約なんだ」
窮地に陥った私を救ったのは、聞き慣れた声だった。
「は、ハルクさん?」
「悪かったねセルビア、長く一人にしてしまって。挨拶回りに時間がかかってしまった」
横から現れたのは正装し、柔らかな微笑みを浮かべたハルクさんだった。
英雄たる『剣神』の登場によって周囲がざわつく。
ルーカスは唖然としたように目を見開き尋ねた。
「け、剣せ――ではなく、『剣神』殿……!? な、なぜあなたがセルビアを誘うのですか!?」
「彼女とは長らくともに旅をしています。僕もきみと同じく、彼女の魅力に惹かれるものの一人ですよ」
…………ハルク……さん……?
なんだか聞き覚えがないくらい甘い声で、ハルクさんがすらすらと言う。
「彼女はとても貞淑で、こういった華やかな場にはいくら誘っても出てくれません。しかし本日のパーティには参加してくれました。
だから私は、慌てて賢者様に掛け合ってここに出られるようにしたのです」
「そ、それはつまり、『剣神』殿はセルビアと踊るためにパーティに参加したと?」
「その通りです」
完璧に固まってしまったルーカスから視線を外し、ハルクさんは私ににこりと笑みを向ける。
「さあ、行きましょうかセルビア。あまり長話をしていると乗り遅れてしまいます」
「は、はい」
何が何だかわからないまま、私はハルクさんに手を引かれてその場を離れるのだった。
な、なぜハルクさんがここに……!?
『ハルク様は知っての通り、五年前の「竜の災禍」で街を救った英雄。今は「剣聖」ではなく「剣神」の二つ名で世間に知られていらっしゃいます。実は先日解決した行方不明事件の調査にも、内密で当たってくれていたのです』
『ご紹介に預かりました、ハルクです。今日は事情があってパーティに参加させていただきました。どうぞよろしくお願いします』
拡声用魔導具を渡され、ハルクさんが挨拶する。
するとそれだけで周囲の生徒たちから歓声が上がった。
予想はしていたけどすごい人気だ。
『それではしばし歓談を楽しんでください』
学院長が開会のスピーチを終え、ダンスが始まるまでは談笑する流れになった。
「レベッカ、ハルクさんが来ると聞いてましたか?」
「いや、全然。ハルクも美味いメシ目当てに来たんかな」
「それは完全にレベッカの話ですよね?」
私と話しながらもレベッカは絶え間なく料理を口に運んでいる。
メイド服も相まってレベッカの注目度は上がる一方だ。
「し、仕方ねーだろ! 『第二学院』の食堂のメシは量ばっかりで全然美味くねえんだから……! いいよなあセルビアは、毎日こんな美味いもん食っててよぉ!」
「レベッカも大変だったんですね……」
『第二学院』に潜入していたレベッカにも色々と苦労があったようだ。
「うーん……しばらくハルク様は空きそうにないね」
一方ロゼがそんなことを言う。
見ると、壇上から降りたところでハルクさんは学生たちに取り囲まれていた。
かつて街を救った英雄だけあって、一度話をしたいと思う生徒は多いようだ。
あれではハルクさんに直接話を聞くのはしばらく無理だろう。
仕方ないので私たちは周りにならって雑談をすることに。
料理に夢中なレベッカは置いておいて、私とロゼで交流のある生徒や教師と話す。
途中で眼鏡をかけた男子生徒――生徒会の副会長が話しかけてきた。
「やあ、セルビア君にロゼ君。ドレス、とてもよく似合っているね」
「ありがとうございます、副会長さん」
「どうも……」
ああ、ロゼが人見知りを再発させている。
ここは私が話すことにしよう。
「首の傷はどうですか? きちんと治療したつもりですが」
「うん、ばっちり治ったよ。その節はありがとう」
「それならよかったです。……会長さんの容態はどうですか?」
生徒会長は行方不明事件の被害者の一人だ。経過が少し気になっていた。
私が聞くと、副会長は難しい顔をした。
「話を聞く限り、あまりよくないらしいね。重度の魔力欠乏症らしくて、まだ意識が戻らないそうだ」
「そうですか……」
「まあ、魔力が足りないだけならそのうち目を覚ますだろうさ。僕も会長も、きみのおかげで救われた。本当にありがとう」
「い、いえ、気にしないでください」
副会長に神妙に頭を下げられて慌ててしまう。
私は私で目的があったし、お礼を言われるほどのことをしたわけでもない。
副会長と別れ、ロゼと話しながら過ごす。
するとやがて音楽が流れ始めた。
ゆったりとした優雅な曲だ。それに合わせて、数組の男女ペアがダンスを始める。
「音楽が始まると、それ以降はダンスに誘ってもいいことになるの」
「なるほど」
ロゼが解説してくれる。
つまりここからがこのパーティの本番というわけで――
「「「セルビア嬢ォォおおおおお! どうか僕(俺)(私)と踊ってくれええええええっ!」」」
「ひぃい!?」
血走った目の男性数人が勢いよく向かってきてあまりの迫力に悲鳴が漏れた。
なんですか? 一体この人たちは何に取り憑かれているんですか?
「あの……踊ってくれというのは」
「そのままの意味だよセルビア嬢!」
「ああ、俺たちは愚かだ! 今日まできみの美しさに気付かなかったとは!」
「ぶっちゃけ噂を聞いてヤバいやつだと思っていたのさ! しかし今はあなたと踊りたくて仕方ない!
さあ私の手を取ってくれ!」
近い。距離が近い。ものすごく対応に困る感じだ!
「……ちなみにこのダンスパーティ、恋人探しの意味も含んでるから。男子の誘いに乗るのは『脈アリ』のサインにもなるから気をつけてね」
「ロゼ、なんでそれを先に教えてくれないんですか!」
しかもなんだかロゼが遠い!
巻き込まれないように私を切り離そうとしていませんか?
「いいじゃない、大人気で。わかるセルビア、この一緒にいるのにこっちには見向きもされない感じが……いや、別に恋人とかいらないからいいんだけどさ……」
「拗ねてないで助けてくださいロゼ! それに何度も言いますが、ロゼはすごく可愛いですから!」
どうしてこの子の耳には褒め言葉が届かないのか。
そうこうしていると、目の前の男子たちを押しのけながらある人物が現れる。
「ここにいたのか、セルビア。探したぞ」
「…………………………ああ、ルーカスさんですか」
「なんだその間は」
金髪の下から不満げな目を向けてくるルーカス。
残念ながらこの人に関して私が友好的に接することは向こう十年ないだろう。
ルーカスは気を取り直すように言う。
「ま、まあいい。セルビア、こんな有象無象など放っておけ。ボクと踊ろうじゃないか」
当然のように差し出される手を見て、私は呆れ声で応じる。
「踊ろうって、ルーカスさんは知らないんですか? ここで男子が女子にダンスを申し込むのは求愛のサインだそうですよ?」
まったく、初参加の私でさえ知っていることを知らないなんてこの人は本当に――
「ああ。その通りだ」
「は?」
神妙に頷くルーカスに私は思わず固まった。
今、はいって言いました? ……気のせいではなく?
「確かにボクは少し前まで、キミのことをライバルだと思っていた。
だが違ったんだ。あの日――ダンジョンであのおそろしい大蛇に立ち向かったキミを見て、ボクの気持ちは形を変えた。
そう、それは恋!
ボクは大蛇に立ち向かったキミの凛々しさに、心を奪われたんだ……!」
ルーカスが何やら想定外のことを語っている。
「……じょ、冗談ですよね……?」
「冗談なものか! しかも今日のキミは一段と美しい! ボクの恋人になってくれ。何なら婚約者でも構わない!」
「冗談ですよね!? 冗談って言ってください!」
「それは無理だ! さあ踊ろうセルビア、そしてボクたちがいい仲だと周囲にアピールしよう!
そうすれば外堀も埋まり、キミも嫌とはいいづらくなるはずだ!」
「こ、姑息なことを……!」
それにしてもこれはまずい。周りの注目が一気に集まっているのがわかる。
こんな状況はまったく望んでいないというのに!
そもそも私は恋だの婚約だのに、今のところ全然興味がないのだ。
おまけに相手が元いじめっこのルーカスである。
とはいえこんなに注目されてしまっては、ルーカスに冷たい返事をすれば場が白けてしまうだろう。
そうなると私はパーティが終わるまで、ずっと気まずい思いで過ごすことなる。
ど、どうすれば……!
そんな感じで私が困っていると。
「――すまないね。彼女は僕が先約なんだ」
窮地に陥った私を救ったのは、聞き慣れた声だった。
「は、ハルクさん?」
「悪かったねセルビア、長く一人にしてしまって。挨拶回りに時間がかかってしまった」
横から現れたのは正装し、柔らかな微笑みを浮かべたハルクさんだった。
英雄たる『剣神』の登場によって周囲がざわつく。
ルーカスは唖然としたように目を見開き尋ねた。
「け、剣せ――ではなく、『剣神』殿……!? な、なぜあなたがセルビアを誘うのですか!?」
「彼女とは長らくともに旅をしています。僕もきみと同じく、彼女の魅力に惹かれるものの一人ですよ」
…………ハルク……さん……?
なんだか聞き覚えがないくらい甘い声で、ハルクさんがすらすらと言う。
「彼女はとても貞淑で、こういった華やかな場にはいくら誘っても出てくれません。しかし本日のパーティには参加してくれました。
だから私は、慌てて賢者様に掛け合ってここに出られるようにしたのです」
「そ、それはつまり、『剣神』殿はセルビアと踊るためにパーティに参加したと?」
「その通りです」
完璧に固まってしまったルーカスから視線を外し、ハルクさんは私ににこりと笑みを向ける。
「さあ、行きましょうかセルビア。あまり長話をしていると乗り遅れてしまいます」
「は、はい」
何が何だかわからないまま、私はハルクさんに手を引かれてその場を離れるのだった。
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