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しおりを挟む「あっ、あの、家の資産が没収されたら俺は150万ルペルをどうやって支払えばいいんですか」
…………ええっ??
「……………………
えと……君は貴族だったとしてどうやって暮らしていく気だったのかな?」
裁判官がとても困った顔で質問されます
「え?
……貴族でいれば領地から勝手にお金が入ってくるので……」
……………………
………この方私と同じ年ですよね……
学園にも通っていましたよね。………確かに学園では働き方なんて講義もありませんし、事細かには教えないかもしれないかもしれません。でもそれって学園以前に知っているべきことですよね。学園で「働かなければ生活できません」なんていう先生も見たことがありません……
どうなっているのでしょう………
「えー……誰か平民の働き口を知っているものはいるか?」
裁判官が全体にむかってそう聞きます。
でも手をあげるものはいません。だって手をあげたら押し付けられるってことですもの。
しばらく全体を見渡していましたが誰も手をあげないことがわかると大きなため息を吐きました。
「とりあえず1か月、両親と同じ糞尿処理施設で労働すること。1か月たてば令息は外に出ていいので自分で仕事を見つけなさい。
両親は1か月の間に社会的に必要最低限の知識を教えること!!もし出来ていなければ、さらに刑を追加する可能性もあるので忘れるな!!
とりあえず、これにて元スターン伯爵令息家族、並びにレイズ伯爵家族の審理を終了する。
危険薬物はその後の精神状態にも大きな影響を及ぼす!絶対に手を出さないように。また、使用することだけでなく、栽培・製造・販売に関しても厳しく罰せられることを忘れないようにしてほしい。
以上」
こうして……やっと私の元家族と元婚約者家族の裁判が終わりました。
最後まで私を睨みつけていたナディア。
もうきっと会うことはないと思いますが、刑を執行され、少しでも反省してくれればと思います。
こんな裁判はありましたが、私たちの日常は変わりません。私は学生生活を送り、卒業したらザックと家族になります。
小さい頃にはよくナディアの部屋の前で父と母の笑い声を聞いていましたが、今はちゃんと私に直接笑いかけてくれる人たちがいます。
それに今までだってずっと皆がいてくれました。
だから学生である今はこれからに向けてしっかりと学び、卒業したら領地が栄えるように、皆で幸せになれるように自分で未来を切り拓いていきます!
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