大東亜戦争を有利に

ゆみすけ

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実用化の道

安定した飛行

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 滑走路のいらない飛行機は安定した上昇ができない壁にブチ当たった。 
人間技では、無理だ。 
 それで山野研究員は、悩んだ。 
妻に文句をいって往復ビンタをくらった。 
 まあ平均的な家庭だ。 
日本の家庭は妻が山の神だ。 」お金を握っている。
 だから平和なのだ。 オンナは基本セコイ、ケチ、守銭奴だ。 
オトコは使うだけだ。 
 バランスが大事だ。  
あきらめて公園のベンチでふてくされていた。 
 目の前で悪ガキがコマで遊んでいた。 
コマは別のコマとなんども当たり傾くが、また立ち直る。 
 山野はヒラメイタ。 研究所まで走った。 
そして3ヶ月家には帰らなかった。 
 とうとう妻が根負けして会社まで向かえにきた、山野いわく「当分、帰れない。」「追い返せ。」だった。 
山野は真っ盛りに燃えていた。 
バランスを機械にやらせようと、試作を何度も試す。 
 とうとう四角い箱が出来た。 なかにコマが2個廻っている。 
コマはモーターで電気で廻る。 
 上と下の軸に電気を伝える接点がある。 
箱が傾くと中のコマが真っ直ぐに立とうとする、その差を検知して情報として信号がでる。 
 コマが2個なのは、傾きが三次元だから、1個では、検知が難しいからだ。 
3個がいいのだが、複雑で造れなかった。 
 職人泣かせの箱だった。 
それを修理した実験機に組み込んだ。 
 しかしテストを誰もやらない。 まあ理解できる、著者も御免だ。
命には代えられないから。 
 こまった山野は、無線操縦の研究をしている同じ社の研究室を訪ねる。 
「これは、社でも極一部しか知らないことだが、滑走路がいらない飛行機のテストをだれもやってくれない。」 
 「無線操縦ができないかな。」
「まあどうだか、これは、極秘事項で社長もしらないが、私が個人で最近開発した装置なら無線で遠隔操作ができるが、万一のとき責任をとれますか。」 山野は、つまった。
 しかし冒険はしないと虎穴に入らずば虎子を得ずだ。 
山野は、決心した。 
 「それは、どんな装置ですか。」 
「いままで無線操縦はスイッチが入るか切れるを検知してやっていました。」
 「うんそうだが、細かい操作ができないね。」 
「ですから考えました、切る入れるを短時間で信号にして高速で発信すれば細かい操作ができないかと。」 
 現在のデジタル信号と同じ原理だ。 
「で、ためしてみたんです。」 とその研究員が背後のカーテンをめくる。 
なんと、そこには、機械の人間まがいの装置があった。 
 「機械人間15号です。」 と言ってデカイ操縦装置を肩にかついだ。 
両手にハンドルがでている。 
 それを動かすと、機械人間が腕と手を動かした。 
すごい、こいつは、天才かマッドな科学者か。 
 「しかし問題があります。」 
電池があまり長時間もたない。 
 「どれだけ。」と聞く。 
まあ1時間くらいです。 
 なら問題ないと山野は思った。 
しかし社に、どう説明しようか、研究費などどうしたか、土下座かくごの実験を決心する山野だった。 
 失敗したら跡が二人ともないのだ。
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