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新総帥の誕生
やはりか、ドーバー越えの危機
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数日して選挙の開票が終わった。 結果はデキレースであり、宣伝大臣が新総帥に・・・・ ここに、宣伝大臣シュリーマンが総帥となった。 国民が、知らないことがある。 それは、総帥メモが闇から闇へと葬られたことだ。 ゲッペルン総帥が決断した、民主主義国家(日本、米国、英国)との和解が闇に消えたのである。 使えない秘書の、ほんの些細な行動(お茶出しのため、席を外した。)が、ソ連の工作員の付け入るスキを与えた。 そして、ソ連クレムリンの恐ろしいシナリオが作られた。 とうぜん、ソ連のみでは、工作など出来はしない。 これには、宣伝大臣派のゲシュタポが絡んでいるのである。 独逸帝国の裏の闇を支配するゲシュタポである。 暗殺や工作などはお手の物である。 そして、総帥暗殺に関わった部下などは、いつのまにかシベリア送りとなり、現地で凍りながら死んでいったのである。 それは、この件を総帥の机から盗撮した工作員まで及んだ。 彼は、コミンテルンの英雄と称えられえて、モスクワまでの飛行機の事故で帰らぬ人であった。 著者は名前も知らない。 いや、コミンテルンの名簿からもナイのである。 ゲシュタポとクレムリンは最大の秘匿情報として、情報の抹消を企てたのである。 ・・・・ ここは、ソ連のクレムリンである。 ステルヒン書記長が、「あの件の抹消は終わったか。」 「ハイ、この件の工作員は飛行機事故で死亡、フランス国鉄の保線区員は酒場のケンカで刺されて死亡、独逸帝国の本部整備士はシベリア送りで、幹部以外は全員処分は終わりました。」 「そうか、ご苦労であった、なおこの件は忘れろ、褒章もナイ。」 「わかっております。」 「よし、下がってよい。」 ・・・・書記は机のボタンを押した。 「お呼びですか。」 「うむ、出て行った者を、わかっておるな。」 「わかりました。」 ・・・・この件を知らない部下に、暗殺の件を知る部下を始末させる。 でないと、部下が居なくなってしまうからだ。 まあ、共産党はヒトの命が安から。 しかし、独逸帝国側は、それなりに処分をしているのか、心配なステルヒンであった。 万一バレたら、独逸帝国とソ連の開戦になってしまう。 それほど、先の総帥は国民の信望があったのだ。 この最大の秘密である、総帥暗殺計画は、ソ連では闇に封じることが、出来たのである。 さて、独逸帝国では・・・・ それは、まだ発動してはいない話である。 ここは、グルップ重工業である。 新総帥が見学である。 役員に、「ドーバー越えの新兵器はいつ出来るのか。」 「ハイ、目下建造中でして、先の水上戦車ではない物です。」 と役員は新総帥を案内した。 「ほう、これは、すごい。」 新総帥は目を瞠る。 それは、水上戦車ではない。 それは、4発の大型輸送機であった。 「これは、降下兵を100人、1機に乗せられます。」 「この、大型輸送機を100機建造します。」 「ふむ、では1万人のパラシュート降下兵が必要であるな。」 「わが、陸軍は無敵です。」 「そうだな、陸軍は敵なしだ。」 「問題は戦闘機です。」 「わが方は、ジェット機はまだだからな。」 「このギガント輸送機を援護できれば英国は独逸のものです。」 「うむ、戦闘機は、なんとかしよう。」 「まず、100機の生産を目指してくれ。」 新総帥はご機嫌で帰っていった。 なんと、ギガント輸送機、100人の空挺部隊が100機だ。 10000人の空挺部隊、それは日本軍では無理であった。 大独逸陸軍なら可能だ。 なんせ、陸軍はツオイのだ。 まさに無双の独逸陸軍である。 でかい、4発輸送機が工場から出てくる、その上空、約300キロには・・・・・・
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