戦国時代に機関車。

ゆみすけ

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やはり、蒸気機関しかない。

日本にないもの・・・

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 日本にないもの、それは、石油である。 新潟地方からは、少しは掘れるらしいが・・・ 燃える水は、日本にはない。 そして、あるのは、木材である。 雨量は十分である。 山の木が枯れ山になることは、マズ無い。 砂鉄はある。玉鋼もある。 鉄砲は作れるのだ。 それも、日本人の鍛冶屋が造ると、当たる銃ができるのだ。 欧州の鉄砲は命中率は70メートルくらいから実用になるらしい。 ところが、日本の火縄銃は200メートルほどが、実用である。 銃身に線条が掘っていない、ただの筒でである。 これが、ライフリング、つまり線条を(溝は浅い、ゆるやかなラセンだ。)彫ってあると、飛躍的に命中率があがり、威力も増すのだ。 しかし、先込め銃では、ライフルの溝は無理なのだ。 なぜなら、掃除ができない。 黒色火薬はススが多い、それで、掃除が必要なのだ。 それに、火薬を詰めて、弾を込めるのだ。 火薬と弾が別々である。 それに、火縄では、雨天は使えない。 傘でもさせば、(そんなこと、いちいちやってられんわ。) まあ、できはしないのだ。 蒸気船がそれなりに増えた。 河口までの往復も順調である。 河口までは、屋形舟に蒸気動力の首振りエンジンが1基の小型エンジンで運行だ。 そして、大型の首振りエンジン(2気筒である。)は河口から大阪湾まで運ぶのである。 ランプと便器とポンプも売れない日はないほどだ、足りないほどである。 嬉しい悲鳴である。 足軽村も、かなりの工業化が進んだのだ。 やはり、蒸気動力の実用化が大きいのだ。 石油が無いから、ガソリンが造れない。 内燃機関のエンジンは無理である。 できるのは、蒸気機関だ。 木材と鉄で動力ができるからだ。 そして、少しの油だ。(菜種油でOKだ。) ピストンを動かすのに摩擦をふせぐためだ。 ちなみに、馬1頭を1馬力としているようだが・・ 実用化した首振りエンジンは6馬力ほどは余裕だろう。 それで、舟を動かすのだ。 船頭の櫓や櫂で漕ぐより格段に速いのだ。 それに、エンジンは疲れないし、休憩もいらないのだ。 まあ、点検と燃料は必要だが・・・ この戦国時代で、手にはいる物で動力は蒸気しかないのだ。 そして、物流革命は少しづつ始まったのである。 ヒト、モノ、カネが動くのが物流である。 そこに、蒸気機関が入れば、革命である。 産業革命である。 鍛冶屋が旋盤の試作ができたからと連絡だ。 動力は首振りエンジンだ。 水車では作業所の場所が限定されてしまう。 首振りエンジンなら、どこでもOKだ。 「なにに、それで使うんじゃい。」 と聞いたので、「ネジ切りにつかうんだよ。」 とネジを切ってみせた。 同じ大きさのネジが造れるのだ。 これは、革命だ。 鍛冶屋は眼を丸くして驚いた。 「あんたは、何者じゃ・・・」 「いや、オレは単なるヒトだよ。」 「いいや、神様がおくだりあさばされたたたたた・・」 「ネジができれば、なんでもできるぞ。」 鍛冶屋は、もう有頂天だった。 
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