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鉄道会社のエンジン。
これが、高速デーゼル機関だ。
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デーハツ社長は、同級生だった鉄道会社幹部を訪問だ。 手土産はおごったのだ。 なけなしの財布がカラだが・・ 社長であるが、その辺のオッサンにしか見えないデーハツ社長であった。 バス(社用車ないて贅沢だ。)を降りて、住宅地を歩く。 「おい、ここだ、ここだ。」と、玄関に立った。 「トン、トン。」とノックだ。 「ハイ。」とバアさんの声だ。 「あのう、デーハツからまいりましたが・・」と、低姿勢でだ。 なんせ、無理なお願いだからだ。 「ハイ、こちらえ・・」と案内された。 「おう、おひさだな。」と幹部になった同級生が迎えてくれた。 「で、なんか聞きたいことがあるらしいが・・」という。 「実は、エンジンのことだが。」と、始めた。 「デーゼルで、1600PSは・・」と、聞いた。 「うむ、やはり戦車大会の為か。」「うむ、そうだ、いまの1200では勝てないのだ。」 「どうしても、1600か。」 「いや、無理にとは・・せめて1500くらいには・・・」と水を向ける。 「燃費が200もいかないが・・」と幹部だ。 社長は、「そうだが、馬力がないと勝てないからね。」 「まあ、戦車は馬力だからな。」と、幹部だ。 そうなのだ、戦車は馬力がすべてなのだ。 威力がある砲も、装甲も重いからだ。 重い戦車を動かすのは馬力があるエンジンである。 だから、トヨスはガスタービンというチートな動力をつかってるのだ。 ガスタービンはジェツトエンジンに等しいのである。 「無いことは、無いが。」と幹部だ。 「えっ、あるのか?」 「あ、あ、高速鉄道は電車だが、電化されていないとこもあるから、デーゼル高速発動機を開発中だが。」 「では、それを・・」 「いや、まだ開発段階なんだが・・」 「そうか・・」と、残念そうなデーハツの禿オヤジである。 「だが、使えんこともないんだ。」「どうすれば?」「それは、試験をやりがてらなら。」「つまり、戦車世界大会を試作エンジンで試すんだな。」「うむ、それなら会社も説得できる。」 「明日にでも、ウチの関係者を送ろう。」 話はまとまった、禿オヤジはデーハツで社員へ、試作エンジンのことを伝えた。 そして、次の日には鉄道会社からデーゼルの技師がやってきた。 トラックに高速回転のデーゼルの試作を載せてである。 どんな機械でも内部抵抗のロスはある。 馬力が200なら、機械ロスで100馬力は浪費しているのだ。 機械ロスがなければ300はでるのだ。 しかし、機械ロスはなくならない。 機械同士の摩擦や回転軸での抵抗があるからだ。 しかし、試作デーゼルエンジンは、その機械ロスの限界に挑んだエンジンだった。 日本人の職人技が栄える工作精度が成した成果である。 テストベンチでは、回転が1分間で、4000まで伸びたのだ。 いままでは、2600がギリなデーゼルエンジンである。 つまり、機械ロスが無い分が馬力アップとなったのである。 「すごいぞ、これが実用になれば・・」と、デーハツ技師だ。 「いや、これは1点モノです、これを量産は無理と思います。」と、デーゼル技師だ。 「なぜなら、コンマ0001のミクロン精度を大量生産では不可能なんです。」 「だから、1点モノなんだな。」 納得のダーハツ技師だ。
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