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思いもよらぬ女性の存在

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『あの、あなた…一堂 彩葉さん?』


『あ…あなたは?』


『私は藤間 マリエ(とうま まりえ)と申します』


大型ショッピングモールに雪都と来ていた私の前に、1人の女性が突然現れた。


『藤間…さん?』


でも、全く知らない人だ。


『ごめんなさい、急に。その子…あなたのお子さん?可愛いですね』


その女性は、モールの一角にある小さな屋内の公園で遊ぶ雪都を見ながら言った。


『あっ、ありがとうございます。すみません、あの…』


私と同じくらいの年齢かな?


165cmの私より少しだけ低いくらいの背丈。


髪質がとっても綺麗で、前髪がしっかり整った黒髪ロングの見た目が印象深い女性。


目が大きいせいで、とても可愛く惹き付けられる。


『あの、ごちゃごちゃ言っても仕方ないので、ハッキリ言います。あなたには慶都さんから離れていただきたいの』


『えっ…』


いきなり過ぎて話が見えない。


丁寧な話し方なんだけど、言ってることはかなり強引。


『あの、どういうことでしょうか?』


とにかく冷静を心掛けて質問した。


『言葉通りです』


『藤間さん、意味がわからないんですが…』


『…藤間フーズという会社を営む私の父と、慶都さんのお父様は、仕事の関係で昔から仲が良いんです』


藤間フーズといえば食品関係のかなり大手だ。


身につけているものは高価な物ばかりだし、お上品でおしとやかな雰囲気だから、どこかのお嬢様なんだと想像は出来たけど…


『私は藤間フーズの一人娘として、ずっと以前から慶都さんと仲良くしていただいてました』


仲良くって…いったいどういう関係なの?


『つまり…私は慶都さんのことが好きなんです』


えっ、す、好き!?


ちょっと、そんな大切なことを私にカミングアウトされても困るよ。


私、それを聞いてどんな顔すればいいの?
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