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「本当、あなたって令嬢っていう自覚がないわね!!」
「申し訳ございませんでした。」
「謝る余裕があるのなら、令嬢らしい生活をしなさいな」
私は実家に帰るなり、お怒りのお母様から私は叱咤を受けた。
楽しいお茶会になるはずが、説教会になってしまった。まあお母様とのお茶会で楽しい雰囲気になったためしはないのだけれど。
何と言うか、どれの事を怒っているのか私には分からなかった。
スラムで奴隷を救ったこと?
王様の誘いをさりげなく断ったこと?
それとも、なんだろう。
「男爵位の娘アルネアに紅茶を掛けたって本当かしら?」
それか、すっかり忘れていたよ。
手紙に書いてあったから、もう満足したものだと思っていた。けれど手紙に書く程度じゃあ気は収まらなかったらしい。
「ええ。本当よ」
「なぜ?」
「気に食わなかったからよ」
「こんなに大きくなった娘にこういうことは言いたくないのだけれど、人にやられたくないことはやってはいけません」
「別に。私水掛けられた程度で」
気分は害さないわ。と続く言葉はお母様に取られた。
「怒るでしょう?あなたなら。」
「怒るかもしれないけれど。ムカついたのだもの」
「本当に世話の焼ける子だわね。こんなんじゃあ新しい恋人に逃げられてしまいますよ」
きっとマリクの事を言っているのだろう。
やはり手紙で追及するだけじゃあ、気は収まらないか。
「別に。逃げられてもいいし」
「私達はそうは思っていませんよ。あなたみたいなのを恋人にわざわざしようとする物好きなんてそうそう、いるものじゃありません。最初で最後のチャンスを逃さないで」
意外といるみたいですけど。物好きさんも。
「普通結婚までの段取りを決めて、交際する人なんていないでしょう」
「貴族ではそれが普通なのよ」
「そうなの」
私は自分が貴族であることをすっかり忘れてしまったようだ。うそ、貴族のしきたりだか何だかを頭から強制的に抜け落ちさせていたようだ。
「なんだか、計算して交際するなんて面倒ね」
「普通よ。庶民でもやってることだわ」
「ああ旅にでも出てしまおうかしら」
「探すのが大変だから、やめなさい」
そこで沈黙が下りる。
お茶会なのになんでこんなに疲弊するんだろう。と思ったところで従者が入って来た。
「おくつろぎのところ申し訳ございません。奥様、お嬢様」
「いいえ、気にしないで丁度この子と話して疲れていたところよ」
私はじっとお母様を睨む。
「国王陛下からお嬢様へ、今すぐに王宮へ来るようにと召集命令が」
「何かしたのあなた?」
「さあね」
お母さんの説教よりかはあの狸にあった方がましかと思い私はドレスの上にジャケットを羽織り実家を後にした。
「申し訳ございませんでした。」
「謝る余裕があるのなら、令嬢らしい生活をしなさいな」
私は実家に帰るなり、お怒りのお母様から私は叱咤を受けた。
楽しいお茶会になるはずが、説教会になってしまった。まあお母様とのお茶会で楽しい雰囲気になったためしはないのだけれど。
何と言うか、どれの事を怒っているのか私には分からなかった。
スラムで奴隷を救ったこと?
王様の誘いをさりげなく断ったこと?
それとも、なんだろう。
「男爵位の娘アルネアに紅茶を掛けたって本当かしら?」
それか、すっかり忘れていたよ。
手紙に書いてあったから、もう満足したものだと思っていた。けれど手紙に書く程度じゃあ気は収まらなかったらしい。
「ええ。本当よ」
「なぜ?」
「気に食わなかったからよ」
「こんなに大きくなった娘にこういうことは言いたくないのだけれど、人にやられたくないことはやってはいけません」
「別に。私水掛けられた程度で」
気分は害さないわ。と続く言葉はお母様に取られた。
「怒るでしょう?あなたなら。」
「怒るかもしれないけれど。ムカついたのだもの」
「本当に世話の焼ける子だわね。こんなんじゃあ新しい恋人に逃げられてしまいますよ」
きっとマリクの事を言っているのだろう。
やはり手紙で追及するだけじゃあ、気は収まらないか。
「別に。逃げられてもいいし」
「私達はそうは思っていませんよ。あなたみたいなのを恋人にわざわざしようとする物好きなんてそうそう、いるものじゃありません。最初で最後のチャンスを逃さないで」
意外といるみたいですけど。物好きさんも。
「普通結婚までの段取りを決めて、交際する人なんていないでしょう」
「貴族ではそれが普通なのよ」
「そうなの」
私は自分が貴族であることをすっかり忘れてしまったようだ。うそ、貴族のしきたりだか何だかを頭から強制的に抜け落ちさせていたようだ。
「なんだか、計算して交際するなんて面倒ね」
「普通よ。庶民でもやってることだわ」
「ああ旅にでも出てしまおうかしら」
「探すのが大変だから、やめなさい」
そこで沈黙が下りる。
お茶会なのになんでこんなに疲弊するんだろう。と思ったところで従者が入って来た。
「おくつろぎのところ申し訳ございません。奥様、お嬢様」
「いいえ、気にしないで丁度この子と話して疲れていたところよ」
私はじっとお母様を睨む。
「国王陛下からお嬢様へ、今すぐに王宮へ来るようにと召集命令が」
「何かしたのあなた?」
「さあね」
お母さんの説教よりかはあの狸にあった方がましかと思い私はドレスの上にジャケットを羽織り実家を後にした。
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