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なぜ、私は国王陛下に呼ばれるのだろうか。
という件に関してグルグル考えつつ、私は王宮へ向かう。
なぜ。
なぜ。
心当たりは二つほど。
愛人契約についてスルーしたこと。
もしくは政治について、か。
その二つ以外となるとさすがにどうにも、予想はつかない。
私は王宮内の離宮へ通された。
十分ほど経てば、国王陛下がやってくる。
「国王陛下、今回はどう言ったご要件で?」
国王陛下はニッコリと笑う。何だか嫌な予感がした。
「特にどうと言った要件はないんだけどね」
「はあ」
「どうと言った要件がなくても会いに行ける関係になろうかなと、考えたわけだよ」
「は!?」
ぼくってば天才!
と言うような顔をした国王陛下の心の中はどうなっているか1度見てみたい。
「犯罪は計画的に」
「仰ってる意味が分かりません。」
ジリジリと私を追い詰めようとする国王陛下から逃げるため、私は離宮内を駆け出した。
「そっちに行っては行けないよ、アリエノール」
そう言われたら行くしかないでしょう。年の差はあるものの、あちらは男性、こちらは女。体力の差というものは歴然としていて。
「捕まえた」
笑う悪魔に私はさっさと捕まってしまった。
「さあ、離宮に戻ろうね」
国王陛下の手を振り払おうと努力するも、叶わず私はひたすらに引きずられていく。こんなところで、私の純潔を汚されるわけには。
「離して下さい!陛下!」
「嫌だな」
「陛下、何で人のものに触れてるんですか」
私を強く握りしめていた手を振り払ったのは、豪勢な衣装に身を包んだマリクだった。あ、そういえば帰ってくるのは今日だった。
「来ちゃったね。君の王子が」
「ええ、貴方が出る幕は元々ないんですよ。」
「今日はどういう要件で来たのかな。マリク君」
「アリエノールに、婚約を申し込みに。
ナルバント王国王位継承者として。」
王位継承者。つまり次期王様?マリクが?
何だかキャパオーバーで死んでしまってもいい気がした。
「へえ、ついに決めたんだね」
「だから、ひとの妻に手は出さないでもらいたい」
「別に。オジサンは去るよ。ちょっと遊びたかっただけだしね」
遊びで純潔失うのは、御免だよ。とも思ったけれど口には出さず、私達は国王陛下を見送った。
好き勝手しやがって。
まるで嵐だ。
「アリエノール。」
「マリク。貴方王子だったのね」
「そうだよ。」
「私は玉の輿というヤツなのかしら」
「そうだよ。」
何だか、どう口を開いたらよいのかわからなくなった所でマリクが口を開けた。
「少なくとも、ロマンみたいな馬鹿よりはマシな生活を約束できると思うよ。あとウチの国は一夫一婦制なんだ、生涯一人の人しか愛さない国風でね、僕は多分君しか愛さない」
「そう。まあいいんじゃないかしら、愛して差し上げても良くってよ。」
私達は恋人同士の手を繋いだ。
とりあえずここは雰囲気に身を任せて、何となく微笑んでおこう。なんて幸せだ。
という件に関してグルグル考えつつ、私は王宮へ向かう。
なぜ。
なぜ。
心当たりは二つほど。
愛人契約についてスルーしたこと。
もしくは政治について、か。
その二つ以外となるとさすがにどうにも、予想はつかない。
私は王宮内の離宮へ通された。
十分ほど経てば、国王陛下がやってくる。
「国王陛下、今回はどう言ったご要件で?」
国王陛下はニッコリと笑う。何だか嫌な予感がした。
「特にどうと言った要件はないんだけどね」
「はあ」
「どうと言った要件がなくても会いに行ける関係になろうかなと、考えたわけだよ」
「は!?」
ぼくってば天才!
と言うような顔をした国王陛下の心の中はどうなっているか1度見てみたい。
「犯罪は計画的に」
「仰ってる意味が分かりません。」
ジリジリと私を追い詰めようとする国王陛下から逃げるため、私は離宮内を駆け出した。
「そっちに行っては行けないよ、アリエノール」
そう言われたら行くしかないでしょう。年の差はあるものの、あちらは男性、こちらは女。体力の差というものは歴然としていて。
「捕まえた」
笑う悪魔に私はさっさと捕まってしまった。
「さあ、離宮に戻ろうね」
国王陛下の手を振り払おうと努力するも、叶わず私はひたすらに引きずられていく。こんなところで、私の純潔を汚されるわけには。
「離して下さい!陛下!」
「嫌だな」
「陛下、何で人のものに触れてるんですか」
私を強く握りしめていた手を振り払ったのは、豪勢な衣装に身を包んだマリクだった。あ、そういえば帰ってくるのは今日だった。
「来ちゃったね。君の王子が」
「ええ、貴方が出る幕は元々ないんですよ。」
「今日はどういう要件で来たのかな。マリク君」
「アリエノールに、婚約を申し込みに。
ナルバント王国王位継承者として。」
王位継承者。つまり次期王様?マリクが?
何だかキャパオーバーで死んでしまってもいい気がした。
「へえ、ついに決めたんだね」
「だから、ひとの妻に手は出さないでもらいたい」
「別に。オジサンは去るよ。ちょっと遊びたかっただけだしね」
遊びで純潔失うのは、御免だよ。とも思ったけれど口には出さず、私達は国王陛下を見送った。
好き勝手しやがって。
まるで嵐だ。
「アリエノール。」
「マリク。貴方王子だったのね」
「そうだよ。」
「私は玉の輿というヤツなのかしら」
「そうだよ。」
何だか、どう口を開いたらよいのかわからなくなった所でマリクが口を開けた。
「少なくとも、ロマンみたいな馬鹿よりはマシな生活を約束できると思うよ。あとウチの国は一夫一婦制なんだ、生涯一人の人しか愛さない国風でね、僕は多分君しか愛さない」
「そう。まあいいんじゃないかしら、愛して差し上げても良くってよ。」
私達は恋人同士の手を繋いだ。
とりあえずここは雰囲気に身を任せて、何となく微笑んでおこう。なんて幸せだ。
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