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二章※1話以降現在推敲中

6話

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6話
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 まぁ、もう殺人までしてしまったのだし。
 違法行為に対して抵抗はない。

 なら、闇ギルドで今の地位を維持していてもいいのだけど。
 奴らは信用できない。
 それに、好きなタイプの人間でもないし。

 後、犯罪行為はいいとしても、その結果捕まるのだけはごめんである。
 闇ギルドは見逃してもらってるだけに過ぎない。
 緊急性が上がればボスは捕まり、組織は解体されるだろう。

 だから、私は私で商売を始める必要がある。

 と言っても、街から街に移動して物を売るってのは敷居が高い。
 在庫リスクも大きいし。
 初期投資も結構な金額必要だ。

 店舗を持つなんてのもそうだろう。
 そもそも、王都には必要な店は揃っているし。
 そこに勝たないといけない。

 合法な物は競争率が高い。
 それに利益も取れない。
 価格と品質両方で勝つ必要もあるのだから。

 せっかく、ノウハウを持った闇ギルドの連中を好きに出来るし。
 そっち方面から進めるべきだろう。
 餅は餅屋に、私自身には大した知識もないし専門家を頼るのが吉である。

 私が庶民になってから金を得た方法は3つ。
 冒険者で依頼を達成した報酬として、闇ギルドから用心棒代として。
 後は、指輪を売った金だ。

 この中で一番儲かったのは指輪だ。
 まぁ、闇ギルドから搾り取るお金の方がそのうち超えるだろうけど。
 今の所はって話。

 あれは偽物を詳しくない人間に売ったのも良かったのだと思う。
 でも、それ以上に短剣をちらつかせたのが決め手だった。
 脅されて仕方なくって面もあるのだろうが、貴族相手なら偽物ではないだろうとも思ったはずだ。

 大事なのは何を売るかではない。
 誰が売るかだ。

 王子を参考にするのは非常に腹立たしいが。
 正確には王子を偽物の指輪で騙した人間を参考にするだけだが。
 王子が騙されたんだし貴族相手の商売も成り立つ。

 お金のやり取りこそしなかったが、私だって騙されたんだ。
 信用してる相手だと疑うって視点が抜ける。
 当時、王子を信用できる相手だと認識していた私の節穴っぷりはさておき。

 貴族は魔法が使えるし権力もある、が。
 言って仕舞えばただの人。
 そこまで特別でもない割に持ってる金はでかい。

 売女に夢中になってる様を見ればわかる。
 貴族も庶民も大した差はない。
 うまく行けば闇ギルドなんて目じゃない金が稼げる。

 ただ、偽物で詐欺るのはリスクがある。
 第一そんな精巧な偽物作るのは金がかかるだろうし。
 貴族だって馬鹿じゃない。

 普段から高級品に触れている以上、それなりに目の肥えてる人間も多いし。
 そういった品は馴染みの店から買うのがほとんどだ。

 だから売るのは本物だ。
 そして私が直接売るわけじゃない。
 その馴染みに販売してもらうのだ。

 適当な付加価値をつける。
 別にそれが本当である必要はない。
 付加価値があるという情報が大切なのだ。

 親しい人間にだけ特別に販売する。
 そうやって増やしていくのだ。
 庶民の間にはあっという間に蔓延するはず。

 そのうち貴族の方にも。
 後は、商品を何にするかが大事だ。

 もちろんただの絵空事だ。
 でも、金はあまりかからない。
 安物を高く売るだけだしね。

 失敗したところで在庫の値段は大した金額にはならない。
 私は何事も未経験だし。
 とりあえず、試してみないとわからない。

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