魔大陸最強を殺した日 ——虚無の息子・ライゼル外伝 ~人間どもがまだ、この男の名前を知らなかった頃の話~

魔大陸最強の魔人「虚無」。始祖の魔王を失って以来、何もせず、誰にも興味を示さない男。

その息子ライゼルは、三年前にある日突然「変わった」。最強の血統に目覚めたかのように暴れ回り、野良魔人を片っ端からねじ伏せ、父に挑み——惨敗した。命乞いをして見逃された。

それから三年。

戻ってきたライゼルは、笑いながら言った。
「正面からじゃ勝てねえのは分かった。でもな——搦め手なら、いけんだよ」

野良魔人ヴェインの視点で描く、最強の父を殺した軽薄な怪物の記録。
魔大陸の勢力図が、今、塗り替わる。

……魔大陸の勢力図が動いた、その夜。
人間の世界では、シンラ王国に新しい王が即位したという噂が、まだ誰にも届いていなかった。

※この物語は、連載中の本編『[本編タイトル]』の劇中エピソードを、敵役側から描いた先出し短編です。
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