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本編
7. ヒロインはおバカ?
しおりを挟むさて、所謂ヒロインと対峙している私ですけれども、大層醜い顔で睨まれておりますわ。
表情も醜いですが、溢れ出る小言も醜いですわねぇ…
「聞いてるの!?私はトロワ王国の第六王女、貴女よりも遙かに高い身分なのよ!?」
「左様でございますか。お言葉ですがサラ・トロワ第六王女殿下、私は貴女のお父上であるトロワ国王から書状をいただきました。」
「…?」
「読み上げますわね。"此度は我が娘の留学を受け入れて頂いたこと、感謝する。留学にあたり、娘の待遇はレイチェル・ルーボレラ公爵令嬢に一任致す。
身分を嵩にたて、威張りちらす我が妾の子をどうか叩きのめしてやってほしい。言葉は悪いが、あれはクズだ。この手紙を読み上げることもルーボレラ嬢に任せよう。"
とのことですわ。と言うわけで、私は貴女に何をしようが、トロワ国王は不問に処すそうですわ。」
「な、何よそれ!!横暴だわ!!そんな手紙偽物よ!!!」
「いいえ、この通りサインまで頂いておりますわ。」
「…も、もういいわ!!私気分が悪いので寮に戻ります!!シャシャ!!」
あら、早速校則違反ですわ。王女付きのメイドはもちろん私が派遣いたしました。
私がいない間に上手いこと王女の信用を得たようですわね。
まあ、それももう終わりになると思いますけれど。
シャシャに目配せすると、王女が校則を違反しようとされた時に突きつけるリストを取り出しました。
あれを書いたのはグストです。彼の字はとても読みやすいのですよ。
さて、王女の顔が真っ赤になっておりますが、引きずってでも教室に向かいましょう。
だって、無駄に長話をさせられたせいで、殿下の御言葉を聞く暇がございませんでしたし。
私、王女を好きになることはなさそうですわ。
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