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第三章
悪役 1
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私────レーナ王妃は自室に一人籠りながら、ニヤリと口端を吊り上げていた。
やっと.....やっとここまで来た。
私は父上の命により、他国から嫁いできた王女だ。フェガロフォス国の国王陛下に取り入り、国を内側から崩壊させろという命令内容だった。
当時はまだレナードは王太子で前王のレオン様が国王としてこの国に君臨していた。レオン様はそれはもうとてつもなく勘が鋭く、私の思惑にも早々に気づいたわ。誰よりも国と民を愛するレオン様は不安分子である私を自らの手で殺そうとした。それを返り討ちにしたのが私。
殺害後は事故死に見えるよう偽装したわ。でも、レオン様の死は私のなかでも予想外のものだった。殺した奴が何を言っていると思うかもしれないが、あのときは殺らなければ確実にこっちが殺られていた。殺すか、殺されるかの究極の選択で私は『殺す』という選択肢を取っただけ。ただそれだけよ。
私の当初の目的では前王であるレオン様が自然に死ぬのを待つつもりだった。レオン様を慕う者が多かったため、暗殺するのはリスクが大きいと考えたのだ。だから、レオン様の死は私にも想定外のものだった。動揺のせいで上手く回らない頭をなんとか動かしながら偽装工作した。でも、正直あの偽装工作はお粗末すぎて多少頭の切れる人がみれば、簡単に見破れそうなほど。だけど、ここの貴族も国民も良くも悪くも頭が悪かった。簡単に事故死だと受け入れ、他殺の可能性をこれっぽっちも考えやしなかったわ。まあ、そのおかげで命拾いしたのだけど。
何はともあれ、レオン様が消えたことによりレナードが国王へと成り代わった。
レナードが国王になったことにより、サラマンダーはこの地を去っていった。それは嬉しい誤算だったわ。サラマンダーを追い出す手間が省けたもの。
こうして、フェガロフォス国は滅びの一途を辿っていくかに見えた。でも、ここで思わぬ人物が現れる。それがルーナ・マルティネス公爵令嬢。世界最強の魔導師。
せっかくレアメタルを山奥に隠し、経済が上手く回らないようにしたのにあの女はそれをあっさりとみつけた。その上、国全体に土魔法?三日間ごとに雨?野菜や花の品質改良?ふざけんじゃないわよ!
あの女の登場により、私の計画は大失敗。ルーナの存在により、フェガロフォス国へ攻め入ろうとしていた国々は瞬く間に作戦を中止していった。
私の人生において、これほどド派手な失敗はなかった。
ルーナのおかげでフェガロフォス国は再び大国と肩を並べられるほどの強国へと返り咲いた。
やっと.....やっとここまで来た。
私は父上の命により、他国から嫁いできた王女だ。フェガロフォス国の国王陛下に取り入り、国を内側から崩壊させろという命令内容だった。
当時はまだレナードは王太子で前王のレオン様が国王としてこの国に君臨していた。レオン様はそれはもうとてつもなく勘が鋭く、私の思惑にも早々に気づいたわ。誰よりも国と民を愛するレオン様は不安分子である私を自らの手で殺そうとした。それを返り討ちにしたのが私。
殺害後は事故死に見えるよう偽装したわ。でも、レオン様の死は私のなかでも予想外のものだった。殺した奴が何を言っていると思うかもしれないが、あのときは殺らなければ確実にこっちが殺られていた。殺すか、殺されるかの究極の選択で私は『殺す』という選択肢を取っただけ。ただそれだけよ。
私の当初の目的では前王であるレオン様が自然に死ぬのを待つつもりだった。レオン様を慕う者が多かったため、暗殺するのはリスクが大きいと考えたのだ。だから、レオン様の死は私にも想定外のものだった。動揺のせいで上手く回らない頭をなんとか動かしながら偽装工作した。でも、正直あの偽装工作はお粗末すぎて多少頭の切れる人がみれば、簡単に見破れそうなほど。だけど、ここの貴族も国民も良くも悪くも頭が悪かった。簡単に事故死だと受け入れ、他殺の可能性をこれっぽっちも考えやしなかったわ。まあ、そのおかげで命拾いしたのだけど。
何はともあれ、レオン様が消えたことによりレナードが国王へと成り代わった。
レナードが国王になったことにより、サラマンダーはこの地を去っていった。それは嬉しい誤算だったわ。サラマンダーを追い出す手間が省けたもの。
こうして、フェガロフォス国は滅びの一途を辿っていくかに見えた。でも、ここで思わぬ人物が現れる。それがルーナ・マルティネス公爵令嬢。世界最強の魔導師。
せっかくレアメタルを山奥に隠し、経済が上手く回らないようにしたのにあの女はそれをあっさりとみつけた。その上、国全体に土魔法?三日間ごとに雨?野菜や花の品質改良?ふざけんじゃないわよ!
あの女の登場により、私の計画は大失敗。ルーナの存在により、フェガロフォス国へ攻め入ろうとしていた国々は瞬く間に作戦を中止していった。
私の人生において、これほどド派手な失敗はなかった。
ルーナのおかげでフェガロフォス国は再び大国と肩を並べられるほどの強国へと返り咲いた。
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