棘バラの口付け

おかだ。

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Past4(ローランド)

episode54

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ロウソクを片手に長い廊下を進む。

「確か、こっちに・・・」

「・・・ぅ、ぐ」

薄暗い廊下にじんわりと滲む部屋の明かりに足を止めると、室内からは苦しげな呻き声が漏れ聞こえていた。

「・・・っローランド様」

白い指先がそっと部屋の扉を押すと、部屋の真ん中に置かれた豪奢な天蓋付きのベッドに金髪の青年が仰向けに寝かされていた。

「ゔぅ・・・っ、くる、し」

「私のせいで・・・お可哀想なローランド様」

「っ、?ぁ、クラ、リサ・・・?」

ローランドの真っ赤に染った顔は苦しげに歪み、はだけた胸元には大粒の汗が伝っている。

「陛下・・・」

ローランドに名を呼ばれ優しく微笑んだクラリサが羽織っていたローブを脱ぐと、枕元に腰掛ける。

「苦しい、のでしょう?」

「はっ、、あ、ぁ・・・!?」

娘の手が青年の股間に伸び、すっかり頭をもたげている昂りを優しく握る。

クラリサの掌で背を仰け反らせ腰を二三度震わせると、シーツを白濁の体液が濡らした。

冷えた赤い瞳が熱に浮かされ、瞳の中に捉えたクラリサが揺れる。

「っこれが、ローランド様の・・・」

恐る恐るシーツのシミに触れたクラリサが、その指を自らの下腹部に押し当てる。

初めこそ戸惑いを見せていたクラリサだったが、ローランドの熱にあてられたのか、今ではベッドの上で乱れる青年をウットリとした表情で見下ろしていた。

「・・・ローランド様。いいえ。陛下、私達夫婦になったの。子供を作りましょう?どうか、拒まないで・・・。私は、貴方となら──」

「・・・?」

ローランドの視界いっぱいに、まだ未成熟なクラリサの裸体がうつる。

柔らかな胸に青年の手が触れると、少女が小さく反応した。

「クラリサ・・・?、クラ──、んっ、、」

若い男女二人の吐息が混じり合い、静かな室内にチュッチュっとリップ音が響き、舌が絡み合う。

ローランドがフワフワと焦点の合わない視線を困惑気味にさ迷わせる。

「っは、はぁ、ぁ・・・」

「・・・嬉しい。貴方のその唇で何度も名前を呼んで貰えるなんて」

シーツが擦れ、少女の細い腰が仰向けの青年の腹に擦り付く。

ピッチリと閉じた少女の秘部からは愛液が溢れ、青年の素肌に擦り着く度にグチュグチュとはしたなく音を立てる。

「っこの様なカタチになってしまってすみません。でも、私は愛しています。貴方様との婚約が決まった時も私は──」
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