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第3章~新たなる試練~
第64話
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「ああ……ドレスコードはないとはいえ、あなたの格好は相変わらず野暮ったいですねぇ。わたくしユーベル、熱が出てきそうです。ここはやはり、フレインと一緒にユーベル歌劇団に……」
「えー……それはともかく、三人とも観戦ですか? このボックス席で?」
「そうだよー。フレインに言ったら、『アクセルと一緒に観戦すればいいよ』ってボックス席貸し切りにしてくれてさー。これでお茶もお菓子も食べ放題だね!」
と、ミューが棒についた水飴を舐める。会場のボックス席はいわゆるVIP席扱いなので、当番を呼び出せばお茶もお菓子も自由に飲み食いできるのだ。
「と言っても、飲み食いなんてしてるヒマはないと思うぜ? なんたってあの二人の死合いだからな。きっと会場も荒れるだろうよ」
ジークが席のひとつにドカッと腰を下ろす。
アクセルは、ミューとユーベルが席に着いたのを確認してから、最後に空いている席に腰かけた。顔見知りとはいえ、自分のランクは四人の中で一番低い。序列は守らなければ。
「ジーク様は、兄がランゴバルト様と死合いをしたこと、見たことあるんですか?」
「ああ、何度かな。どっちも戦い方が過激だから、毎回大変なことになるんだよ。この席までは影響ないだろうけど、最前列にいる連中は防具必須だ」
「……そこまで?」
「まあ見てりゃわかるさ」
少し身を乗り出して最前列を確認してみたら、何かを防ぐような透明なプレートが席の前についていた。あそこまで血が飛び散るということだろうか。それとも、砂や土が?
「えー……それはともかく、三人とも観戦ですか? このボックス席で?」
「そうだよー。フレインに言ったら、『アクセルと一緒に観戦すればいいよ』ってボックス席貸し切りにしてくれてさー。これでお茶もお菓子も食べ放題だね!」
と、ミューが棒についた水飴を舐める。会場のボックス席はいわゆるVIP席扱いなので、当番を呼び出せばお茶もお菓子も自由に飲み食いできるのだ。
「と言っても、飲み食いなんてしてるヒマはないと思うぜ? なんたってあの二人の死合いだからな。きっと会場も荒れるだろうよ」
ジークが席のひとつにドカッと腰を下ろす。
アクセルは、ミューとユーベルが席に着いたのを確認してから、最後に空いている席に腰かけた。顔見知りとはいえ、自分のランクは四人の中で一番低い。序列は守らなければ。
「ジーク様は、兄がランゴバルト様と死合いをしたこと、見たことあるんですか?」
「ああ、何度かな。どっちも戦い方が過激だから、毎回大変なことになるんだよ。この席までは影響ないだろうけど、最前列にいる連中は防具必須だ」
「……そこまで?」
「まあ見てりゃわかるさ」
少し身を乗り出して最前列を確認してみたら、何かを防ぐような透明なプレートが席の前についていた。あそこまで血が飛び散るということだろうか。それとも、砂や土が?
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