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第7章~ラグナロクの最中に~
第9話
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――そんなにたくさんの人が……。
ランキング二〇〇〇位以下なんて言ったら、ヴァルハラにいた五〇〇〇人の戦士のうち三〇〇〇人は死んでしまったことになる。もちろんそれだけでなく、神や巨人もたくさん死んだだろう。イマイチ実感が湧かないが、ラグナロクとはそれほど大きな戦争なのだ。
その引き金のひとつを、自分が引いてしまった。直接的なきっかけではないにせよ、アクセルはラグナロクを引き起こす原因を作ってしまった。
お前のせいだと言われたら、完全に否定するのは難しい。
だけど……。
「……じゃあ俺は、一体どうすればよかったんですか」
「はい?」
「騙されずに済む方法があるなら、最初から教えて欲しかった。俺だってロキが兄に化けてるってわかっていたら、ヤドリギのことなんて喋りませんでした……。あの状況で騙されない人なんて、いるとは思えない……」
「…………」
「ユーベル様は『余計なことをするな』と言いますが、それなら隠そうとせず最初から全部説明してください。何も知らなかったら俺、逆に余計なことをしてしまう。今だって、兄を追いかけて出て行こうとしてました。兄がいつどこで何をしているかわからないから、不安になって追いかけたくなるんです。わからないことが一番恐ろしいんです」
アクセルは顔を上げた。そして真っ直ぐユーベルを見て、言った。
ランキング二〇〇〇位以下なんて言ったら、ヴァルハラにいた五〇〇〇人の戦士のうち三〇〇〇人は死んでしまったことになる。もちろんそれだけでなく、神や巨人もたくさん死んだだろう。イマイチ実感が湧かないが、ラグナロクとはそれほど大きな戦争なのだ。
その引き金のひとつを、自分が引いてしまった。直接的なきっかけではないにせよ、アクセルはラグナロクを引き起こす原因を作ってしまった。
お前のせいだと言われたら、完全に否定するのは難しい。
だけど……。
「……じゃあ俺は、一体どうすればよかったんですか」
「はい?」
「騙されずに済む方法があるなら、最初から教えて欲しかった。俺だってロキが兄に化けてるってわかっていたら、ヤドリギのことなんて喋りませんでした……。あの状況で騙されない人なんて、いるとは思えない……」
「…………」
「ユーベル様は『余計なことをするな』と言いますが、それなら隠そうとせず最初から全部説明してください。何も知らなかったら俺、逆に余計なことをしてしまう。今だって、兄を追いかけて出て行こうとしてました。兄がいつどこで何をしているかわからないから、不安になって追いかけたくなるんです。わからないことが一番恐ろしいんです」
アクセルは顔を上げた。そして真っ直ぐユーベルを見て、言った。
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