60 / 65
5章:魔王領編
魔王討伐直後
しおりを挟む
まだ勇者一行は戻ってない。
俺はアーサーに呼ばれて、執務室にいる。 いるのは暗部の長だけだ。
「ギース、この4年ちかく勇者一行の補助、魔物の氾濫、疫病やらいろいろ、そして悲劇の魔王の討伐ご苦労だったね。」っていうアーサー。 どことなく疲れていてやつれてる。 もう40代後半近いけど、それにしてもな。
「まぁ真実を知った時は、何とも言えなかったがな。 殺してくれっていう奴を殺すのは嫌だったよ。」って正直に言った。
「魔王を殺したのがギースだって、僕も暗部も上層部も知っている。 悲劇の魔王の事もね。
ただ、何処から情報つかんだのか、僕達が秘匿にしてたギースがスラム出身ってことが、貴族の間で広まっているんだ。」
「ようは、スラム出身者が、傭兵かつ今の立場、そんでもって魔王討伐したとなったら、各国にも国民にも示しがつかないってことか?」
「いや、今の立場は僕が維持する、ただ魔王討伐したのはユウトになるかもしれない。
本人が否定してくれればいいんだけど。」
「それはないな。 あの時、あいつら喜んでたし。 俺は、理解できなかったがな。」
「そうか。 きっとこのまま行くと僕の死後、アルタイト王国の国王はユウトになる。
僕の死後は、僕との契約は終わりだ。 この国にいる必要はない。
トリマ町は、ちょうどアウドス国の近くで、この町の存在をしっているのは、僕と長だけだ。
もし今後なにかあれば、ギース、お前達はトリマ町へいくんだ。
そして、アウドス国で保護してもらうなり、自由に生きてほしい。
これぐらいしか君にできない僕を許してくれ。」そう言ったアーサー。
そしてアーサーから、もしもの時のアウドス国、国王宛の手紙も預かった。
「平気だ。 いざとなったら、ヴォルでひと飛びだからな。
それに、俺はこの国嫌いじゃないしな。
まぁ魔王と吸血鬼貴族の最後の願い、残された魔族達が安住することを願うよ。」って言っておいた。
「ああ、僕も同じだ。」そう言ったアーサーは苦笑いしつつ目は哀しそうだった。
…今思うと、アーサーと直接会話したのがこれが最後だった。
俺はアーサーに呼ばれて、執務室にいる。 いるのは暗部の長だけだ。
「ギース、この4年ちかく勇者一行の補助、魔物の氾濫、疫病やらいろいろ、そして悲劇の魔王の討伐ご苦労だったね。」っていうアーサー。 どことなく疲れていてやつれてる。 もう40代後半近いけど、それにしてもな。
「まぁ真実を知った時は、何とも言えなかったがな。 殺してくれっていう奴を殺すのは嫌だったよ。」って正直に言った。
「魔王を殺したのがギースだって、僕も暗部も上層部も知っている。 悲劇の魔王の事もね。
ただ、何処から情報つかんだのか、僕達が秘匿にしてたギースがスラム出身ってことが、貴族の間で広まっているんだ。」
「ようは、スラム出身者が、傭兵かつ今の立場、そんでもって魔王討伐したとなったら、各国にも国民にも示しがつかないってことか?」
「いや、今の立場は僕が維持する、ただ魔王討伐したのはユウトになるかもしれない。
本人が否定してくれればいいんだけど。」
「それはないな。 あの時、あいつら喜んでたし。 俺は、理解できなかったがな。」
「そうか。 きっとこのまま行くと僕の死後、アルタイト王国の国王はユウトになる。
僕の死後は、僕との契約は終わりだ。 この国にいる必要はない。
トリマ町は、ちょうどアウドス国の近くで、この町の存在をしっているのは、僕と長だけだ。
もし今後なにかあれば、ギース、お前達はトリマ町へいくんだ。
そして、アウドス国で保護してもらうなり、自由に生きてほしい。
これぐらいしか君にできない僕を許してくれ。」そう言ったアーサー。
そしてアーサーから、もしもの時のアウドス国、国王宛の手紙も預かった。
「平気だ。 いざとなったら、ヴォルでひと飛びだからな。
それに、俺はこの国嫌いじゃないしな。
まぁ魔王と吸血鬼貴族の最後の願い、残された魔族達が安住することを願うよ。」って言っておいた。
「ああ、僕も同じだ。」そう言ったアーサーは苦笑いしつつ目は哀しそうだった。
…今思うと、アーサーと直接会話したのがこれが最後だった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
35
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる