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狂酔 ー秀一視点ー
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ぐったりとしている美姫に衣服を身につけ、抱き上げると秀一は大和の部屋を出た。エレベーターの案内音で、美姫の躰がピクッと震えた。耳元で囁く。
「美姫、帰りますよ……」
「やハァッ、ハァッ…もっハァッ、とぉ…ハァッ、ハァッ…ほしハァッ、ハァッ…」
美姫が腕を秀一の首に絡ませてきた。躰の痺れは幾分か楽になったようだが、火照りは一向に収まる気配はない。額からじわじわと汗が滲んでいる。一段と近付いた距離に甘く淫靡な匂いが鼻孔を擽り、秀一の欲情を誘う。
クッ……
「あと、少しですよ…それまで耐えて下さい……」
美姫から顔を逸らして深呼吸し、開いたエレベーターに乗り込んだ。
マンションの前に停めておいた車の助手席に美姫を下ろし、ゆっくりと抱いていた手を秀一が外そうとすると、美姫が腕を掴んで引き寄せてくる。
「ハァッ、ハァッ、ハァッ、く、ハァ…るしハアッハアッ……ハアッハァ…しゅハアッい、ちハアッハアッ……」
美姫は大きく呼吸を乱している。達したことで楽になると思っていたのに、どんどん疼きは強くなっているように思えた。深夜とはいえ、全く人通りがないわけではない。ここでこのまま美姫に抱きつかれているわけにはいかない。
「……私の部屋に辿り着くまでの辛抱ですよ」
美姫を宥め、爪が食い込む程に掴まれた腕を引き剥がし、なんとかシートベルトを閉めて扉を閉めると、秀一は運転席へと乗りこんだ。
早く、しなければ……
アクセルを踏み込む足に力が入った。車の僅かな振動さえも美姫の躰に細かな疼きを与えているようで、美姫が左右に腰を捻りながら苦しそうにしている。手足の痺れがなくなったことで躰が自由に動くようになった分、危険だ。
リクライニングを倒してあげた方が、楽になるかもしれませんね……
ちょうど信号が赤になり、車を停止した。
「美姫、座席を倒しますね……」
美姫の躰に覆い被さるような形でリクライニングのギアに手を掛けようとすると、美姫が秀一の背中に手を回し、力強く抱き締めてきた。
「ハアッハアッお、ハァ…ねがハアッハアッ……だ、ハアッ…いて…ハアッハアッ……」
「ちょっ、ま、待って下さい……美姫……」
車のリクライニングを倒すと、秀一まで一緒に倒された。腕の力を使って躰を起こそうとするが、無理な体制からの立て直しはきつく、美姫は全体重を使って必死にしがみついてくる。
信号が青に変わり、後ろの車がクラクションを鳴らす。美姫には申し訳ないが、胸の上部を抑えてシートへと沈めてから背中に絡みついた腕を解き、ようやく秀一は運転席へと戻り、車を進めた。
まさか、美姫がここまでなるとは……
鼓動が速くなり、脇と背中から汗が滲み出た。
「美姫、帰りますよ……」
「やハァッ、ハァッ…もっハァッ、とぉ…ハァッ、ハァッ…ほしハァッ、ハァッ…」
美姫が腕を秀一の首に絡ませてきた。躰の痺れは幾分か楽になったようだが、火照りは一向に収まる気配はない。額からじわじわと汗が滲んでいる。一段と近付いた距離に甘く淫靡な匂いが鼻孔を擽り、秀一の欲情を誘う。
クッ……
「あと、少しですよ…それまで耐えて下さい……」
美姫から顔を逸らして深呼吸し、開いたエレベーターに乗り込んだ。
マンションの前に停めておいた車の助手席に美姫を下ろし、ゆっくりと抱いていた手を秀一が外そうとすると、美姫が腕を掴んで引き寄せてくる。
「ハァッ、ハァッ、ハァッ、く、ハァ…るしハアッハアッ……ハアッハァ…しゅハアッい、ちハアッハアッ……」
美姫は大きく呼吸を乱している。達したことで楽になると思っていたのに、どんどん疼きは強くなっているように思えた。深夜とはいえ、全く人通りがないわけではない。ここでこのまま美姫に抱きつかれているわけにはいかない。
「……私の部屋に辿り着くまでの辛抱ですよ」
美姫を宥め、爪が食い込む程に掴まれた腕を引き剥がし、なんとかシートベルトを閉めて扉を閉めると、秀一は運転席へと乗りこんだ。
早く、しなければ……
アクセルを踏み込む足に力が入った。車の僅かな振動さえも美姫の躰に細かな疼きを与えているようで、美姫が左右に腰を捻りながら苦しそうにしている。手足の痺れがなくなったことで躰が自由に動くようになった分、危険だ。
リクライニングを倒してあげた方が、楽になるかもしれませんね……
ちょうど信号が赤になり、車を停止した。
「美姫、座席を倒しますね……」
美姫の躰に覆い被さるような形でリクライニングのギアに手を掛けようとすると、美姫が秀一の背中に手を回し、力強く抱き締めてきた。
「ハアッハアッお、ハァ…ねがハアッハアッ……だ、ハアッ…いて…ハアッハアッ……」
「ちょっ、ま、待って下さい……美姫……」
車のリクライニングを倒すと、秀一まで一緒に倒された。腕の力を使って躰を起こそうとするが、無理な体制からの立て直しはきつく、美姫は全体重を使って必死にしがみついてくる。
信号が青に変わり、後ろの車がクラクションを鳴らす。美姫には申し訳ないが、胸の上部を抑えてシートへと沈めてから背中に絡みついた腕を解き、ようやく秀一は運転席へと戻り、車を進めた。
まさか、美姫がここまでなるとは……
鼓動が速くなり、脇と背中から汗が滲み出た。
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