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第2章 キメラ狩りへ
第38話 秘密
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「おい! 何処に行くんだ!」
ゼルはトマスと横並びになりながら、王都の道を走り抜けていく。
「王都の中に居ないと言う事は外を探します!!」
トマスは此方を見ようともせずに走る。
…この人の頭には今、あの選択肢がないのだろうか?
俺はふとした瞬間に、聞く。
「なぁ、もう死んでいると言う可能性は考えないのか?」
トマスが探し始めてから、恐らくもう1日は経っているだろう。ユウさんの"魔力"と言うのがよく分からないが、王都に居たにも関わらず、王都の中に居ないとSランクパーティーの冒険者が言うなれば、その可能性は捨てきれない。
「……考えます…ですが私はサーラ様を探し続けます」
「…そうか」
トマスが黙っている間に何を思ったのか分からないが、探し続けると言った。なら、依頼を請け負った俺も辞めるわけにはいかないな。
ゼルは少し嬉しそうに笑い、トマスの身体を持ち上げる。
「な、何を!?」
「酷な事を聞いた。もっと早く行くぞ」
トマスが狼狽えるが、そんなの関係ない。
ゼルはトマスを背負うと、先程よりも速く駆け抜けた。
「外を探すとなると一苦労だな…」
城門を越え、トマスを下ろして呟く。
何の手掛かりもない状態で探すのは無理があるな。今は少しでも情報が欲しい。
「トマス。あの人はどう言う性格なんだ?」
「サーラ様の事ですか? どう言う性格…? それを聞いて何を
「外見以外の情報以外にも情報があった方ヒントになるかもしれないだろ」
そう言うと、トマスは顎に手を当てて少し悩む。
「…そうですね。最初会った時に分かってると思いますが、少し好奇心が旺盛な所があるでしょうか…」
好奇心、ね。
ゼルは眉を顰める。
「はぁ…私が1人にしたのがそもそもの問題です。サーラ様は強情な方ですから…宿で黙ってる時間も惜しいと思ったのでしょう…」
「何かあるのか?」
「……早くサーラ様を探しましょう」
聞くと、トマスは話を変えるかの様に切り返した。
そこまで気にならずに聞いたゼルは、聞き返す事なくそれに頷く。
「まぁ、そう言うが…何処をどう探す?」
「そうですね…まずは東の方を重点的に探しましょう」
「理由は?」
「西の森は高ランクの魔物が多いです。サーラ様なら流石に西の森には行かれない筈です」
「…東には高ランクの魔物が出ないのか?」
「はい。その筈ですがどうかなされましたか?」
ゼルはトマスの言葉に思考が止まる。
この前リゼと会った時の魔物…アレは東の森の奥で見かけた物だ。アレは高ランクでは無かったのか? でも俺がここに来たのは数日前。トマスの方が知っているだろう。
「いや、何でもない。じゃあ手分けして探しても問題なさそうだな」
「はい。私は東の森の王都周辺を探します。貴方は東の森の奥をお願いします。先程見た限りでは貴方の方がスピードは速そうなので」
トマスはニコリと笑うと、走り去って言った。
「やっぱり、余裕は無さそうだな」
先程見せた笑顔が頭に残る。
何処か焦燥感溢れる笑顔だった。
「何も見逃さない様に…全力だ」
ゼルは静かに目を閉じて、大きく深呼吸をした。そして、ゆっくりと目を開けるとそこには琥珀色の瞳、ゼルは絶視を使った。
「…ふぅ。最近使い過ぎだな」
少し目を抑え、よろけながらも木へと素早く登る。
「…鷹の目ッ!」
ゼルは大きく目を見開いた。
すると…
「…は?」
東の森、そのあちこちからドス黒い煙が立ち昇っていた。
ゼルはトマスと横並びになりながら、王都の道を走り抜けていく。
「王都の中に居ないと言う事は外を探します!!」
トマスは此方を見ようともせずに走る。
…この人の頭には今、あの選択肢がないのだろうか?
俺はふとした瞬間に、聞く。
「なぁ、もう死んでいると言う可能性は考えないのか?」
トマスが探し始めてから、恐らくもう1日は経っているだろう。ユウさんの"魔力"と言うのがよく分からないが、王都に居たにも関わらず、王都の中に居ないとSランクパーティーの冒険者が言うなれば、その可能性は捨てきれない。
「……考えます…ですが私はサーラ様を探し続けます」
「…そうか」
トマスが黙っている間に何を思ったのか分からないが、探し続けると言った。なら、依頼を請け負った俺も辞めるわけにはいかないな。
ゼルは少し嬉しそうに笑い、トマスの身体を持ち上げる。
「な、何を!?」
「酷な事を聞いた。もっと早く行くぞ」
トマスが狼狽えるが、そんなの関係ない。
ゼルはトマスを背負うと、先程よりも速く駆け抜けた。
「外を探すとなると一苦労だな…」
城門を越え、トマスを下ろして呟く。
何の手掛かりもない状態で探すのは無理があるな。今は少しでも情報が欲しい。
「トマス。あの人はどう言う性格なんだ?」
「サーラ様の事ですか? どう言う性格…? それを聞いて何を
「外見以外の情報以外にも情報があった方ヒントになるかもしれないだろ」
そう言うと、トマスは顎に手を当てて少し悩む。
「…そうですね。最初会った時に分かってると思いますが、少し好奇心が旺盛な所があるでしょうか…」
好奇心、ね。
ゼルは眉を顰める。
「はぁ…私が1人にしたのがそもそもの問題です。サーラ様は強情な方ですから…宿で黙ってる時間も惜しいと思ったのでしょう…」
「何かあるのか?」
「……早くサーラ様を探しましょう」
聞くと、トマスは話を変えるかの様に切り返した。
そこまで気にならずに聞いたゼルは、聞き返す事なくそれに頷く。
「まぁ、そう言うが…何処をどう探す?」
「そうですね…まずは東の方を重点的に探しましょう」
「理由は?」
「西の森は高ランクの魔物が多いです。サーラ様なら流石に西の森には行かれない筈です」
「…東には高ランクの魔物が出ないのか?」
「はい。その筈ですがどうかなされましたか?」
ゼルはトマスの言葉に思考が止まる。
この前リゼと会った時の魔物…アレは東の森の奥で見かけた物だ。アレは高ランクでは無かったのか? でも俺がここに来たのは数日前。トマスの方が知っているだろう。
「いや、何でもない。じゃあ手分けして探しても問題なさそうだな」
「はい。私は東の森の王都周辺を探します。貴方は東の森の奥をお願いします。先程見た限りでは貴方の方がスピードは速そうなので」
トマスはニコリと笑うと、走り去って言った。
「やっぱり、余裕は無さそうだな」
先程見せた笑顔が頭に残る。
何処か焦燥感溢れる笑顔だった。
「何も見逃さない様に…全力だ」
ゼルは静かに目を閉じて、大きく深呼吸をした。そして、ゆっくりと目を開けるとそこには琥珀色の瞳、ゼルは絶視を使った。
「…ふぅ。最近使い過ぎだな」
少し目を抑え、よろけながらも木へと素早く登る。
「…鷹の目ッ!」
ゼルは大きく目を見開いた。
すると…
「…は?」
東の森、そのあちこちからドス黒い煙が立ち昇っていた。
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