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12話 シェリーの義務 その2
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「い、嫌……! 嫌です! 書類仕事なんて、私出来ません! ミゼル様とは相性が合わないんです~~!」
「いい加減にしないか、シェリー! イグリオ家の面汚しになるつもりか? 親子としての縁を切られたくなければ、ミゼル・コーンス侯爵の元に戻るのだ!」
「そ、そんな……! お父様、親子の縁だなんて……!」
「そうですわね、シェリー? 私達は少しあなたを甘やかし過ぎていたようだわ。これ以上、醜態を晒す前にコーンス家に戻りなさい。あなたは、ミゼル・コーンス侯爵の妻になる人物なんだから。甘えなんて許されるわけがないのよ……」
私の部屋を追い出されたシェリーは、お父様とお母様からお説教を受けていた。今の二人はシェリーに対して、まともなことを言っているように思うけど……もう少し早く、彼女を怒ってやれなかったのかしら?
私が覚えている限り、二人がシェリーを怒ったのは今回が初めてのはずだから。シェリーは初めての体験に大泣きしているようだった。
「うわぁぁぁぁぁん……! お父様、お母様、酷過ぎます~~~~~!! あんまりです~~~!」
「黙れ、シェリー!! 本当に勘当するぞ……!?」
「いい加減にしなさい、シェリー!!」
あまりにも極端なお父様とお母様の変貌……とても、シェリーの為を思って怒っているようには見えなかった。なんだか、厄介払いをしているだけのような気がするけれど……。
「ウィリアム、ごめんなさい。なんだか見苦しい家庭の事情を見せてしまって……」
「いや、ファラが謝ることではないと思うよ。それに……シェリーには同情は出来ないかな。彼女には痛い目を見るという経験が必要だっただろうしね」
「それは同感だけれど」
「ただ……ご両親の態度もどうかとは思うかな」
ウィリアムもやはりそう思うみたいね……どうしよう? このまま、シェリーを助ける? いえ……それはやはり、彼女の為に良くないし、また調子に乗らせてしまう結果にもなりかねないわ。
「ファラはどうするんだい?」
「とりあえずは無視しましょう。読書でも続けましょうか」
「まあ、それが無難だね」
「ええ」
と、いうわけで私達は扉を閉め、シェリーとお父様、お母様のやり取りを無視することにした。両方ともに責任があるんだし、後は当人達で解決してもらいたいと思ったから。
しかし……。
「いやぁぁぁぁぁぁ!! 姉さま、助けて~~~~!」
「シェリー! 本当に、いい加減に……!」
完全に読書の邪魔だった……こんな状態で集中なんてできるはずがない。その後、シェリーは執事達によって強制的に馬車に乗せられ、ミゼル様の屋敷へと搬送されたらしい。
「申し訳ありません、ウィリアム様。はははは、少々、妹が我が儘を言ったみたいで。でも、ご安心ください。帰しましたので……」
「さ、左様でございますか……それは良かったですね……」
正直、最悪な気持ちだけが残ってしまった。ウィリアムも笑ってはいるけれど、私と同じ気持ちなのだと思う……。
「いい加減にしないか、シェリー! イグリオ家の面汚しになるつもりか? 親子としての縁を切られたくなければ、ミゼル・コーンス侯爵の元に戻るのだ!」
「そ、そんな……! お父様、親子の縁だなんて……!」
「そうですわね、シェリー? 私達は少しあなたを甘やかし過ぎていたようだわ。これ以上、醜態を晒す前にコーンス家に戻りなさい。あなたは、ミゼル・コーンス侯爵の妻になる人物なんだから。甘えなんて許されるわけがないのよ……」
私の部屋を追い出されたシェリーは、お父様とお母様からお説教を受けていた。今の二人はシェリーに対して、まともなことを言っているように思うけど……もう少し早く、彼女を怒ってやれなかったのかしら?
私が覚えている限り、二人がシェリーを怒ったのは今回が初めてのはずだから。シェリーは初めての体験に大泣きしているようだった。
「うわぁぁぁぁぁん……! お父様、お母様、酷過ぎます~~~~~!! あんまりです~~~!」
「黙れ、シェリー!! 本当に勘当するぞ……!?」
「いい加減にしなさい、シェリー!!」
あまりにも極端なお父様とお母様の変貌……とても、シェリーの為を思って怒っているようには見えなかった。なんだか、厄介払いをしているだけのような気がするけれど……。
「ウィリアム、ごめんなさい。なんだか見苦しい家庭の事情を見せてしまって……」
「いや、ファラが謝ることではないと思うよ。それに……シェリーには同情は出来ないかな。彼女には痛い目を見るという経験が必要だっただろうしね」
「それは同感だけれど」
「ただ……ご両親の態度もどうかとは思うかな」
ウィリアムもやはりそう思うみたいね……どうしよう? このまま、シェリーを助ける? いえ……それはやはり、彼女の為に良くないし、また調子に乗らせてしまう結果にもなりかねないわ。
「ファラはどうするんだい?」
「とりあえずは無視しましょう。読書でも続けましょうか」
「まあ、それが無難だね」
「ええ」
と、いうわけで私達は扉を閉め、シェリーとお父様、お母様のやり取りを無視することにした。両方ともに責任があるんだし、後は当人達で解決してもらいたいと思ったから。
しかし……。
「いやぁぁぁぁぁぁ!! 姉さま、助けて~~~~!」
「シェリー! 本当に、いい加減に……!」
完全に読書の邪魔だった……こんな状態で集中なんてできるはずがない。その後、シェリーは執事達によって強制的に馬車に乗せられ、ミゼル様の屋敷へと搬送されたらしい。
「申し訳ありません、ウィリアム様。はははは、少々、妹が我が儘を言ったみたいで。でも、ご安心ください。帰しましたので……」
「さ、左様でございますか……それは良かったですね……」
正直、最悪な気持ちだけが残ってしまった。ウィリアムも笑ってはいるけれど、私と同じ気持ちなのだと思う……。
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