45 / 52
庭園2
しおりを挟む
自ずと立ち止まって見上げる。
金色に烟る髪。澄んだ蒼い瞳。
アンドリューがどんなに荒ぶれようとも、怒りを露わにしようとも、本当のところ恐れた事など一度もなかった。
アンドリューが怒り猛って荒ぶる時には、いつだってオフィーリアを欲していた。
そんな貴方をどうして嫌いになれよう。
心の奥底から仄暗い歓びが湧き出るのを、清らかな少女のままでは認められなくて、それでも、それを嬉しいと感じてしまう。
私の目の前に、幾つも現れる色んな貴方を、私は心の底から嬉しいと思って見ている。
こんな貴方もいるのだと、心の底から楽しく思う。
そんな意地悪で嫌な女を、貴方は愛してくれる?
だからオフィーリアは、
「勿論です。」
「貴方以外、誰が私の心を捉えるの?」
そう答えれば、
触れていた掌が外されて、両の腕に囲われた。ゆっくりゆっくり囲われて、アンドリューの腕の中に囚われる。
スパイシーな香りが微かに香って、ああこれがアンドリューの香りなのだと分かった。
馴染んだ海の匂りではなくて、深い深い森の香り。
広く温かな胸は、すっぽりとオフィーリアを包む。
オフィーリアが両手を伸ばして、そっとアンドリューの背に腕を回すと、オフィーリアを抱きしめる腕に微かに力が込められて、
このひとの胸はなんて温かなんだろうと、オフィーリアは何故だか泣きたくなってしまった。
嬉しい時にも泣きたくなるのだと思った。
金色に烟る髪。澄んだ蒼い瞳。
アンドリューがどんなに荒ぶれようとも、怒りを露わにしようとも、本当のところ恐れた事など一度もなかった。
アンドリューが怒り猛って荒ぶる時には、いつだってオフィーリアを欲していた。
そんな貴方をどうして嫌いになれよう。
心の奥底から仄暗い歓びが湧き出るのを、清らかな少女のままでは認められなくて、それでも、それを嬉しいと感じてしまう。
私の目の前に、幾つも現れる色んな貴方を、私は心の底から嬉しいと思って見ている。
こんな貴方もいるのだと、心の底から楽しく思う。
そんな意地悪で嫌な女を、貴方は愛してくれる?
だからオフィーリアは、
「勿論です。」
「貴方以外、誰が私の心を捉えるの?」
そう答えれば、
触れていた掌が外されて、両の腕に囲われた。ゆっくりゆっくり囲われて、アンドリューの腕の中に囚われる。
スパイシーな香りが微かに香って、ああこれがアンドリューの香りなのだと分かった。
馴染んだ海の匂りではなくて、深い深い森の香り。
広く温かな胸は、すっぽりとオフィーリアを包む。
オフィーリアが両手を伸ばして、そっとアンドリューの背に腕を回すと、オフィーリアを抱きしめる腕に微かに力が込められて、
このひとの胸はなんて温かなんだろうと、オフィーリアは何故だか泣きたくなってしまった。
嬉しい時にも泣きたくなるのだと思った。
応援ありがとうございます!
2,044
お気に入りに追加
3,062
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる