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第十四章 異世界で成長できました
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「いえ! これには事情が……。実は」
私は、醤油作りについて説明した。どうやら細かな事情はは知らされていなかったらしく、カロリーネは顔をしかめた。他の修道女らも、困惑した様子である。
「あの修道院長め! 王室にいい顔をすることしか、考えてないんだから。労働するのは、私たちだっての」
カロリーネは、フンと鼻を鳴らすと、乱暴に椅子に腰かけた。すると二、三人の修道女らが、すがるように彼女に話しかけた。
「イルミナさん。また仕事が増えるのでしょうか?」
「何とか、女子修道院長に掛け合ってはいただけませんか?」
カロリーネはここでは、イルミナと呼ばれているようだった。そして察するに、頼りにされているらしい。
「任せておいて。何でも言いなりになど、なるもんですか」
力強く言い切ると、カロリーネはふと私を見た。
「何よ?」
「いえ、カロリーネ様、ここでは好かれているんだなって」
それを聞くと、カロリーネはため息をついた。
「皆、少し外してくれる?」
カロリーネは、他の修道女らを外へ出した。私と二人きりになると、彼女はぽつぽつと語り出した。
「最初は、大変だったわよ。あの女子修道院長は、さっきも言ったように、王室に取り入ることしか考えていないから。だから、私のことも引き取ったんだけど。でも、罪人を本気で更生させようなんて、微塵も考えていないからね。あまりにひどい扱いをされるから、ブチ切れたってわけ」
カロリーネならさもありなん、と私は思った。
「もうここでは、『王弟殿下のご令嬢』として振る舞う必要も無いからね。バンバン言いたいことを言ったら、なぜか他の子たちに頼られちゃって。皆、修道院長の横暴に耐えていたみたいでね。気が付いたら、リーダーみたいになっていたわ」
なるほど、と私は合点した。
「あのー、こういう言い方をしては何ですけど。ある意味、よかったんじゃないでしょうか」
私は、醤油作りについて説明した。どうやら細かな事情はは知らされていなかったらしく、カロリーネは顔をしかめた。他の修道女らも、困惑した様子である。
「あの修道院長め! 王室にいい顔をすることしか、考えてないんだから。労働するのは、私たちだっての」
カロリーネは、フンと鼻を鳴らすと、乱暴に椅子に腰かけた。すると二、三人の修道女らが、すがるように彼女に話しかけた。
「イルミナさん。また仕事が増えるのでしょうか?」
「何とか、女子修道院長に掛け合ってはいただけませんか?」
カロリーネはここでは、イルミナと呼ばれているようだった。そして察するに、頼りにされているらしい。
「任せておいて。何でも言いなりになど、なるもんですか」
力強く言い切ると、カロリーネはふと私を見た。
「何よ?」
「いえ、カロリーネ様、ここでは好かれているんだなって」
それを聞くと、カロリーネはため息をついた。
「皆、少し外してくれる?」
カロリーネは、他の修道女らを外へ出した。私と二人きりになると、彼女はぽつぽつと語り出した。
「最初は、大変だったわよ。あの女子修道院長は、さっきも言ったように、王室に取り入ることしか考えていないから。だから、私のことも引き取ったんだけど。でも、罪人を本気で更生させようなんて、微塵も考えていないからね。あまりにひどい扱いをされるから、ブチ切れたってわけ」
カロリーネならさもありなん、と私は思った。
「もうここでは、『王弟殿下のご令嬢』として振る舞う必要も無いからね。バンバン言いたいことを言ったら、なぜか他の子たちに頼られちゃって。皆、修道院長の横暴に耐えていたみたいでね。気が付いたら、リーダーみたいになっていたわ」
なるほど、と私は合点した。
「あのー、こういう言い方をしては何ですけど。ある意味、よかったんじゃないでしょうか」
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