彼が恋した華の名は:3

亜衣藍

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後日談

Eternal-21

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「こいつめっ」

 笑いながら舌打ちをすると、史郎は腕を回して聖を抱き抱えた。

「大人しくしてな。綺麗に全身洗ってやるよ」

「だから、自分で出来るって――」

「ついでに、もうちょっと・・・・・・だけ付き合え」

「?」

 訝しむ様子の聖をそのまま寝室から連れ出し、広いバスルームへと足を運ぶ。

 大きな窓から燦々と差し込む陽光に、バスルームは明るく輝いていた。

 ホテルの最上階に近いこの部屋を、外から覗き込む事は不可能であろうが――こうも明るいと、さすがに戸惑う聖である。

 史郎はその光の中へそっと聖を下ろすと、壁に固定されている方のシャワーのコックをキュッと捻った。

「……壁に手をついて、こっちを向け」

 弾ける水流からは湯気が立ち昇り、バスルームには、熱気と芳しい互いの体臭がたちまち立ち込める。

 聖からは、媚薬のように甘い、猛毒の華のような危険な香りが。

 史郎からは、野生の獣を思わせるような、むせ返る程の濃いオスのフェロモンの匂いが。

「――――バックでやろうってのか?」

 赤銅色の史郎のそれは、見事なくらいに勃起している。

 今すぐにでも聖の中に入りたいのだと、訴えているかのようだ。

 溜め息をつきながら背中を向けた聖の腰を、史郎はキュッと掴んだ。

 だが……、

「もうちょっと腰を落として、股の間を締めろ」

「?」

 意外な要望に、聖は背後を振り返ろうとしたが、

「そのままでいい」

 史郎はそう言うと、背後から、聖の太腿の間へと雄芯を挟み込んで来た。

(えっ!?)

「しっかり、締めてろよ」

 そう告げると、史郎は聖の腰を掴んだまま、ゆっくりと前後に抜き差しを開始した。
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