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第二章
王都
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「ルッツ様、私は王宮魔法士にはなりません。それだけは覚えていてください。それで、なんで希望していない人間をこんなに勧誘するんですか」
「よく聞いてくれた」
せっかく座って落ち着いたというのに、また立ち上がったルッツが演説を始めた。
「我が国は平和な国だ。それは素晴らしいことだ。しかし、そのため年々兵士の数が減り、魔法士も同様だった。特に優秀な魔法士が育たず、このままではいざ争いに巻き込まれた時国を守ることができなくなる」
「あーうん。なるほど」
もっともらしいことを言われ、ひとまず頷くしかなかった。
「でも、人手不足だからといって私が王宮魔法士になる義理はありません」
「それはもっとも」
「もっともならそういうことで」
「いや、帰らん」
断固として動かないルッツに、リルは最終手段に出ることにした。
無詠唱で右手だけそっと動かし、家全体に結界を張る。すると、ルッツと兵士が広がっていく見えない壁によってずるずると外に追い出された。
「な、なんだこれは」
「結界です。家には入れないようにしました。すみません」
これで諦めてくれるかと思ったら、ルッツが瞳を輝かせて言った。
「これは素晴らしい。やはり我が王宮に欲しい人材だ!」
「いやいや、全力に拒否してるでしょ」
「ううーむ、そうか。その職に就くかは個人の自由。君の希望を無碍に扱うのは私としても遺憾だ」
ようやく分かってくれたらしいルッツにほっと胸を撫で下ろす。しかし、そう上手くことはいかなかった。
「きっと理由があるのだろう。私はそれを知りたい。しばらくここに住まわせてもらう」
「嫌です」
「君の家じゃなければ問題ないだろう。ここは山で君の土地ではない」
「うッ」
そこを突かれると何も言い返せない。ルッツはさっそく家のすぐ近くにテントらしきものを張り出した。
どうやらすでに準備がされていたようで、兵士が細い木の棒を四本土に刺し、そこに布を張っていく。ルッツも時おり手伝っていたが、あまり役に立っていなかった。
「出来上がりました」
「うむ、ありがとうロンズ」
兵士はロンズという名前だった。ロンズはてきぱき後片付けをして、ルッツはテントの入り口を開けて満足そうに頷いた。
「ロンズ、君はもう戻ってよい。ご苦労だった」
「はい。また様子を見に参ります」
「うむ」
厄介なことになったが、山がリルのものでない以上文句を言う権利は無い。
それにしても随分近場に住まわれてしまった。
「ルッツ様は王宮に住んでいるんですよね」
「そうだな」
話しかけられてルッツが嬉しそうに答える。
「昨日今日とわざわざこんなところに、しかも住むって、王宮に戻らないと怒られるんじゃないですか?」
「王都はすぐそこだから、何かあれば戻れる。何も問題無い」
「え」
リルはそれを聞いて驚愕した。
転生してからずっと山に引きこもりで、地理の知識が全く無かったのはいけなかった。まさか、王都が近くにあるとは思ってもみなかった。知っていたら王都から離れた場所に家を建てたのに。
「もしかして、私の話を聞いたのは王都でですか?」
「そうだ」
──あそこが王都だったの!?
「よく聞いてくれた」
せっかく座って落ち着いたというのに、また立ち上がったルッツが演説を始めた。
「我が国は平和な国だ。それは素晴らしいことだ。しかし、そのため年々兵士の数が減り、魔法士も同様だった。特に優秀な魔法士が育たず、このままではいざ争いに巻き込まれた時国を守ることができなくなる」
「あーうん。なるほど」
もっともらしいことを言われ、ひとまず頷くしかなかった。
「でも、人手不足だからといって私が王宮魔法士になる義理はありません」
「それはもっとも」
「もっともならそういうことで」
「いや、帰らん」
断固として動かないルッツに、リルは最終手段に出ることにした。
無詠唱で右手だけそっと動かし、家全体に結界を張る。すると、ルッツと兵士が広がっていく見えない壁によってずるずると外に追い出された。
「な、なんだこれは」
「結界です。家には入れないようにしました。すみません」
これで諦めてくれるかと思ったら、ルッツが瞳を輝かせて言った。
「これは素晴らしい。やはり我が王宮に欲しい人材だ!」
「いやいや、全力に拒否してるでしょ」
「ううーむ、そうか。その職に就くかは個人の自由。君の希望を無碍に扱うのは私としても遺憾だ」
ようやく分かってくれたらしいルッツにほっと胸を撫で下ろす。しかし、そう上手くことはいかなかった。
「きっと理由があるのだろう。私はそれを知りたい。しばらくここに住まわせてもらう」
「嫌です」
「君の家じゃなければ問題ないだろう。ここは山で君の土地ではない」
「うッ」
そこを突かれると何も言い返せない。ルッツはさっそく家のすぐ近くにテントらしきものを張り出した。
どうやらすでに準備がされていたようで、兵士が細い木の棒を四本土に刺し、そこに布を張っていく。ルッツも時おり手伝っていたが、あまり役に立っていなかった。
「出来上がりました」
「うむ、ありがとうロンズ」
兵士はロンズという名前だった。ロンズはてきぱき後片付けをして、ルッツはテントの入り口を開けて満足そうに頷いた。
「ロンズ、君はもう戻ってよい。ご苦労だった」
「はい。また様子を見に参ります」
「うむ」
厄介なことになったが、山がリルのものでない以上文句を言う権利は無い。
それにしても随分近場に住まわれてしまった。
「ルッツ様は王宮に住んでいるんですよね」
「そうだな」
話しかけられてルッツが嬉しそうに答える。
「昨日今日とわざわざこんなところに、しかも住むって、王宮に戻らないと怒られるんじゃないですか?」
「王都はすぐそこだから、何かあれば戻れる。何も問題無い」
「え」
リルはそれを聞いて驚愕した。
転生してからずっと山に引きこもりで、地理の知識が全く無かったのはいけなかった。まさか、王都が近くにあるとは思ってもみなかった。知っていたら王都から離れた場所に家を建てたのに。
「もしかして、私の話を聞いたのは王都でですか?」
「そうだ」
──あそこが王都だったの!?
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