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第二章
丸ごと守ろう
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翌朝、軽いものというリクエストにより、おにぎりと温野菜が朝食となった。おにぎりを一口食べたアミルが瞳を輝かせる。
「まあッ王宮の白米よりモチモチしていてとても美味しいです!」
それを言うアミルの頬もモチモチしていた。
「食欲があるようでよかったです」
「上に立つ者が元気でなければ、国も元気になりませんから」
「ごもっともです」
チョコもコウ肉を頬張って嬉しそうな声を上げている。あの日からコウ肉がお気に入りになったらしい。
「そうだ」
食べ終えたリルが立ち上がる。
「どうかされました?」
「本当に王都を目指しているのなら、王都を丸ごと結界張ろうと思って」
「王都を丸ごと!?」
驚いたアミルも立ち上がり、王都の方角を驚愕の表情で見つけた。
「失礼ですが、王都はかなりの広さです。今いる王宮魔法士でも可能な者はいないかと」
「まあ、やったことないですけど、やってみます」
万が一を考え、保険をかけておいた方がいい。リルが風魔法で飛び、王都に向かって両手を向けた。チョコも横でくるくる回りながら飛んで応援している。
「うーん……確かに広い」
空から見下ろしても、端の方が見えない程だ。奥には王宮があった。知らずに王都で仕事を探した時に王宮を見つけていたら、もっと遠くに住まいを作っただろう。
「チョコ。王都の上空に人や鳥がいないか確認してきてくれる?」
「ギャオ」
頼まれたチョコが軽快に鳴き、あっという間に遠くまで飛んでいった。
ほどなくしてチョコが戻ってくる。上機嫌そうな様子にリルが頷いた。
「ありがとう、誰もいなかったね」
「ギャオ~」
「よし、やろう」
いつもは必要ないため抑えている魔力を内側から全力で手のひらに集中させる。地上で見守っているアミルが瞠目した。
「なんて量の魔力かしら……!」
リル全体が光で覆われ、それらが霧散して王都を包み込む。光が透明となってやがて消えた。
「ふう、成功」
リルたちが地上に下りる。それと同時に、王都の方から何かが打ち上がった。
「魔法弾だわ」
魔法弾は意思を持っているかのようにこちらへ向かい、リルたちの目の前で止まったかと思うと、ポンと可愛らしい音で弾けた。そこに、小さな玉が残った。
『リル! 今のはリルか? 王宮魔法士たちが特大の魔力を感知して大騒ぎをしている』
「はい、いきなり失礼しました。王都全体に結界を張ったので、たいていの魔法は弾かれると思います」
『そうか、恩に着る』
会話を終えると玉も消えた。こちらの世界の簡易的な電話のようなものらしい。
「さて、ちょっと寝ます」
「まだ午前中ですよ?」
「もともとこういう生活だったんです。体力温存しておきます」
「そうですか。分かりました、おやすみなさい」
昨日来たばかりの皇女を放っておくのは気が引けるが、まだゆっくりできるうちにたっぷり寝ておきたい。
「ギャオ」
「あれ、寝ないの?」
珍しく家の中に入ろうとしないチョコに、リルは尋ねることなくドアを閉めた。
「まあ、一緒にいてくださるの?」
ベッドに寝転がっていたら、外からそんな声がした。誰に似たのか、随分人間の心が分かる魔物に成長したものだ。安心して目を瞑る。
「今日は限界まで眠り続けよう」
「まあッ王宮の白米よりモチモチしていてとても美味しいです!」
それを言うアミルの頬もモチモチしていた。
「食欲があるようでよかったです」
「上に立つ者が元気でなければ、国も元気になりませんから」
「ごもっともです」
チョコもコウ肉を頬張って嬉しそうな声を上げている。あの日からコウ肉がお気に入りになったらしい。
「そうだ」
食べ終えたリルが立ち上がる。
「どうかされました?」
「本当に王都を目指しているのなら、王都を丸ごと結界張ろうと思って」
「王都を丸ごと!?」
驚いたアミルも立ち上がり、王都の方角を驚愕の表情で見つけた。
「失礼ですが、王都はかなりの広さです。今いる王宮魔法士でも可能な者はいないかと」
「まあ、やったことないですけど、やってみます」
万が一を考え、保険をかけておいた方がいい。リルが風魔法で飛び、王都に向かって両手を向けた。チョコも横でくるくる回りながら飛んで応援している。
「うーん……確かに広い」
空から見下ろしても、端の方が見えない程だ。奥には王宮があった。知らずに王都で仕事を探した時に王宮を見つけていたら、もっと遠くに住まいを作っただろう。
「チョコ。王都の上空に人や鳥がいないか確認してきてくれる?」
「ギャオ」
頼まれたチョコが軽快に鳴き、あっという間に遠くまで飛んでいった。
ほどなくしてチョコが戻ってくる。上機嫌そうな様子にリルが頷いた。
「ありがとう、誰もいなかったね」
「ギャオ~」
「よし、やろう」
いつもは必要ないため抑えている魔力を内側から全力で手のひらに集中させる。地上で見守っているアミルが瞠目した。
「なんて量の魔力かしら……!」
リル全体が光で覆われ、それらが霧散して王都を包み込む。光が透明となってやがて消えた。
「ふう、成功」
リルたちが地上に下りる。それと同時に、王都の方から何かが打ち上がった。
「魔法弾だわ」
魔法弾は意思を持っているかのようにこちらへ向かい、リルたちの目の前で止まったかと思うと、ポンと可愛らしい音で弾けた。そこに、小さな玉が残った。
『リル! 今のはリルか? 王宮魔法士たちが特大の魔力を感知して大騒ぎをしている』
「はい、いきなり失礼しました。王都全体に結界を張ったので、たいていの魔法は弾かれると思います」
『そうか、恩に着る』
会話を終えると玉も消えた。こちらの世界の簡易的な電話のようなものらしい。
「さて、ちょっと寝ます」
「まだ午前中ですよ?」
「もともとこういう生活だったんです。体力温存しておきます」
「そうですか。分かりました、おやすみなさい」
昨日来たばかりの皇女を放っておくのは気が引けるが、まだゆっくりできるうちにたっぷり寝ておきたい。
「ギャオ」
「あれ、寝ないの?」
珍しく家の中に入ろうとしないチョコに、リルは尋ねることなくドアを閉めた。
「まあ、一緒にいてくださるの?」
ベッドに寝転がっていたら、外からそんな声がした。誰に似たのか、随分人間の心が分かる魔物に成長したものだ。安心して目を瞑る。
「今日は限界まで眠り続けよう」
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