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第一章
名付け
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「はぁ……」
そのまま寝てしまったらしく、目を覚ましたら日が傾いていた。ウォルフはというと、リルに枕にされながら寝ていた。
「もふもふさせてくれてありがとう」
すっかり懐いたウォルフを可愛く思う。できるならこのまま飼いたいところだ。しかし、リルも居候の身である。
「許してくれるかなぁ」
「グゥ」
「わ、起きた」
ウォルフが起き上がる。四つん這いでもかなりの高さがある。後ろ足だけで立ったら相当な迫力だろう。
「ウォルフ、うちの子になる?」
「ワンッ」
意味が分かっているのかいないのか、ウォルフが元気に鳴いた。
「あはは」
大きな舌でぺろりと舐められる。いちおう手加減はしてくれているらしい。伏せをしたので、有難く背中に乗せてもらい家を目指した。
数分で家が見え、外にいたサイが目を丸くさせて一人と一匹を見ていた。
「ただいま」
「なんだい、それは」
「ウォルフです」
「そういうことじゃない」
元々味方ではない魔物を連れ帰ったため、やはり良い顔はされなかった。リルはできる限りの子どもらしい声でおねだりをした。
「友だちになったんです。一緒に住んでもいいですか?」
「ウォルフと友だちに?」
「はい。お願いします。世話は全部私がします」
ウォルフを抱きしめながら懇願する。サイがその様子を見て、一つ頷いた。
「よし、全部リルがするんだよ。ただし、大きすぎるから住むのは庭で。分かったね」
「有難う御座います!」
睡眠だけが楽しみの毎日に新たな楽しみが増えた。
「これからよろしく」
「うーん……」
リルはウォルフを前に悩んでいた。
「ウォルフは狼型魔物の総称だから、名前がいるよね」
子どもの頃実家に犬がいたが、付けたのは親だったし名前は太郎だった。
「この世界は横文字みたいだから、漢字じゃない方がいい。色は黒、光に当たるとこげ茶っぽいか」
頭を撫でる手にすり寄ってくる。すっかり飼い犬だ。リルとしてはいい友人になりたいのだが、ウォルフはどう思っているだろうか。
「よし、チョコにしよう」
「チョコとは?」
いつの間にかいたサイが疑問を投げかける。
「お菓子の名前です」
「リルがいた国にはあったのかい」
「はい」
気に入ったのか、チョコが高く細い声を上げた。
何やらむずむずした気持ちが心をくすぐる。これが母性というものか。
「しかし、リルは珍しい菓子を知っていたり、どことなく気品があるね。まるで貴族だ」
「いやいや、私なんてそんな。その辺で生まれた一般市民です」
「そうかね」
焦ることを言われて必死に取り繕う。貴族だとバレたら、すぐにでも家を探し出されて戻されるだろう。あのような窮屈な場所に帰るのは絶対避けたい。しかも、今日から魔物と友人になった。さらに家に帰れなくなった。
チョコはリルに出来た初めての友人だ。今世自体、リルにとって余生みたいなものなので、友人を作る気もなかった。サイがリルとチョコを見て言う。
「これで少しは外に出る気になったかい。いつも寝てばかりだからねぇ」
「いや、それとこれとは別で」
リルの信念は変わらなかった。
そのまま寝てしまったらしく、目を覚ましたら日が傾いていた。ウォルフはというと、リルに枕にされながら寝ていた。
「もふもふさせてくれてありがとう」
すっかり懐いたウォルフを可愛く思う。できるならこのまま飼いたいところだ。しかし、リルも居候の身である。
「許してくれるかなぁ」
「グゥ」
「わ、起きた」
ウォルフが起き上がる。四つん這いでもかなりの高さがある。後ろ足だけで立ったら相当な迫力だろう。
「ウォルフ、うちの子になる?」
「ワンッ」
意味が分かっているのかいないのか、ウォルフが元気に鳴いた。
「あはは」
大きな舌でぺろりと舐められる。いちおう手加減はしてくれているらしい。伏せをしたので、有難く背中に乗せてもらい家を目指した。
数分で家が見え、外にいたサイが目を丸くさせて一人と一匹を見ていた。
「ただいま」
「なんだい、それは」
「ウォルフです」
「そういうことじゃない」
元々味方ではない魔物を連れ帰ったため、やはり良い顔はされなかった。リルはできる限りの子どもらしい声でおねだりをした。
「友だちになったんです。一緒に住んでもいいですか?」
「ウォルフと友だちに?」
「はい。お願いします。世話は全部私がします」
ウォルフを抱きしめながら懇願する。サイがその様子を見て、一つ頷いた。
「よし、全部リルがするんだよ。ただし、大きすぎるから住むのは庭で。分かったね」
「有難う御座います!」
睡眠だけが楽しみの毎日に新たな楽しみが増えた。
「これからよろしく」
「うーん……」
リルはウォルフを前に悩んでいた。
「ウォルフは狼型魔物の総称だから、名前がいるよね」
子どもの頃実家に犬がいたが、付けたのは親だったし名前は太郎だった。
「この世界は横文字みたいだから、漢字じゃない方がいい。色は黒、光に当たるとこげ茶っぽいか」
頭を撫でる手にすり寄ってくる。すっかり飼い犬だ。リルとしてはいい友人になりたいのだが、ウォルフはどう思っているだろうか。
「よし、チョコにしよう」
「チョコとは?」
いつの間にかいたサイが疑問を投げかける。
「お菓子の名前です」
「リルがいた国にはあったのかい」
「はい」
気に入ったのか、チョコが高く細い声を上げた。
何やらむずむずした気持ちが心をくすぐる。これが母性というものか。
「しかし、リルは珍しい菓子を知っていたり、どことなく気品があるね。まるで貴族だ」
「いやいや、私なんてそんな。その辺で生まれた一般市民です」
「そうかね」
焦ることを言われて必死に取り繕う。貴族だとバレたら、すぐにでも家を探し出されて戻されるだろう。あのような窮屈な場所に帰るのは絶対避けたい。しかも、今日から魔物と友人になった。さらに家に帰れなくなった。
チョコはリルに出来た初めての友人だ。今世自体、リルにとって余生みたいなものなので、友人を作る気もなかった。サイがリルとチョコを見て言う。
「これで少しは外に出る気になったかい。いつも寝てばかりだからねぇ」
「いや、それとこれとは別で」
リルの信念は変わらなかった。
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