【完結】名もなき君と、忘れられた森
森の奥にある小さな家で、たった一人で暮らす十六歳の少女・リラ。
村から疎まれ、最愛の母を亡くしてもなお、彼女は人を憎まず、明るくたくましく生きていた。
ある日、リラは森で不思議な少年と出会う。
家族も、名前も、自分がどこから来たのかもわからないという少年。
道に迷ったはずなのに誰よりも森を知り、人間の常識には疎いのに、驚くほど高い身体能力を持っていた。
リラは彼を「シオン」と名づけ、自分の家へ迎え入れる。
食卓を囲み、森を歩き、「ただいま」と「おかえり」を交わす。孤独だった二人は、少しずつかけがえのない家族になっていく。
しかし、穏やかな日々は突然終わりを告げる。
村人たちによって二人の家が破壊されたとき、シオンの内に眠っていた激しい怒りが目を覚ます。
少年はなぜ、リラを守ろうとするのか。
彼は本当に、森で道に迷っていただけなのか。
これは、優しい少女が与えた名前と、森に隠された約束の物語。
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