画仙紙に揺れる影 〜幕末因幡に青梅の残香
米村誠三郎は、鳥取藩お抱え絵師の小畑稲升の弟子である。
文久三年(一八六三年)八月に京で起きて鳥取の地に激震が走った本圀寺事件。
事件の後、藩の御用絵師を目指す誠三郎は画技が伸び悩んだままで心を乱していた。
大事件を起こした尊攘派の一人で藩屈指の剣士である詫間樊六は、竹馬の友だったのだ。
鬱屈した日々の中、稲葉山中にて勇ましい女剣士が倒れているのに出くわして……。
幕末の鳥取藩政下、水戸出身の藩主の下で若手尊皇派が庇護される形となっていた。
また鳥取では、家筋を限定せず実力のある優れた画工が御用絵師として藩に召しだされる伝統があった。
ーその因幡の地で激動する時勢のうねりに翻弄されながら、歩むべき新たな道を模索する侍たちの魂の交流を描いた幕末時代小説!
作中に出てくる因幡二十士事件周辺の出来事、鳥取藩御用絵師については史実に基づいています。
1人でも多くの読者に、幕末の鳥取藩有志たちの躍動を体感していただきたいです。
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