心配ご無用!愛していただかなくて結構です 嫁き遅れ令嬢は死神の花嫁

子爵令嬢伊集院十和子は、二十歳を超えても縁談がまとまらず、一人で暮らしている。
それは、十和子に縁談を申し込んだ男がみんな非業の死を遂げてしまうからで、子爵令嬢は死神の花嫁だと噂され、恐れられていた。

十和子は十歳の頃、事故に遭い、生死の境を彷徨っている時に見えてしまった。白髪を靡かせて微笑む美貌の死神の姿を。
「われが見えるか。ならば命を助けよう。そのかわり・・・」
死神と契約を交わした十和子は、伊集院家でたった一人生き残った。
叔父に引き取られ、育てられることになったが、顔に醜い赤い痣が残り、使用人からも虐げられていた。
年頃になり、縁談が来るようになったが、相手が次々に命を落としていく。
呪われた令嬢だとますます疎んじられる十和子だったが、両親を亡くした事故が故意のものであり、叔父が仕組んだものだと発覚する。

叔父への復讐を果たし、また一人になった十和子は、白髪の美貌の執事と共に暮らすようになる。

子爵令嬢として平穏に暮らしていたが、今度は、真っ黒な衣装を纏った男爵を名乗る男が十和子の前に現れる。
「どうか、私めの花嫁に」
婚約した女性が次々に謎の死を遂げるという男爵の正体は・・・。

急激に西洋化が進む明治の日本で、人ならざるものの勢力争いも激しさを増していく。
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