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10さい
35話 ハビー先生の授業②
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※一般的な設定と異なる箇所があります。ご了承ください。
「よし!じゃあ次は魔法属性について話していこうかな!」
切り替えの早いハビー先生はテンション高めにそう言って別の教本を開いた。
「ライオネル君はもう分かっていると思うけど、魔法属性は大きく3つに分類されているんだ。
先ずは、火、水、土、風属性の天然魔法。
次に、氷、雷、光、闇属性の合成魔法。
そして最後に……聖属性の神聖魔法。
この分類された3種類の属性魔法の尊さはピラミッド型になっていてね、先ず一番下に天然魔法、真ん中に合成魔法……そして、この世界で最も頂点に立つのが神聖魔法なんだ」
(え~っと、ピラミッド型って事は、上に行くほど珍しく、その属性の能力を持っている人も少ないって事か……)
「魔法は全員が使える訳では無いし、個人が使える属性魔法も殆どの人が1つか2つ……3つ以上になると人数がかなり少なくなる。だがら、カオンやラディアスくん、ライオネル君はとても魔法に長けていると言えるんだ」
「えへへ……リツ!俺は、風と水、それと光属性が使えるんだよ。すごいでしょ~」
そう得意げに言うライオネル。
……魔法が使えない俺にとって……正直、羨ましい。
「リツ君もきっと使える様になるさ。
でも、いくら天然魔法や合成魔法が使えたとしても、神聖魔法である聖属性魔法の尊さには及ばないんだよ……聖属性魔法はそのくらい貴重なものだから」
「……聖属性魔法って実際どんな魔法なんですか?」
ライオネルが珍しく興味津々に聞いている。
それにつられて、俺も早く続きを聞きたくてハビー先生ににじり寄った。
「聖属性魔法っていうのは主に2つ……。
1つ、治癒魔法。2つ、浄化魔法だ。
治癒魔法は名前の通り大小関係なく一瞬の内に怪我が跡形もなく治ると言われる能力で、浄化魔法は負の感情で魔属性の魔力を溜め込んでしまった、凶暴極まりない魔獣を浄化出来る能力だよ。
この国であるオルビセリア王国の王城や僕の魔導師ギルドでも治癒魔法を使える聖属性魔法師は、ほんの数人だけど居るには居るんだ。
でもかすり傷を治す程度の力で大きな傷を治す事は出来ないし、治す事にもかなりの魔力と時間がかかるんだ。
浄化魔法持ちの人間なんて居ないに近い……だから、僕達魔導師ギルドや傭兵ギルドが魔獣討伐の依頼を受ける。
強い浄化魔法があれば魔獣の放つ魔素も一緒に浄化出来るはずだから、荒れ果てた自然も豊かになり、魔獣の発生も抑制されるんだけどね……。
まぁそれも全て文献に乗っていたことだから真実かは定かでは無いけどね~」
軽く笑うハビー先生。
その性格からは想像もつかない博識さに俺は驚かされる。
(……へぇ…聖属性魔法って本当に珍しい存在なんだな……まぁ!俺には関係ないけど!)
まだ10歳だし、呪いで魔法使えないし、勉強苦手な俺はそんな事しか考え付かなかった。
それに、呪いで封印されている俺の魔力がそんな珍しい神聖魔法な訳が無いし、もしそうだったら色々と面倒くさそうだと頭の片隅で考える。
……俺は、ラディとこれからも一緒にいたいだけだ。
その為に苦手な勉強を頑張っていると言っても過言ではない。
ラディは将来この家を次ぐ人間。
その時、俺がラディの右腕的存在とかになったらきっとラディを傍でずっと支える事が出来るから……。
そんな事を考えていると、強い瞳で俺を見たハビー先生が口を開く。
「僕はまだ見た事のない浄化の力を持つ者に出会って、その力を見てみたいんだよね……それは、世界を魔獣の恐怖から救う希望となる筈だから。
……強い神聖魔法を持つ者に出会い、観察させてもらう事!これが、僕が死ぬまでにやりたい事なんだよね。
……だ!か!ら!……これからもよろしくね~リツちゃん!」
ハビー先生はそう言うと俺に向けてウィンクをする。
「ピィ!?ピピピピピ!!」
(え!?お、俺…絶対に使えないからね!!そんな期待の目を向けられても無理だから!!!)
慌てて首を振る俺にハビー先生は意地悪な笑みを浮かべる。
「ハビー先生……リツをそんなに虐めないでください……」
ライオネルが手で俺を隠してくれる。
俺は直ぐにライオネルの手に引っ付いて視線から逃げたのだ。
……だが、ハビーはこの時まだ伝えていないことがあったのだ。
それは、ハビーが期待するには十分な内容。
……神聖魔法は大昔、竜人のみが使えたと言う言い伝え。
そして今現在……微弱でも神聖魔法を使える者は、少なからず、竜人の血が流れる先祖がいる……という事をーーーー。
「よし!じゃあ次は魔法属性について話していこうかな!」
切り替えの早いハビー先生はテンション高めにそう言って別の教本を開いた。
「ライオネル君はもう分かっていると思うけど、魔法属性は大きく3つに分類されているんだ。
先ずは、火、水、土、風属性の天然魔法。
次に、氷、雷、光、闇属性の合成魔法。
そして最後に……聖属性の神聖魔法。
この分類された3種類の属性魔法の尊さはピラミッド型になっていてね、先ず一番下に天然魔法、真ん中に合成魔法……そして、この世界で最も頂点に立つのが神聖魔法なんだ」
(え~っと、ピラミッド型って事は、上に行くほど珍しく、その属性の能力を持っている人も少ないって事か……)
「魔法は全員が使える訳では無いし、個人が使える属性魔法も殆どの人が1つか2つ……3つ以上になると人数がかなり少なくなる。だがら、カオンやラディアスくん、ライオネル君はとても魔法に長けていると言えるんだ」
「えへへ……リツ!俺は、風と水、それと光属性が使えるんだよ。すごいでしょ~」
そう得意げに言うライオネル。
……魔法が使えない俺にとって……正直、羨ましい。
「リツ君もきっと使える様になるさ。
でも、いくら天然魔法や合成魔法が使えたとしても、神聖魔法である聖属性魔法の尊さには及ばないんだよ……聖属性魔法はそのくらい貴重なものだから」
「……聖属性魔法って実際どんな魔法なんですか?」
ライオネルが珍しく興味津々に聞いている。
それにつられて、俺も早く続きを聞きたくてハビー先生ににじり寄った。
「聖属性魔法っていうのは主に2つ……。
1つ、治癒魔法。2つ、浄化魔法だ。
治癒魔法は名前の通り大小関係なく一瞬の内に怪我が跡形もなく治ると言われる能力で、浄化魔法は負の感情で魔属性の魔力を溜め込んでしまった、凶暴極まりない魔獣を浄化出来る能力だよ。
この国であるオルビセリア王国の王城や僕の魔導師ギルドでも治癒魔法を使える聖属性魔法師は、ほんの数人だけど居るには居るんだ。
でもかすり傷を治す程度の力で大きな傷を治す事は出来ないし、治す事にもかなりの魔力と時間がかかるんだ。
浄化魔法持ちの人間なんて居ないに近い……だから、僕達魔導師ギルドや傭兵ギルドが魔獣討伐の依頼を受ける。
強い浄化魔法があれば魔獣の放つ魔素も一緒に浄化出来るはずだから、荒れ果てた自然も豊かになり、魔獣の発生も抑制されるんだけどね……。
まぁそれも全て文献に乗っていたことだから真実かは定かでは無いけどね~」
軽く笑うハビー先生。
その性格からは想像もつかない博識さに俺は驚かされる。
(……へぇ…聖属性魔法って本当に珍しい存在なんだな……まぁ!俺には関係ないけど!)
まだ10歳だし、呪いで魔法使えないし、勉強苦手な俺はそんな事しか考え付かなかった。
それに、呪いで封印されている俺の魔力がそんな珍しい神聖魔法な訳が無いし、もしそうだったら色々と面倒くさそうだと頭の片隅で考える。
……俺は、ラディとこれからも一緒にいたいだけだ。
その為に苦手な勉強を頑張っていると言っても過言ではない。
ラディは将来この家を次ぐ人間。
その時、俺がラディの右腕的存在とかになったらきっとラディを傍でずっと支える事が出来るから……。
そんな事を考えていると、強い瞳で俺を見たハビー先生が口を開く。
「僕はまだ見た事のない浄化の力を持つ者に出会って、その力を見てみたいんだよね……それは、世界を魔獣の恐怖から救う希望となる筈だから。
……強い神聖魔法を持つ者に出会い、観察させてもらう事!これが、僕が死ぬまでにやりたい事なんだよね。
……だ!か!ら!……これからもよろしくね~リツちゃん!」
ハビー先生はそう言うと俺に向けてウィンクをする。
「ピィ!?ピピピピピ!!」
(え!?お、俺…絶対に使えないからね!!そんな期待の目を向けられても無理だから!!!)
慌てて首を振る俺にハビー先生は意地悪な笑みを浮かべる。
「ハビー先生……リツをそんなに虐めないでください……」
ライオネルが手で俺を隠してくれる。
俺は直ぐにライオネルの手に引っ付いて視線から逃げたのだ。
……だが、ハビーはこの時まだ伝えていないことがあったのだ。
それは、ハビーが期待するには十分な内容。
……神聖魔法は大昔、竜人のみが使えたと言う言い伝え。
そして今現在……微弱でも神聖魔法を使える者は、少なからず、竜人の血が流れる先祖がいる……という事をーーーー。
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