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15さい
63話 パーティーの始まり
しおりを挟む「ラディアス様ぁ、まだお話は終わっていませんのに急にどうしましたのーーーーーーーって、そちらの小さいお子様はどちらの家の子ですか?」
ラディアスに向けられていた目とは明らかに違う、恐ろしい目付を俺に向ける令嬢。
明らかに敵意剥き出しのその態度に、俺もふつふつと怒りが湧き上がってくる。
ーーーーだって…だってコイツ!!俺の事小さいお子様って言ったんだぞ!!小さいお子様って!!
やっぱりコイツ性格悪い!!!!
「お、俺は小さいお子様なんーーーーーーむんんんんんっ!!!」
令嬢の前に出ようとした俺の口を、大きな手で塞いだラディは強い力で俺を止める。
それでも怒りが治まらない俺は、ラディの腕の中でジタバタ暴れるもビクともせず、ラディは令嬢へと無機質に口を開く。
「令嬢には関係ありません。この者は社交の場が初めてなのであまり意地の悪い事を言わないで頂きたい」
「なっ!そんなこと言ってませんわっ!!」
眉を顰めて鋭い目付きで俺を睨みつける令嬢はラディに言われた事に対して顔を赤くする。
ーーーーそんな時、メインホールに声が響く。
「国王陛下並びに王妃陛下、王太子殿下の御入場で御座います!!」
その声が響くと同時にホールに集まった貴族達は声の先にある大きな扉へと注目する。
ラディは令嬢に挨拶もしないで俺の肩を抱き、スタスタとカオン様やパール様、あと既に貴族の子達から抜け出せていたライオネルの元へと足を進めた。
後ろから甲高い声でラディを呼んでいたが、ため息を吐いたラディはそれを無視して静かに俺の頭を撫でたのだった。
貴族達の拍手と共に入場する国王陛下達はとても堂々としていて、それでいて優しいオーラを身にまとっていてカッコよかった。
犬属の王妃様も相変わらず綺麗で、その後ろにはラディと同じくらいの背丈の王太子殿下も見えた。
……ん?目が合った…?
不意に王太子殿下と目が合った気がする俺。
俺はそのまま逸らさず見つめていると、ニコッと王太子殿下が微笑んだ気がした。
……あれ?俺に微笑んでくれたーーーーわけないか!!
そう思う俺だったが、その瞬間何故かラディが強く俺の肩を抱いてきたのだった。
「本日は私の息子であるアルベールの半年後に控えたアカデミー入学を推進するためのパーティーに集まってもらい礼を言う。今年はアカデミーの入学者も多いと聞き、我が息子と歳の近い者達を多く招待させてもらった。今宵はこの場で時間が許す限り、より良い交流を深めて頂きたい。皆、楽しんでいってくれ」
王様のパーティー始まりの合図とともに音楽が流れ、皆が拍手をする。
俺はワクワクと目を輝かせ、これから始まるパーティーに期待を膨らませた。
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