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17さい
94話 相変わらず(※ちょっとだけ)
しおりを挟むルータの慌てた声と共にふわっと身体が浮き上がり驚きの声を上げ目を見開く。
それと同時に鼻を掠める大好きな香り……。
出会った時からもう……12年。
昔からずっと変わる事の無い、その大好きな匂いと温もりを俺が間違えるはず無かった。
「わぁっ!!ーーーーーーんもう!ラディびっくりした!!」
「僕も驚いた。リツに会いに訓練場行ったら居ないって言うし、よりにもよってルータと一緒に居るって聞かされて」
19歳になってますます凛々しく逞しくなったラディがルータを睨み付ける。
その様子に肩が跳ね、耳が垂れ下がるルータ。
それがちょっと可哀想に思えて、俺は抱き上げられたまま、ラディの首に腕を回す。
「ラディ、ルータ酷い怪我してたんだからもっと優しくしてあげてよ!」
頬を膨らましてそう言う俺をラディがじぃーと見つめる。そしてそのまま、自身の片手で俺の両頬を摘むと、勢い良く俺の口からブフッと空気が抜けていった。
「ーーーーむぅ!?」
「リツもダメでしょ?こんな所で狼野郎と2人きりになったら……リツは可愛いんだからそんなに警戒心無いと直ぐに食べられちゃうよ?」
「狼野郎って……」
ボソッと呟くルータを他所に、俺は可愛いという言葉に恥ずかしくなって頬を染めるとラディの肩をポカポカと叩いた。
「う、うるさい!!俺だって警戒心くらいちゃんともってるんだからな!!!!」
勢いでそう口にすると、ラディの目が鋭く光った様な気がした。
「……へぇ、そうなんだ…じゃあ本当にリツがちゃんと警戒心持ってるか確かめないと」
俺の耳元でそう囁くラディの声に何故だか背筋がゾワゾワと震える。
「え?……っちょ、ちょっと待って!!あぁ、ルータ…ルータぁ!!助けてぇ!!!!」
……あれ?俺いま余計な事言った?
俺はルータに助けを求めるもガン無視され……ラディは軽々と俺を抱き上げたまま、綺麗に整備された林の奥へと入って行った。
。。。。。
「リツ……こっち向いて」
「ちょっ、待ってラディ!ここ外っーーーーーーーーーーーーーんんっ、は……ぁむ……ちゅ……」
林の奥へ入ると俺は木の幹に背中を預け、ラディに囲い込まれる。
そのまま両手をラディの手によって頭上で拘束され、身動きがとれないまま深く唇が合わさる。
何度も繰り返されるそれに呼吸が間に合わなくて……それでも何とか息を吸うも、その瞬間に合わせて今度は舌を捩じ込まれる。
「警戒心……ちゃんと持ってるんでしょ?それなのに、何でそんなに蕩けた顔してるの?こんなの自分を食べてくださいって言ってるようにしか見えないよリツ」
ニヤリと妖艶に笑うラディに頭からつま先全てがゾクゾクする。
「はぅ……ま、まってぇ……だめっ、そこは……んっ」
ラディの手が俺の服の中に侵入して小さな頂きをコリコリと触る。
発情期が来てからというもの毎回の様に触られていたそこは、少しの快感も敏感に拾いピンク色に主張する。
「ぁ……ひゃぅ、ん……はぁ、らでぃ……んんっ、ぁ」
「うん、硬くなってきたね……こんなに直ぐに感じて……警戒心はどうしたの?」
少しだけ怒りが含んだように俺の耳元で呟くと、そのまま頭上の丸い耳を舐める。
「はぅっ!!……や、やぁ、んぁ……らでぃだから……」
「ん……何が?」
「んぁっ!!……ふぁ、ぁんん……」
胸をまさぐるラディの指が俺の乳首をピンッと弾く。
その瞬間目の前がチカチカとして足から力が抜ける。
たけど、逞しい腕に抱き寄せられてまた唇が合わさる。
「はむっ……ふ、ちゅく……はぁ……むぅ、ちゅ……」
ゆっくりと唇を離すと、ツゥと糸が引く。
はぁはぁと呼吸を乱す俺は潤んだ瞳でラディを見つめ、力なく呟いた。
「ラディ、だから……他の、人とは絶対に……嫌だ。ラディだから、何されてもいいから……そ、その……警戒心が無いように見えるだけで……俺だってもっとーーーーーーーーー」
「ーーーーーーリツ」
ラディの声とともにギュッと抱きしめられる。
「わぁっ!な、何……今度はどうしたの!?」
慌てる俺の首元に顔を埋めたラディは嬉しそうに笑いながらスリスリと擦り寄る。
「……ありがとうリツ。やっぱりリツには適わないね……大好き」
「む……お、俺も……ラディ」
19歳になり、より一層身長も伸びて逞しくなったラディの甘々で直球な愛情も……え、エッチな事だって……やっぱり相変わらず凄くて……俺は落ち着かない日々を送っている。
……でも、何だかんだでその素直な気持ちが……今も変わらず……嬉しかったりするのだ。
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