103 / 140
因果応報の続き
2
しおりを挟む
田先家での使い込みは全部で210万。プラス慰謝料として300万。
母の周子が代わりに支払うとなっていたが、結局急死したのでなくなった。
それどころか、周子は結花の今までの悪行のツケを残していた。それが500万。
全部で1010万のお金を請求されている。
少しでも減らせるためにと、呉松家の本家を200万で売った。
それでも結花は罰金以外に計810万の借金が残っている。
本気で働かないといけない状況になった。
月の給料は15万ほど。そのほとんどが返済なので、自由に使えるお金はわずか。
今のペースで返すとしたら数十年かかるだろう。
この浅沼工場は事務や管理職が集まるが、チャレンジ枠と呼ばれる部署がある。
普通のパートの人もいるが、中にはパワハラ、セクハラした人、不祥事起こした人、病気がちな人、障害のある人、前科がある人など訳ありな人が飼い殺しの形として存在している。
いわゆる左遷先の部署だ。
陰で"蠱毒部”と呼ばれている。
やらかした人同士で潰し合って自滅させればいいということから。
主な仕事は掃除や草刈り書類整理など簡単な仕事ばかり。ここに入ると一生出世できない。
そして彼らだけ会社内にある寮で集団生活をする。
何かやらかさないか監視するためだ。
「なにいってんの! さっさと仕事する! あんた自分の立場分かってるの?!」
結花の文句に怯むことなく、丸岡は早く立ちなさいと促す。
しぶしぶ立ち上がって、結花はモップをけだるげに動かした。
「お、呉松さん、仕事はどう?」
男性の声が廊下に響く。
結花のもとに近づき「掃除係も悪くないでしょ?」と口角を上げて笑みを浮かべた。
黒のスーツに青のネクタイ。胸元には浅沼とシルバーの社章がついている。
まあるい顔に凜々しい目元と少し白髪がかったスポーツ刈りの細身の男性。
背は170あるだろうか。杖をついていた。
「あんた誰よ? こんな仕事やりたくないんだけど?」
結花はけんか腰で男性に詰める。
あんた呼ばわりする結花に対して、丸岡は血相を変えて「すみません、うちのスタッフが失礼なことをして」と結花の頭を下げさせようとする。
「あんたって、この方、ここの社長よ? 浅沼さん」
小声で注意するが結花は無視する。
「いいよ、頭あげて」
浅沼の穏やかな声で2人は頭をあげた。
「あんた社長? ふっ、全然似合わないし。しかも杖ついて、仕事できんの?」
結花は浅沼の姿を見て笑いながら「こんな人が社長とかマジうけるー」と失礼な態度を変えない。
杖ついてるってことは足悪いんだよね?
仕事できなさそう。よく社長になれたね。
どうせ親のコネでしょ?
「あー、覚えてないかー、呉松さん。ほら、同じ中学校だったじゃん。あの時はいっしょによく遊んでたよ。浅沼響だよ」
名前を聞いた瞬間、結花は誰だっけってとぼけた。
「娘さんは元気? 陽鞠ちゃん。娘と同級生だった子」
「なんで、うちの娘のことしってんの?」
「そりゃー、僕が娘に呉松さんのことを話したからね。それで陽鞠ちゃん嫌がらせされたんでしょ? 因果応報だね」
「ふざけないでよ! なんでうちの娘があんたの娘にいじめられないといけなかったの?! てかゆいちゃんの過去に娘は関係ない」
キャンキャンいぬのように吠える結花に対して、浅沼は「やっぱり反省してないんだね」と笑った。
「中学時代散々僕をいじめてくれたね。覚えてないんだ。大事な杖をぶっ壊したり、盗んだの誰だっけ? 呉松さんでしょ?」
「杖? そんなの覚えてないない。そんなのいつまでも根にもってるなんて、器せまっ!」
中学時代のことなんてとっくに忘れたわよ。
こんな杖ごときでいちいち騒ぐとかばっかみたい。
どうせ家族に嫌われてるんだろうね。こんな根に持つ人なんて、辛気くさいから嫌い。
「まぁいいや。やらかした人は基本覚えてないもんえ。チャレンジ枠の人間もそうだ。加害者はたかがそれぐらいでと思うけど、被害者はそれぐらいで泣き寝入りしている人が多い。なーんにも社会的に処分されないからね。やらかした人も生きるために働かないといけない。だから、ここで飼い殺しをさせてるんだ。世の中誰かが犠牲にならないといけないからね」
「ごちゃごちゃうるさわいわね。天下の呉松家のお嬢様にあれこれ言うなんて、同級生なら分かってるでしょ? 逆らったらどうなるかって」
家の名前だせば、あっさり引き下がってくれる。
そうよ。世界一可愛いゆいちゃんなんだから。
結花の変わらずぶりに浅沼は「ホント昔っから変わってないなー」と声をあげて笑う。
「家の名前出して、みんな簡単に頭下げてくれると思ってるの? もうそんなの通用しない。昔と立場が違うんだ。僕が上の立場で、呉松さんはただのスタッフ」
業務命令指示系統は、浅沼が丸岡に指示して、そこから結花達に仕事振られる形になっている。
浅沼は結花にさらに近づいて
「ねえ、かつていじめてた人から、あれこれ言われるってどんな感じ? 呉松さんのプライドずたずただよねぇ? 今まであれこれ言う方だったもんねぇ。わがまま聞いてもらってたもんねぇ。周りからチヤホヤされてたもんねぇ」
ねっとりした口調で耳元に囁いた。
結花は下に俯いて口を閉ざす。
何なの! この人うざっ!
労役場でもあーだこーだ言われて、サボったら怒られたし、息つく暇もなかった。
それ以上に、今の方が嫌だ。
周りはチヤホヤしてくれないし、冷たいし、口うるさいか厳しい人ばっかだ。
その上、かつてバカにしてた同級生から、命令されるなんて屈辱しかない。
「君の名前みた瞬間、僕はラッキーだとおもったよ!」
浅沼の声が弾む。それは結花の体全身に寒気が走った。
履歴書の応募に彼女の名前があった。
この年で数ヶ月パートをやってすぐクビになっただけ。
昔からSNSで働いてない自慢してた。
中学時代にみんなの前で将来の夢は専業主婦で働かない宣言をしてただけあったが、わがまま過ぎて夫と娘に逃げられた話を風の噂で聞いた。
彼女の娘は私の娘と中学の同級生。
娘に彼女にいじめられてた話をしたら、私の娘が彼女の娘に嫌がらせしていた。
私の仇討ちしてくれてるような気がした。
彼女の娘は結局それが原因で転校になった時は、正直嬉しかった。
親の因果は子に報いるから。
彼女が警察のお世話になって、ホームレスになったらしく、それ系の支援の人にうちを紹介されたと。
復讐のチャンスだと思った。
だからあえて採用させて、私の下で働かせようと思った。
私が責任者であることをアピールして、昔と立場が違うことを分からせる。
プライドの高い彼女には大ダメージだ。
しかも雑用と言うところがポイントだ。
ここの部署だともう出世なんて出来ないし、彼女のキャリアや年齢的にも難しいだろう。
同級生達が出世している中、このような扱いをされる元お嬢様は滑稽だ。
さて、身の程弁えてもらおうじゃないか。
「呉松さん、悪いけど中学時代の仕返しするから。君は雇われの身で、家族から見捨てられたんだろ? 他の行き場もないだろうし、ホームレスになるよりは、ここで大人しく言うこと聞いた方が賢いと思うんだ」
そうそうと言わんばかりに丸岡も頷く。
歯を食いしばって結花は「分かりました」と不承不承で目を合わせることなく返事した。
くっそ、世界一可愛いゆいちゃんが同級生に頭下げるとかほんと無理。
こんなやつに使われるとか嫌なんだけど。
「ほら、呉松さん、掃除終わったら、次は封筒入れの作業よ。掃除道具片付けましょ」
丸岡とともに掃除道具を片付けたら、今度は奥のチャレンジ枠の部署の部屋で、封筒に書類を入れる作業を開始した。
母の周子が代わりに支払うとなっていたが、結局急死したのでなくなった。
それどころか、周子は結花の今までの悪行のツケを残していた。それが500万。
全部で1010万のお金を請求されている。
少しでも減らせるためにと、呉松家の本家を200万で売った。
それでも結花は罰金以外に計810万の借金が残っている。
本気で働かないといけない状況になった。
月の給料は15万ほど。そのほとんどが返済なので、自由に使えるお金はわずか。
今のペースで返すとしたら数十年かかるだろう。
この浅沼工場は事務や管理職が集まるが、チャレンジ枠と呼ばれる部署がある。
普通のパートの人もいるが、中にはパワハラ、セクハラした人、不祥事起こした人、病気がちな人、障害のある人、前科がある人など訳ありな人が飼い殺しの形として存在している。
いわゆる左遷先の部署だ。
陰で"蠱毒部”と呼ばれている。
やらかした人同士で潰し合って自滅させればいいということから。
主な仕事は掃除や草刈り書類整理など簡単な仕事ばかり。ここに入ると一生出世できない。
そして彼らだけ会社内にある寮で集団生活をする。
何かやらかさないか監視するためだ。
「なにいってんの! さっさと仕事する! あんた自分の立場分かってるの?!」
結花の文句に怯むことなく、丸岡は早く立ちなさいと促す。
しぶしぶ立ち上がって、結花はモップをけだるげに動かした。
「お、呉松さん、仕事はどう?」
男性の声が廊下に響く。
結花のもとに近づき「掃除係も悪くないでしょ?」と口角を上げて笑みを浮かべた。
黒のスーツに青のネクタイ。胸元には浅沼とシルバーの社章がついている。
まあるい顔に凜々しい目元と少し白髪がかったスポーツ刈りの細身の男性。
背は170あるだろうか。杖をついていた。
「あんた誰よ? こんな仕事やりたくないんだけど?」
結花はけんか腰で男性に詰める。
あんた呼ばわりする結花に対して、丸岡は血相を変えて「すみません、うちのスタッフが失礼なことをして」と結花の頭を下げさせようとする。
「あんたって、この方、ここの社長よ? 浅沼さん」
小声で注意するが結花は無視する。
「いいよ、頭あげて」
浅沼の穏やかな声で2人は頭をあげた。
「あんた社長? ふっ、全然似合わないし。しかも杖ついて、仕事できんの?」
結花は浅沼の姿を見て笑いながら「こんな人が社長とかマジうけるー」と失礼な態度を変えない。
杖ついてるってことは足悪いんだよね?
仕事できなさそう。よく社長になれたね。
どうせ親のコネでしょ?
「あー、覚えてないかー、呉松さん。ほら、同じ中学校だったじゃん。あの時はいっしょによく遊んでたよ。浅沼響だよ」
名前を聞いた瞬間、結花は誰だっけってとぼけた。
「娘さんは元気? 陽鞠ちゃん。娘と同級生だった子」
「なんで、うちの娘のことしってんの?」
「そりゃー、僕が娘に呉松さんのことを話したからね。それで陽鞠ちゃん嫌がらせされたんでしょ? 因果応報だね」
「ふざけないでよ! なんでうちの娘があんたの娘にいじめられないといけなかったの?! てかゆいちゃんの過去に娘は関係ない」
キャンキャンいぬのように吠える結花に対して、浅沼は「やっぱり反省してないんだね」と笑った。
「中学時代散々僕をいじめてくれたね。覚えてないんだ。大事な杖をぶっ壊したり、盗んだの誰だっけ? 呉松さんでしょ?」
「杖? そんなの覚えてないない。そんなのいつまでも根にもってるなんて、器せまっ!」
中学時代のことなんてとっくに忘れたわよ。
こんな杖ごときでいちいち騒ぐとかばっかみたい。
どうせ家族に嫌われてるんだろうね。こんな根に持つ人なんて、辛気くさいから嫌い。
「まぁいいや。やらかした人は基本覚えてないもんえ。チャレンジ枠の人間もそうだ。加害者はたかがそれぐらいでと思うけど、被害者はそれぐらいで泣き寝入りしている人が多い。なーんにも社会的に処分されないからね。やらかした人も生きるために働かないといけない。だから、ここで飼い殺しをさせてるんだ。世の中誰かが犠牲にならないといけないからね」
「ごちゃごちゃうるさわいわね。天下の呉松家のお嬢様にあれこれ言うなんて、同級生なら分かってるでしょ? 逆らったらどうなるかって」
家の名前だせば、あっさり引き下がってくれる。
そうよ。世界一可愛いゆいちゃんなんだから。
結花の変わらずぶりに浅沼は「ホント昔っから変わってないなー」と声をあげて笑う。
「家の名前出して、みんな簡単に頭下げてくれると思ってるの? もうそんなの通用しない。昔と立場が違うんだ。僕が上の立場で、呉松さんはただのスタッフ」
業務命令指示系統は、浅沼が丸岡に指示して、そこから結花達に仕事振られる形になっている。
浅沼は結花にさらに近づいて
「ねえ、かつていじめてた人から、あれこれ言われるってどんな感じ? 呉松さんのプライドずたずただよねぇ? 今まであれこれ言う方だったもんねぇ。わがまま聞いてもらってたもんねぇ。周りからチヤホヤされてたもんねぇ」
ねっとりした口調で耳元に囁いた。
結花は下に俯いて口を閉ざす。
何なの! この人うざっ!
労役場でもあーだこーだ言われて、サボったら怒られたし、息つく暇もなかった。
それ以上に、今の方が嫌だ。
周りはチヤホヤしてくれないし、冷たいし、口うるさいか厳しい人ばっかだ。
その上、かつてバカにしてた同級生から、命令されるなんて屈辱しかない。
「君の名前みた瞬間、僕はラッキーだとおもったよ!」
浅沼の声が弾む。それは結花の体全身に寒気が走った。
履歴書の応募に彼女の名前があった。
この年で数ヶ月パートをやってすぐクビになっただけ。
昔からSNSで働いてない自慢してた。
中学時代にみんなの前で将来の夢は専業主婦で働かない宣言をしてただけあったが、わがまま過ぎて夫と娘に逃げられた話を風の噂で聞いた。
彼女の娘は私の娘と中学の同級生。
娘に彼女にいじめられてた話をしたら、私の娘が彼女の娘に嫌がらせしていた。
私の仇討ちしてくれてるような気がした。
彼女の娘は結局それが原因で転校になった時は、正直嬉しかった。
親の因果は子に報いるから。
彼女が警察のお世話になって、ホームレスになったらしく、それ系の支援の人にうちを紹介されたと。
復讐のチャンスだと思った。
だからあえて採用させて、私の下で働かせようと思った。
私が責任者であることをアピールして、昔と立場が違うことを分からせる。
プライドの高い彼女には大ダメージだ。
しかも雑用と言うところがポイントだ。
ここの部署だともう出世なんて出来ないし、彼女のキャリアや年齢的にも難しいだろう。
同級生達が出世している中、このような扱いをされる元お嬢様は滑稽だ。
さて、身の程弁えてもらおうじゃないか。
「呉松さん、悪いけど中学時代の仕返しするから。君は雇われの身で、家族から見捨てられたんだろ? 他の行き場もないだろうし、ホームレスになるよりは、ここで大人しく言うこと聞いた方が賢いと思うんだ」
そうそうと言わんばかりに丸岡も頷く。
歯を食いしばって結花は「分かりました」と不承不承で目を合わせることなく返事した。
くっそ、世界一可愛いゆいちゃんが同級生に頭下げるとかほんと無理。
こんなやつに使われるとか嫌なんだけど。
「ほら、呉松さん、掃除終わったら、次は封筒入れの作業よ。掃除道具片付けましょ」
丸岡とともに掃除道具を片付けたら、今度は奥のチャレンジ枠の部署の部屋で、封筒に書類を入れる作業を開始した。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる