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第3章学園入学
おねぇさんの相談室1
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パァン!
さてー・、今現在、2限まるまるサボった私は流石に教室に戻ろうと思ったら廊下でおねぇさんにビンタされた。
何故わざわざ〝おねぇさん〟呼びにしたかと言ったら、男が女に手を上げたとなっては流石に外聞悪いだろうと考えた私の配慮だ。
おねぇさんは心が本当に乙女だから自分が客観的に見たら男である自覚は薄い。
一応皇太子である自覚はかろうじて働いているのか、たまたまなのか、まだ授業終了前で人目が無いときだ。
因みにちゃんと手加減されていたのか、音のわりには頬は痛くないが。
痛くはない…が。
何故私はビンタされているんだろう?
考えても無駄という事はこの3年近い付き合いでなんとなく分かる。こういう時は率直に聞く他ないだろう。
「何なんですか今度は。」
「私は、私は貴女をそんなフシダラな子に育てた覚えはないわ!」
「私は皇太子に育てられた記憶は無いわ。」
「ルイス様とあんな口付けをー・もがっ
皇太子が何か口走ろうとしていたので、ライザは咄嗟に皇太子を羽交い締めにして混乱しながら抵抗している皇太子を何とか引っ張り階段裏に引き摺り込んだ。
すると、咄嗟のことだったので鼻と口を塞がれた皇太子は息が出来なかったのかライザの手から解放されると、真っ赤な顔をして肩ではぁはぁと息をしながら、乱れた服をそのままにその場にへたり込み、潤んだ瞳をこちらに向けて言った。
「こ、今度は私を犯そうって言うのね!
そうは行かないわよ!私の身体は女に感じないんだから!!」
無駄にイケメンな分色気をふんだんに飛ばされたライザはイラッときて思わず拳が出そうになった。
「やめてください、そろそろ本気で殴りますよ。」
「だって、ルイス様とあんな…フシダラな事をしてる破廉恥女の考える事なんて!
しかも親友の私に相談も無いのよ?
詳しく報告しなさいよ!」
皇太子の言葉に、途端に顔に血液が行く。
(落ち着け私。此処で殴って気絶させ静かにさせただけじゃ解決にならない。)
「だ、だから何でそれを貴方が知ってるんですか?」
「そりゃ、目の前で開けっ放しの窓の内側で秘密の会話してたら盗み聞くし見るでしょう。」
「……。」
「言っとくけど、偶然よ、偶然。先に私が居たのよ?
それが、あんたが訪ねてくるからって返されたんだけど、2人で会うなら私も良く無い?と思って引き返したのよ、、」
「皇太子とあろう者が不法侵入ですか…。」
「いいえ?爺やに2人の話が終わるまで待ってるって言ったら快く通してくれたわ。暇つぶしに庭園周りをウロウロしてたのよ。」
(…爺や…心優しいお爺ちゃんだからなぁ。最近ボケてきてたな確かに。補佐する人がそろそろ必要よね。)
「…何処から見てたんですか?」
「勿論、貴女が婚約白紙にしたいって言ってる所からよ。」
(それって全部なんですけど?)
「…とにかく。冗談はさて置いて。
ちゃんと貴女の話を聞きにきたのよ。
どうせ、私以外にまともに相談出来る女友達なんかライザには居ないだろうと思ってね。」
急に真剣な顔になり、何処か気恥ずかしいのか困ったように眉を寄せ、ふっと良い表情で口元に小さく笑みを浮かべた。
「ベルン殿下……。」
(じゃあ私は冗談で冒頭にビンタされたのだろうか…)
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