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10章 延引された結婚式
※番外編※ さらに深まる二人の絆3* inエリュシオンside
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◇
「・・・サーヤ・・・」
「ん、エル・・・」
風呂から上がり、乾燥魔法をかけてサーヤの元へ戻ると嫌な予感は的中していた。
サイドテーブルに置いたトレーには、セイルからもらった薬と癒しの水を混ぜたモノを濃度別に分けて置いておいた。
無色からだんだん紫色が少しずつ深まり、紫が濃いものほど濃度も高い。
濃度を分けたのには理由があった。
「んぁ、エル・・・身体、熱ぃ・・・助けてぇ・・・」
薬には強い催淫効果があったのだ。
個人差はあるようだが妊娠しやすくするために、子を宿す子宮が少し降りてくるらしい。
恐らく普段サーヤが一番感じている最奥がそこなのだろう。
だが、アレクの手紙には強すぎる快感は痛みを伴うらしく、身体にも良くないので優しく段階を踏んで・・・と書いてあった。
・・・あいつはいったいどこまでナニを試したのだ。
聞く気はないが、指摘内容が具体的過ぎやしないだろうか・・・
ベッドの上でバスローブをはだけさせ、自分で触れてみたのか先ほどより濡れているサーヤの秘所。
果実水と勘違いでもしたのか、よりによってサーヤは段階に分けたセポルの一番濃いグラスを空にしたようだ。
「どうした、熱いというがどこがどのように苦しいのだ?」
俺は何も知らないフリをしてギシっとサーヤのそばに座り、まずは額に触れて熱を測った。
「・・・っぁ、んんっ」
「確かに熱いな。他に苦しい所はあるか?」
「ぁ、ぁう・・・」
少し触れるだけで、艶っぽい声をあげながらピクン、ピクンっと反応するサーヤの身体。
敏感な場所に触れたらどうなるのか確認したくなるのは仕方ないだろう。
スルっとバスローブの隙間から手を差し入れて、サーヤの胸を軽く揉んでみた。
「あぁぁっ、やぁぁぁぁっ」
「・・・コレだけで達したのか?」
胸に触れるだけで達するなど、この後の行為が大丈夫なのかと逆に心配になってくる。
一度妖精の粉を舐めさせて熱が引くまで待った方が良いか・・・?
「はぁっ、エル・・・あたしの身体、変なの。怖い・・・でも、もっと触って欲しぃ・・・」
「・・・っ」
こっちは冷静に対処しようとしているのに、このバカは俺の理性を崩しにかかってくる。
薬による催淫効果でこうなったのはわかっているが、蕩けきった顔で俺を求めてくる顔を見るとこのまますぐにでも挿入れたい衝動が俺を襲う。
なけなしの理性で、まずは指を挿入れてサーヤの感度を確認する。
「初夜で壊してしまうかもしれない」と言ったが、このような形で壊す事など望んでいない。
少しでも熱が冷めれば良いと、癒しの水を口移しで与えながらサーヤの蜜が溢れている蜜壺へ指を滑り込ませる。
挿入れた瞬間ビクンっと反応した後、きゅうきゅうと締め付けてくるあたりまた達してしまったのだろう。
身体を震わせながらも、上の口では俺の舌をあむあむと必死に甘噛みしながら絡め、下の口では俺の指を離すまいと収縮を繰り返す。
そして、止めどなく溢れる蜜が潤滑油となり、奥へ奥へと指を誘う。
いつもより指を少し奥に挿入した時、何か突き当りにぶつかったような感触がしたと思ったら、サーヤが今まで以上に強く反応した。
「っあぁぁぁぁぁぁっ、~~~~~~~~~~~~っ」
俺に抱きつきながら、ビクンッ、ビクンッと身体を震わせ、心なしか鼻をすする音まで聞こえてきた。
・・・まさか、泣いているのか?
「サーヤ、お前泣いて・・・」
「うぅ・・・あたしの身体、どうなっちゃったの?・・・ッグズ、気持ち良いけど怖い・・・怖いのに、もっと欲しくておかしくなりそう・・・」
「・・・それは、お前がさっき飲んだ薬のせいだ。まったく、勝手に飲みおって・・・バカめ」
「あれって、果実水じゃなかったの?色が綺麗だったから・・・んんっ」
やはり果実水と思っていたようだ・・・
俺は妖精の粉を少し口に含み、サーヤに口移しで舐めさせた。
まだ身体の火照りはあるようだが、少し落ち着いたらしい。
「薬って・・・もしかしてセイルが持ってきた妊娠しやすくなる薬?」
「あぁ。アレクからの注意書きに強い催淫効果があるから少しずつ濃度を上げて調整するよう書いてあったのに、お前は一番濃度の高いモノをいきなり飲みおって・・・」
「・・・だって、知らなかったんだもの」
「だったら俺に聞くなりすれば良かっただろう?ちゃんと癒しの水だって置いてあるのに、なぜよりによってアレを飲んだのだ?」
「・・・間違っちゃったの。わざとじゃないもん・・・」
「は?間違えた??」
どうやら俺が風呂に入っている間、この後の情事を嫌でも想像してしまい恥ずかしくなったサーヤは、気持ちを落ち着かせるために癒しの水を飲もうとしたらしい。
だが、グラスに注いだ後もその想像が消えず、慌てて手に取って飲んだモノが近くにあった薬入りのグラスだったらしく、飲み終えてから間違えた事に気付いたようだ。
・・・なんともサーヤらしいというかなんというか・・・
「・・・俺にどういう事をされると想像したのだ?何をされて恥ずかしかった?」
「!!!・・・いや、それは、その・・・」
妖精の粉で先程よりは落ち着いたサーヤとは反対に、さんざん煽られた俺の方が我慢の限界だった。
「俺は今すぐにでもお前のナカに挿入ってめちゃくちゃにしたい・・・」
「!!!!・・・ぁ、んんっ」
すでに蜜が溢れてドロドロになっているサーヤの蜜壺に、熱くて今にもはち切れそうな俺のモノを押し当てると、ゆっくりと吸い込まれるようにサーヤのナカへと飲み込まれていく。
「・・・はぁっ、エルになら、めちゃくちゃくにされても良いよ・・・いっぱい、愛して?」
「・・・っ、お、前はホントに・・・っ」
「きゃっ、ぁぁっ、待って待って!いきなりそんな・・・ぅあっ、やっ、それ深っ、ぁんっ、ダメ、許し・・・やぁぁぁっ」
ただでさえ溶かされそうなくらい熱いサーヤのナカで、いつもより浅い場所にある大事な場所を傷つけないよう優しくするつもりだったのに、自らトドメを刺してきたサーヤによって俺の理性は完全に崩壊し、結局サーヤを抱き潰してしまった。
・・・妖精の粉を使ってもコレなら、この薬が一般に流通できないのは仕方ないだろう。
◇
「・・・はぁ、死ぬかと思った・・・」
新婚初夜から数日の蜜月にはそぐわない言葉をサーヤが発したのは、双子達が両親の元から帰ってくる前夜、遅めの夕食を取っている時だった。
今は魔法袋から作り置きのキッシュやデザートを出し、二人でシーツにくるまった状態でベッドの上で食事をしていた。
丸1日経過している事もあり、ようやく薬の効果は切れたようだ。
「お前が散々煽ってくるからではないか、自業自得だ。それに俺だってなるべく加減したり妖精の粉を使って回復させたりしてやっただろう?」
「嘘だっ、アレは加減してたって言わないよ!しかもコレで妖精の粉全部使い切っちゃったんでしょ?・・・はぁ、貴重なモノなのに最後まで正しく使えなかった・・・妖精さんに申し訳なさすぎる」
「・・・元はお前が一番濃度の高い薬を間違って飲んだ事が原因ではないか」
「うぐっ・・・そうでした。ごめんなさい・・・」
サーヤを回復させながら使っていた妖精の粉は、今回すべて使い切ってしまった。
そうでもしないと本当にサーヤが壊れかねないくらい、セポルの効果は強かったという事だ。
これでサーヤが妊娠したかどうかはわからないが、子ができていてもできていなくてもどちらでも良い。
これからもサーヤや双子達とまだまだ一緒にいられる約束ができただけでも、俺は満足だった。
「サーヤ、身体が大丈夫ならばあの秘薬も使って良いか?」
「あの秘薬って・・・エルが言ってた“命を共有する”っていう秘薬?」
「あぁ。・・・今更嫌だと言うのは許さんぞ」
「ふふっ、そんな事言わないよ。むしろ、エルや皆と一緒にいられる時間が増えるんだって思うと今はすごく嬉しい!・・・ありがとう、エル」
「!!!」
セイルの言った通りの台詞を笑顔で言うサーヤには、迷う様子はまったくなかった。
・・・やっと、サーヤのすべてが俺のモノになる。
そして、俺のすべてがサーヤのモノになる。
「サーヤ、これを飲んでくれ」
「・・・はい」
小瓶に入った秘薬を、素直にコクン、コクン、とサーヤが飲み始める。
身体に害のあるモノはないはずだし、古い文献にも相手の身体に影響を与えるような記載はなかったから、サーヤが苦しむようなことはないはずだ。
「・・・サーヤ・・・」
「・・・エル・・・」
秘薬を飲み干したサーヤに優しく口づけながら、“これから共にする命を何があっても護り抜く”と心の中で誓っていると、心臓がドクンっと強く脈を打ち温かく包まれるような感覚があった。
これは、サーヤの魔力か・・・――――――?
「・・・温かい。なんとなくエルの魔力に包まれてる気がする」
「あぁ、俺もお前の魔力に包まれてる気がする・・・俺達の命が繋がった、という事だろうな」
「ふふっ、まだ実感がわかないけどね。でも嬉しい」
嬉しそうに抱きついて甘えてくるサーヤが愛おしくて、さっきまでアレだけ抱いたのにまた身体が熱くなってきた。
我ながらサーヤへの欲望は尽きる事がないのかと辟易しそうになる。
「セイルからの連絡だと、明日の昼に双子達が帰ってくるんだったな」
「うん。セイルが言うにはレオンもサクラもエルフの里の人達にすごく可愛がられてたみたい。どんな風に過ごしたのか聞くの楽しみだね♪」
「そうだな・・・だが、その前に・・・」
俺の熱が伝わるようサーヤを抱きしめる腕を強め、それに気づいたサーヤの言葉を遮り耳元で誘うように囁いた。
「!!!・・・ぁ、え?エル、コレって・・・」
「もう少しの間、俺だけのサーヤでいてくれ・・・」
「ぅ、あぅ・・・は、い・・・」
こうして俺達は、新婚初夜から数日で本当の意味で心も身体も命までも繋がり、双子達が帰ってくるギリギリまで濃密で幸せな時間を過ごす事ができた。
だが、双子達と共に顔を出したセイルから、“少し早い懐妊祝い”と称して新しい妖精の粉をもらった時は、どこまでセイルに先読みされているのかと少しだけ戦慄した。
「・・・サーヤ・・・」
「ん、エル・・・」
風呂から上がり、乾燥魔法をかけてサーヤの元へ戻ると嫌な予感は的中していた。
サイドテーブルに置いたトレーには、セイルからもらった薬と癒しの水を混ぜたモノを濃度別に分けて置いておいた。
無色からだんだん紫色が少しずつ深まり、紫が濃いものほど濃度も高い。
濃度を分けたのには理由があった。
「んぁ、エル・・・身体、熱ぃ・・・助けてぇ・・・」
薬には強い催淫効果があったのだ。
個人差はあるようだが妊娠しやすくするために、子を宿す子宮が少し降りてくるらしい。
恐らく普段サーヤが一番感じている最奥がそこなのだろう。
だが、アレクの手紙には強すぎる快感は痛みを伴うらしく、身体にも良くないので優しく段階を踏んで・・・と書いてあった。
・・・あいつはいったいどこまでナニを試したのだ。
聞く気はないが、指摘内容が具体的過ぎやしないだろうか・・・
ベッドの上でバスローブをはだけさせ、自分で触れてみたのか先ほどより濡れているサーヤの秘所。
果実水と勘違いでもしたのか、よりによってサーヤは段階に分けたセポルの一番濃いグラスを空にしたようだ。
「どうした、熱いというがどこがどのように苦しいのだ?」
俺は何も知らないフリをしてギシっとサーヤのそばに座り、まずは額に触れて熱を測った。
「・・・っぁ、んんっ」
「確かに熱いな。他に苦しい所はあるか?」
「ぁ、ぁう・・・」
少し触れるだけで、艶っぽい声をあげながらピクン、ピクンっと反応するサーヤの身体。
敏感な場所に触れたらどうなるのか確認したくなるのは仕方ないだろう。
スルっとバスローブの隙間から手を差し入れて、サーヤの胸を軽く揉んでみた。
「あぁぁっ、やぁぁぁぁっ」
「・・・コレだけで達したのか?」
胸に触れるだけで達するなど、この後の行為が大丈夫なのかと逆に心配になってくる。
一度妖精の粉を舐めさせて熱が引くまで待った方が良いか・・・?
「はぁっ、エル・・・あたしの身体、変なの。怖い・・・でも、もっと触って欲しぃ・・・」
「・・・っ」
こっちは冷静に対処しようとしているのに、このバカは俺の理性を崩しにかかってくる。
薬による催淫効果でこうなったのはわかっているが、蕩けきった顔で俺を求めてくる顔を見るとこのまますぐにでも挿入れたい衝動が俺を襲う。
なけなしの理性で、まずは指を挿入れてサーヤの感度を確認する。
「初夜で壊してしまうかもしれない」と言ったが、このような形で壊す事など望んでいない。
少しでも熱が冷めれば良いと、癒しの水を口移しで与えながらサーヤの蜜が溢れている蜜壺へ指を滑り込ませる。
挿入れた瞬間ビクンっと反応した後、きゅうきゅうと締め付けてくるあたりまた達してしまったのだろう。
身体を震わせながらも、上の口では俺の舌をあむあむと必死に甘噛みしながら絡め、下の口では俺の指を離すまいと収縮を繰り返す。
そして、止めどなく溢れる蜜が潤滑油となり、奥へ奥へと指を誘う。
いつもより指を少し奥に挿入した時、何か突き当りにぶつかったような感触がしたと思ったら、サーヤが今まで以上に強く反応した。
「っあぁぁぁぁぁぁっ、~~~~~~~~~~~~っ」
俺に抱きつきながら、ビクンッ、ビクンッと身体を震わせ、心なしか鼻をすする音まで聞こえてきた。
・・・まさか、泣いているのか?
「サーヤ、お前泣いて・・・」
「うぅ・・・あたしの身体、どうなっちゃったの?・・・ッグズ、気持ち良いけど怖い・・・怖いのに、もっと欲しくておかしくなりそう・・・」
「・・・それは、お前がさっき飲んだ薬のせいだ。まったく、勝手に飲みおって・・・バカめ」
「あれって、果実水じゃなかったの?色が綺麗だったから・・・んんっ」
やはり果実水と思っていたようだ・・・
俺は妖精の粉を少し口に含み、サーヤに口移しで舐めさせた。
まだ身体の火照りはあるようだが、少し落ち着いたらしい。
「薬って・・・もしかしてセイルが持ってきた妊娠しやすくなる薬?」
「あぁ。アレクからの注意書きに強い催淫効果があるから少しずつ濃度を上げて調整するよう書いてあったのに、お前は一番濃度の高いモノをいきなり飲みおって・・・」
「・・・だって、知らなかったんだもの」
「だったら俺に聞くなりすれば良かっただろう?ちゃんと癒しの水だって置いてあるのに、なぜよりによってアレを飲んだのだ?」
「・・・間違っちゃったの。わざとじゃないもん・・・」
「は?間違えた??」
どうやら俺が風呂に入っている間、この後の情事を嫌でも想像してしまい恥ずかしくなったサーヤは、気持ちを落ち着かせるために癒しの水を飲もうとしたらしい。
だが、グラスに注いだ後もその想像が消えず、慌てて手に取って飲んだモノが近くにあった薬入りのグラスだったらしく、飲み終えてから間違えた事に気付いたようだ。
・・・なんともサーヤらしいというかなんというか・・・
「・・・俺にどういう事をされると想像したのだ?何をされて恥ずかしかった?」
「!!!・・・いや、それは、その・・・」
妖精の粉で先程よりは落ち着いたサーヤとは反対に、さんざん煽られた俺の方が我慢の限界だった。
「俺は今すぐにでもお前のナカに挿入ってめちゃくちゃにしたい・・・」
「!!!!・・・ぁ、んんっ」
すでに蜜が溢れてドロドロになっているサーヤの蜜壺に、熱くて今にもはち切れそうな俺のモノを押し当てると、ゆっくりと吸い込まれるようにサーヤのナカへと飲み込まれていく。
「・・・はぁっ、エルになら、めちゃくちゃくにされても良いよ・・・いっぱい、愛して?」
「・・・っ、お、前はホントに・・・っ」
「きゃっ、ぁぁっ、待って待って!いきなりそんな・・・ぅあっ、やっ、それ深っ、ぁんっ、ダメ、許し・・・やぁぁぁっ」
ただでさえ溶かされそうなくらい熱いサーヤのナカで、いつもより浅い場所にある大事な場所を傷つけないよう優しくするつもりだったのに、自らトドメを刺してきたサーヤによって俺の理性は完全に崩壊し、結局サーヤを抱き潰してしまった。
・・・妖精の粉を使ってもコレなら、この薬が一般に流通できないのは仕方ないだろう。
◇
「・・・はぁ、死ぬかと思った・・・」
新婚初夜から数日の蜜月にはそぐわない言葉をサーヤが発したのは、双子達が両親の元から帰ってくる前夜、遅めの夕食を取っている時だった。
今は魔法袋から作り置きのキッシュやデザートを出し、二人でシーツにくるまった状態でベッドの上で食事をしていた。
丸1日経過している事もあり、ようやく薬の効果は切れたようだ。
「お前が散々煽ってくるからではないか、自業自得だ。それに俺だってなるべく加減したり妖精の粉を使って回復させたりしてやっただろう?」
「嘘だっ、アレは加減してたって言わないよ!しかもコレで妖精の粉全部使い切っちゃったんでしょ?・・・はぁ、貴重なモノなのに最後まで正しく使えなかった・・・妖精さんに申し訳なさすぎる」
「・・・元はお前が一番濃度の高い薬を間違って飲んだ事が原因ではないか」
「うぐっ・・・そうでした。ごめんなさい・・・」
サーヤを回復させながら使っていた妖精の粉は、今回すべて使い切ってしまった。
そうでもしないと本当にサーヤが壊れかねないくらい、セポルの効果は強かったという事だ。
これでサーヤが妊娠したかどうかはわからないが、子ができていてもできていなくてもどちらでも良い。
これからもサーヤや双子達とまだまだ一緒にいられる約束ができただけでも、俺は満足だった。
「サーヤ、身体が大丈夫ならばあの秘薬も使って良いか?」
「あの秘薬って・・・エルが言ってた“命を共有する”っていう秘薬?」
「あぁ。・・・今更嫌だと言うのは許さんぞ」
「ふふっ、そんな事言わないよ。むしろ、エルや皆と一緒にいられる時間が増えるんだって思うと今はすごく嬉しい!・・・ありがとう、エル」
「!!!」
セイルの言った通りの台詞を笑顔で言うサーヤには、迷う様子はまったくなかった。
・・・やっと、サーヤのすべてが俺のモノになる。
そして、俺のすべてがサーヤのモノになる。
「サーヤ、これを飲んでくれ」
「・・・はい」
小瓶に入った秘薬を、素直にコクン、コクン、とサーヤが飲み始める。
身体に害のあるモノはないはずだし、古い文献にも相手の身体に影響を与えるような記載はなかったから、サーヤが苦しむようなことはないはずだ。
「・・・サーヤ・・・」
「・・・エル・・・」
秘薬を飲み干したサーヤに優しく口づけながら、“これから共にする命を何があっても護り抜く”と心の中で誓っていると、心臓がドクンっと強く脈を打ち温かく包まれるような感覚があった。
これは、サーヤの魔力か・・・――――――?
「・・・温かい。なんとなくエルの魔力に包まれてる気がする」
「あぁ、俺もお前の魔力に包まれてる気がする・・・俺達の命が繋がった、という事だろうな」
「ふふっ、まだ実感がわかないけどね。でも嬉しい」
嬉しそうに抱きついて甘えてくるサーヤが愛おしくて、さっきまでアレだけ抱いたのにまた身体が熱くなってきた。
我ながらサーヤへの欲望は尽きる事がないのかと辟易しそうになる。
「セイルからの連絡だと、明日の昼に双子達が帰ってくるんだったな」
「うん。セイルが言うにはレオンもサクラもエルフの里の人達にすごく可愛がられてたみたい。どんな風に過ごしたのか聞くの楽しみだね♪」
「そうだな・・・だが、その前に・・・」
俺の熱が伝わるようサーヤを抱きしめる腕を強め、それに気づいたサーヤの言葉を遮り耳元で誘うように囁いた。
「!!!・・・ぁ、え?エル、コレって・・・」
「もう少しの間、俺だけのサーヤでいてくれ・・・」
「ぅ、あぅ・・・は、い・・・」
こうして俺達は、新婚初夜から数日で本当の意味で心も身体も命までも繋がり、双子達が帰ってくるギリギリまで濃密で幸せな時間を過ごす事ができた。
だが、双子達と共に顔を出したセイルから、“少し早い懐妊祝い”と称して新しい妖精の粉をもらった時は、どこまでセイルに先読みされているのかと少しだけ戦慄した。
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