79 / 90
オマケの続きの番外編
イメルダ・チャースティン
しおりを挟む
お父様は貿易関連に投資しているので、商人から他国の話をよく(イヤイヤ)聞いていた。
その時に聞いた話を思い出し、閃いた瞬間私は神に後押しされているんだと自覚する。
私は目的の為にオルフレッド様の婚約者であるカトリーヌ・シェリンダー伯爵令嬢と仲良くなり、距離を縮めていった。
誕生日には私と色違いのドレスを贈り、普段着る洋服にケーキ、絵画など沢山の贈り物をした。
周囲からはとても仲の良い二人に見えたに違いない。
カトリーヌ様がランクーベ公爵の領地に招待されたと私に報告してきたが、話の流れからしてきっと、オルフレッド様が私にも来てほしいと望んだのだろう。
そうとは知らず令嬢は私にその話をした。
令嬢は鈍感な所がありなかなか私を誘おうとはしないので、私自ら「私もランクーベ公爵の領地を見学させてほしいわ」と願い出た。
令嬢の驚いた表情を見て、オルフレッド様の意思を気付かないふりをしたのではなく本気で理解できていなかったのを知る。
そのぐらい鈍感だがら侯爵令嬢の私を差し置いて伯爵令嬢が公爵家に嫁ぐ事になんの疑問も持たなかったのだろう。
私も一緒にランクーベ公爵の領地に向かった。
いずれ私がランクーベ公爵夫人になるんだが未だ書類上は違うので、周囲が誤解しないよう、オルフレッド様の今の婚約者はこちらの伯爵令嬢よ、と態度で示した。
オルフレッド様も、私を見て少し驚いたのは私も一緒に訪れるとは思っていなかったからだろう。カトリーヌ様と話しても鈍感な令嬢はオルフレッド様の意図を汲み取れなかったので諦めたが、聡明な私が汲み取った。オルフレッド様は表情を崩さなかったが、きっと顔が綻ぶのを耐えているのね。
使用人達もオルフレッド様の対応や伯爵令嬢と侯爵令嬢の気品の違いを目の当たりにし、どちらに仕えたいのか瞬時に判断したのを彼らの表情から伝わる。流石は公爵家の雇う使用人、判断能力が違うわね。いずれ私が貴方達の本当の女主人になると顔見せ出来たので、私は有意義に領地訪問を終えた。
結婚適齢期に近付くと私は子供の話を沢山し、カトリーヌ令嬢には結婚もしてないのに赤ちゃんの玩具まで用意した。受け取った令嬢は「気が早いよ」と言っていたがとても喜び、私はそんな令嬢を見て堪らなく幸せを感じている。
侯爵令嬢の私が伯爵令嬢に話を合わせてあげていると言うのに、令嬢ときたら不快な話をし持ち出す。
「イメルダ様は婚約なさらないのですか?」
伯爵が私の婚約相手を奪った事実を知らない能天気女。
私は高貴な侯爵令嬢、伯爵令嬢とは受けてきた教育も何もかも違う。完璧な淑女の私は常に笑顔を心掛けているので、どんなに不快だと感じる質問においても顔には出さない。
「私も婚約しなければいけないんだけど、少し不安があるの」
「どうしたの?」
「お母様から何度も聞かされる話があるの。「貴族令嬢は子供を産まなければ認められない、当主の血筋を途絶えさせるわけにはいかないのよ」って…」
「そうなの?」
「相手の爵位が高ければ高いほど重責だと…」
「…そう…よね…」
「あっ、ごめんなさい。こんな話を…」
「いえ、私にも大切な話だったわ」
「そうよね、カトリーヌ様は…ランクーベ公爵に嫁ぐんだものね…」
「…えぇ」
私は令嬢の反応を見るのが最近では楽しくて仕方がなく、満面の笑みを抑える事が出来なくなりだしてきていた。
令嬢は私に告白するのだろうか、果たしてそれはいつなのか…
「そうだ、これを貰ってほしいの」
そして、私は今日も令嬢に本を贈る。
「わぁ、ありがとう。ねぇ、イメルダ様はどうしていつもこの色の物を贈ってくれるの?」
「…その色がカトリーヌ様にとてもよく似合っているからよ」
「そう?ふふ、ありがとう」
「友達だもの」
「ねぇ、この色は何て言う色なの?」
「ん?それはね…パリスグリーンという高貴な色よ」
その時に聞いた話を思い出し、閃いた瞬間私は神に後押しされているんだと自覚する。
私は目的の為にオルフレッド様の婚約者であるカトリーヌ・シェリンダー伯爵令嬢と仲良くなり、距離を縮めていった。
誕生日には私と色違いのドレスを贈り、普段着る洋服にケーキ、絵画など沢山の贈り物をした。
周囲からはとても仲の良い二人に見えたに違いない。
カトリーヌ様がランクーベ公爵の領地に招待されたと私に報告してきたが、話の流れからしてきっと、オルフレッド様が私にも来てほしいと望んだのだろう。
そうとは知らず令嬢は私にその話をした。
令嬢は鈍感な所がありなかなか私を誘おうとはしないので、私自ら「私もランクーベ公爵の領地を見学させてほしいわ」と願い出た。
令嬢の驚いた表情を見て、オルフレッド様の意思を気付かないふりをしたのではなく本気で理解できていなかったのを知る。
そのぐらい鈍感だがら侯爵令嬢の私を差し置いて伯爵令嬢が公爵家に嫁ぐ事になんの疑問も持たなかったのだろう。
私も一緒にランクーベ公爵の領地に向かった。
いずれ私がランクーベ公爵夫人になるんだが未だ書類上は違うので、周囲が誤解しないよう、オルフレッド様の今の婚約者はこちらの伯爵令嬢よ、と態度で示した。
オルフレッド様も、私を見て少し驚いたのは私も一緒に訪れるとは思っていなかったからだろう。カトリーヌ様と話しても鈍感な令嬢はオルフレッド様の意図を汲み取れなかったので諦めたが、聡明な私が汲み取った。オルフレッド様は表情を崩さなかったが、きっと顔が綻ぶのを耐えているのね。
使用人達もオルフレッド様の対応や伯爵令嬢と侯爵令嬢の気品の違いを目の当たりにし、どちらに仕えたいのか瞬時に判断したのを彼らの表情から伝わる。流石は公爵家の雇う使用人、判断能力が違うわね。いずれ私が貴方達の本当の女主人になると顔見せ出来たので、私は有意義に領地訪問を終えた。
結婚適齢期に近付くと私は子供の話を沢山し、カトリーヌ令嬢には結婚もしてないのに赤ちゃんの玩具まで用意した。受け取った令嬢は「気が早いよ」と言っていたがとても喜び、私はそんな令嬢を見て堪らなく幸せを感じている。
侯爵令嬢の私が伯爵令嬢に話を合わせてあげていると言うのに、令嬢ときたら不快な話をし持ち出す。
「イメルダ様は婚約なさらないのですか?」
伯爵が私の婚約相手を奪った事実を知らない能天気女。
私は高貴な侯爵令嬢、伯爵令嬢とは受けてきた教育も何もかも違う。完璧な淑女の私は常に笑顔を心掛けているので、どんなに不快だと感じる質問においても顔には出さない。
「私も婚約しなければいけないんだけど、少し不安があるの」
「どうしたの?」
「お母様から何度も聞かされる話があるの。「貴族令嬢は子供を産まなければ認められない、当主の血筋を途絶えさせるわけにはいかないのよ」って…」
「そうなの?」
「相手の爵位が高ければ高いほど重責だと…」
「…そう…よね…」
「あっ、ごめんなさい。こんな話を…」
「いえ、私にも大切な話だったわ」
「そうよね、カトリーヌ様は…ランクーベ公爵に嫁ぐんだものね…」
「…えぇ」
私は令嬢の反応を見るのが最近では楽しくて仕方がなく、満面の笑みを抑える事が出来なくなりだしてきていた。
令嬢は私に告白するのだろうか、果たしてそれはいつなのか…
「そうだ、これを貰ってほしいの」
そして、私は今日も令嬢に本を贈る。
「わぁ、ありがとう。ねぇ、イメルダ様はどうしていつもこの色の物を贈ってくれるの?」
「…その色がカトリーヌ様にとてもよく似合っているからよ」
「そう?ふふ、ありがとう」
「友達だもの」
「ねぇ、この色は何て言う色なの?」
「ん?それはね…パリスグリーンという高貴な色よ」
応援ありがとうございます!
96
お気に入りに追加
6,388
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。