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第555話 ダンジョンアタックの合間の休息
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六階層に入った。
「典型的と言っていいのか、洞窟タイプのダンジョンってところか、六から十階で出てくる魔物は、亜人系の弱い所や獣系の弱い所って、言ってたっけな? 後は昆虫系もたまに出てくるみたいな話だったか。みんな、索敵には力を入れておくように。
低Lvの魔物だから誤魔化される事は無いだろうけど、特に昆虫系の気殺は、全く分からない事もあるから不意打ちにも気をつけよう。違和感があったら声を出してみんなで確認していこう」
入ったばかりのダンジョンだが、五階毎に帰れることが分かったので、手を抜かずに索敵にも力を入れる方針だ。他にも野営の時は、コンテナつくりの休む場所を作るが、交代で見張りをする事にしているので、とばしすぎないようにも注意している。
六から十階までは、たいした事は無かった。新人冒険者も少なく、人の数も少なかった。何せ出会ったパーティーの数は、三つだけだった。ガーディアンも通常のオークで面白みも無く終了した。その時に従魔も含めて、カードが噴き出したのが笑えたけどな。これから五階毎にこの光景を見れるのだろう。
六から十階を踏破するのに、一日半しかかからなかった。何というか、ちょっとズルをした感じがするけど問題ないよな。このダンジョンの五十階までは地図が販売されているらしく、途中であったパーティーに話を聞いて愕然とした位だ。
食事をおごったら地図をくれたので、地図の値段分のお金はもちろん握らせておいた。
このおかげで、一日半で攻略する事が出来た。もらった地図を見る限り、気持ち小さくなっている感じがするので、探索時間は問題ないかな? 多分問題になってくるのは、六十六階を超えたあたりにある、マグマ地帯だろうか?
シングルの冒険者たちは、装備というか魔道具で防いでいたそうだ。熱に対する魔道具の生産が一時期増えたそうだが、その階層に到着できる者も、魔石もかなりの量を使うため、死蔵している魔道具屋があるらしい。
この情報は、十四階層を攻略時に出会った、俺と同じ年代の冒険者グループで、男パーティーと女パーティーが合同でアイテムを収集しに来ていた、彼ら彼女らから仕入れた物である。
十一から十五階は、このダンジョンでは珍しくない、フロアの壁を取り払って一つの部屋で階層が構成されている、森林のダンジョンだ。
男パーティーは六人で、普段は三十階あたりで活動しているのだが、採取依頼でこの階層に来ることになったそうだ。女パーティーは八人で、普段からこの辺で活動しているパーティーで、今日はこの階層に住んでいるミツバチの作る、ハチミツをとりに来ているそうだ。
自分たちで食べても美味しいし、依頼がなくても常に需要がある物なので、損がないとの事だ。
このパーティーが一緒にこの階に来ているのは……まぁナンパだったようだ。しかも女パーティーからのお誘いだったらしい。護衛も兼ねて共同でもぐって来たんだろうな。
このドーンボーンでは珍しい事ではなく、よくあるそうだ。そこから気の合う仲間が出来て、男女のパーティーになったり、恋人に発展したりする事もあるそうだ。
ドーンボーンはダンジョンで維持している街なだけあり、冒険者の数がやたらと多いそうだ。人口の三分の一は、冒険者として活動しているのだから驚きだ。ディストピアやゴーストタウンを除いて、他の街で冒険者は多くても四パーセント程しかいないので、人数を考えると馬鹿にならないくらい多い。
ボリュームゾーンは、二十から四十階だとの事、魔物のランクとしてはEからDあたりの魔物が多いそうだ。今までの階で遭遇するのが少なかっただけで、各階層で二十以上のパーティーが活動しているはずだとさ。
ボリュームゾーンの二十から四十階だと、一階層に百数十パーティーはいるそうだ。このダンジョンってかなり広いのな。
階層が下に行く毎に多少小さくなっているとはいえ、街自体の大きさが単純に直径十キロメートルもある大きな街なので、単純にダンジョンにそれだけいても遭遇率が低いのだろう。
夕方から潜る夜型の魔物を中心に相手をする冒険者もいるし、毎日ダンジョンに潜るわけでもないし、冒険者と掛け持ちで違う仕事をしているのもいるので、冒険者の総数にすると二十万近い人数がいると言われている。
確か三分の一だってことは、この街に六十万人近くも人がいる事になるな。これじゃ小国って言えなくねえか? 大国とかに比べれば、全体的な数は少ないにしても……大国の首都より、人口が多いぞ。
初めの一週間で二十階層まで、潜る事が出来た。予定していた倍の速度で進むことが出来ている。やはり広い迷宮とはいえ、地図があれば魔物のランクも低いし踏破はたやすいようだ。
一週間潜りっぱなしだったので、八日目はダンジョンアタックを中止して、休日にあてている。地上に帰れるとわかれば、緊張の無い状態で休みたくなるのは、人の性だと思うんだ。二ヶ月くらいは潜る予定だったのに、現金な事このうえないな。
潜っている一週間で、商会の支店は完成している。商品の置ける場所も準備できており、後は商品を陳列するだけで、商売が始められるらしい。
一階が食品売り場、二階以上は各階専用の外階段から入る形になっており、二階がレストランなっており、三階が冒険者用の消耗品、四階が武器防具が陳列されるよていだそうだ。武器を陳列するフロアには、リビングアーマーを数体配置している。安全対策だ。
他にも商会専門の護衛役が欲しいと言われたので、ドッペルゲンガーを五体配置している。他の街より何故多いのかというと、単なる気分だ。マスコット的な立ち位置として、スモールキャットという魔物を召喚している。
スモールといっても、普通の猫位大きいのだから、どこがスモールなのだと思うけどな。もちろん魔物なので能力向上や爪撃、噛みつき等のスキルを軒並みLv十にしている。凶悪なマスコットの完成、ちなみに三幼女と悪ノリして、十匹ほど召喚しておいた。
もう隣接している建物を買い取りできるように、ドーンボーンの偉い人が手を回してくれたので、ありがたく買い取っている。多少高くなったけど問題なし。
建物はちょっとぼろくなっており、さすがにリフォームするには手間がかかりそうだったので、解体をサクッとして、こちらの孤児院や治療院の建物は、ドーンボーンの大工を頼んで作ってもらう予定だ。
それをやっても、本来使う予定だったお金の七割程までしか消費していなかったので、余ったお金は孤児院や治療院のために使うように命令をしておく。
あまり休んだ気がしないけど、潜りっぱなしじゃないから気が楽でよかった。明日からは、ボリュームゾーンの二十階以上に足を踏み入れることになるな。どれだけのパーティーに遭遇するんだろうか?
「典型的と言っていいのか、洞窟タイプのダンジョンってところか、六から十階で出てくる魔物は、亜人系の弱い所や獣系の弱い所って、言ってたっけな? 後は昆虫系もたまに出てくるみたいな話だったか。みんな、索敵には力を入れておくように。
低Lvの魔物だから誤魔化される事は無いだろうけど、特に昆虫系の気殺は、全く分からない事もあるから不意打ちにも気をつけよう。違和感があったら声を出してみんなで確認していこう」
入ったばかりのダンジョンだが、五階毎に帰れることが分かったので、手を抜かずに索敵にも力を入れる方針だ。他にも野営の時は、コンテナつくりの休む場所を作るが、交代で見張りをする事にしているので、とばしすぎないようにも注意している。
六から十階までは、たいした事は無かった。新人冒険者も少なく、人の数も少なかった。何せ出会ったパーティーの数は、三つだけだった。ガーディアンも通常のオークで面白みも無く終了した。その時に従魔も含めて、カードが噴き出したのが笑えたけどな。これから五階毎にこの光景を見れるのだろう。
六から十階を踏破するのに、一日半しかかからなかった。何というか、ちょっとズルをした感じがするけど問題ないよな。このダンジョンの五十階までは地図が販売されているらしく、途中であったパーティーに話を聞いて愕然とした位だ。
食事をおごったら地図をくれたので、地図の値段分のお金はもちろん握らせておいた。
このおかげで、一日半で攻略する事が出来た。もらった地図を見る限り、気持ち小さくなっている感じがするので、探索時間は問題ないかな? 多分問題になってくるのは、六十六階を超えたあたりにある、マグマ地帯だろうか?
シングルの冒険者たちは、装備というか魔道具で防いでいたそうだ。熱に対する魔道具の生産が一時期増えたそうだが、その階層に到着できる者も、魔石もかなりの量を使うため、死蔵している魔道具屋があるらしい。
この情報は、十四階層を攻略時に出会った、俺と同じ年代の冒険者グループで、男パーティーと女パーティーが合同でアイテムを収集しに来ていた、彼ら彼女らから仕入れた物である。
十一から十五階は、このダンジョンでは珍しくない、フロアの壁を取り払って一つの部屋で階層が構成されている、森林のダンジョンだ。
男パーティーは六人で、普段は三十階あたりで活動しているのだが、採取依頼でこの階層に来ることになったそうだ。女パーティーは八人で、普段からこの辺で活動しているパーティーで、今日はこの階層に住んでいるミツバチの作る、ハチミツをとりに来ているそうだ。
自分たちで食べても美味しいし、依頼がなくても常に需要がある物なので、損がないとの事だ。
このパーティーが一緒にこの階に来ているのは……まぁナンパだったようだ。しかも女パーティーからのお誘いだったらしい。護衛も兼ねて共同でもぐって来たんだろうな。
このドーンボーンでは珍しい事ではなく、よくあるそうだ。そこから気の合う仲間が出来て、男女のパーティーになったり、恋人に発展したりする事もあるそうだ。
ドーンボーンはダンジョンで維持している街なだけあり、冒険者の数がやたらと多いそうだ。人口の三分の一は、冒険者として活動しているのだから驚きだ。ディストピアやゴーストタウンを除いて、他の街で冒険者は多くても四パーセント程しかいないので、人数を考えると馬鹿にならないくらい多い。
ボリュームゾーンは、二十から四十階だとの事、魔物のランクとしてはEからDあたりの魔物が多いそうだ。今までの階で遭遇するのが少なかっただけで、各階層で二十以上のパーティーが活動しているはずだとさ。
ボリュームゾーンの二十から四十階だと、一階層に百数十パーティーはいるそうだ。このダンジョンってかなり広いのな。
階層が下に行く毎に多少小さくなっているとはいえ、街自体の大きさが単純に直径十キロメートルもある大きな街なので、単純にダンジョンにそれだけいても遭遇率が低いのだろう。
夕方から潜る夜型の魔物を中心に相手をする冒険者もいるし、毎日ダンジョンに潜るわけでもないし、冒険者と掛け持ちで違う仕事をしているのもいるので、冒険者の総数にすると二十万近い人数がいると言われている。
確か三分の一だってことは、この街に六十万人近くも人がいる事になるな。これじゃ小国って言えなくねえか? 大国とかに比べれば、全体的な数は少ないにしても……大国の首都より、人口が多いぞ。
初めの一週間で二十階層まで、潜る事が出来た。予定していた倍の速度で進むことが出来ている。やはり広い迷宮とはいえ、地図があれば魔物のランクも低いし踏破はたやすいようだ。
一週間潜りっぱなしだったので、八日目はダンジョンアタックを中止して、休日にあてている。地上に帰れるとわかれば、緊張の無い状態で休みたくなるのは、人の性だと思うんだ。二ヶ月くらいは潜る予定だったのに、現金な事このうえないな。
潜っている一週間で、商会の支店は完成している。商品の置ける場所も準備できており、後は商品を陳列するだけで、商売が始められるらしい。
一階が食品売り場、二階以上は各階専用の外階段から入る形になっており、二階がレストランなっており、三階が冒険者用の消耗品、四階が武器防具が陳列されるよていだそうだ。武器を陳列するフロアには、リビングアーマーを数体配置している。安全対策だ。
他にも商会専門の護衛役が欲しいと言われたので、ドッペルゲンガーを五体配置している。他の街より何故多いのかというと、単なる気分だ。マスコット的な立ち位置として、スモールキャットという魔物を召喚している。
スモールといっても、普通の猫位大きいのだから、どこがスモールなのだと思うけどな。もちろん魔物なので能力向上や爪撃、噛みつき等のスキルを軒並みLv十にしている。凶悪なマスコットの完成、ちなみに三幼女と悪ノリして、十匹ほど召喚しておいた。
もう隣接している建物を買い取りできるように、ドーンボーンの偉い人が手を回してくれたので、ありがたく買い取っている。多少高くなったけど問題なし。
建物はちょっとぼろくなっており、さすがにリフォームするには手間がかかりそうだったので、解体をサクッとして、こちらの孤児院や治療院の建物は、ドーンボーンの大工を頼んで作ってもらう予定だ。
それをやっても、本来使う予定だったお金の七割程までしか消費していなかったので、余ったお金は孤児院や治療院のために使うように命令をしておく。
あまり休んだ気がしないけど、潜りっぱなしじゃないから気が楽でよかった。明日からは、ボリュームゾーンの二十階以上に足を踏み入れることになるな。どれだけのパーティーに遭遇するんだろうか?
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