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第5章 新たな試練
第101話 逢引
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「なるほどねー。ドワーフの国かぁ。お兄さんも大変だねー……あ、すみませーん! これ下げて貰っても良いですかー?」
「それに加えて、獣人族の村ねぇ。しかも貴方、まだ手がかりが無いのよね? ……店員さん、これおかわりくださーい!」
「にーに。おいしー!」
マーガレットとアタランテ、それからご飯の匂いで起きたユーリヤが食事を、ニーナとジェーンが甘い物を食べながら話をしているのだが……しかし、よく食べるな。
特にユーリヤは寝て食べて……って、大丈夫か?
「アタランテは獣人族がどういう所に住んでいるのかは知らないんだよな?」
「分からないよ。だって私は、人間だもの。ただ、ちょーっと神様に怒られて、ライオンにされちゃったけど」
アタランテは見た目も身体能力も完全に獣人族なんだけど、元々獣人族として生まれた訳ではないから分からないと。
困った。
獣人族の村については、ちょっとアタランテに期待していたのだが。
「マーガレットは何か知らないか?」
「んー、確かドワーフって鉱山の近く、というか鉱物が沢山採れる場所の近くに住むんでしょ? 魔法とかで、鉱物が沢山ある場所とか分からないかなー?」
「なるほど。確かに、鉱山から鉱山へ移動する種族だって言っていたな。鉱物の場所を知る事が出来たら、ドワーフの国の発見に役立つかもしれない」
(アオイ。魔法で鉱物が沢山ある場所を調べたり出来ないか?)
『うーん。私は出来ませんが、可能性があるとしたら精霊魔法ではないでしょうか』
(精霊魔法か。精霊魔法と言えばルミだな。エルフの村へ行ってみるか)
『でも、エルフとドワーフって仲が悪いというのが定番ではないですか? 私はドワーフに知り合いが居ないので、正確な所は分かりませんが』
(そうなのか。まぁとりあえずルミに聞いてみるか)
ちらっとユーリヤを見てみると、アタランテと共におかわりしたご飯を笑顔で食べている。
食べ過ぎだとは思うが、機嫌が良いので今がチャンスかもしれない。
「ユーリヤ。ちょっとだけ、席を外しても良いか?」
「にーに。どこかいくのー?」
「あぁ、エルフの村へ行ってくるよ。でも、すぐ帰ってくるからさ」
「わかったー。いってらっしゃーい」
おぉ、食べ物が沢山あるとユーリヤがぐずらない。
これから学校へ行くときも、食料を大量に用意してから行こうか……いや、学校は時間が長いから無理か。
ユーリヤが食料を食べきった後、大惨事に成りかねないしな。
「じゃあ、行ってくる。……テレポート」
エルフの村へ瞬間移動し、ルミの家へ。
ノックをすると、中から人妻エロエルフ、リリヤさんが現れた。
……相変わらず、露出が激しくてグッドだ。
「あら、魔術師さん。さぁ、どうぞ。中へ入って」
「あ、いえ。今は本当に時間が無くて……ルミちゃんは居ますか?」
「まぁ、ルミを入れて三人でしたいんですね? ルミなら長老様の所へ行っていて、そのうち帰ってくると思うから、先ずは私たちで楽しみましょう」
そう言って、リリヤさんが俺の手を両手で握り、胸の谷間を見せつけるようにして迫ってくる。
三人で……は、さておき、俺もリリヤさんと楽しみたい。というか、いろいろ教わりたい。教わりたいのだが、
「ほ、本当にごめんなさい。俺もリリヤさんと一緒に居たいんですが、今は本当に時間が無いんですよ」
本気で涙目になりながら家を後にした。
早く帰らないと、ユーリヤが暴走して町が壊れる可能性がゼロではない。
……今度ユーリヤも一緒に連れてきて、ルミにユーリヤを見てもらっている間にリリヤさんとイチャイチャしてはどうだろうか。
けど、どれくらい時間を要するものなのかが、未経験故に分からない。
ルミがどれくらいユーリヤの事を見ていられるだろうか……と真剣に考えている内に、エルフの長老であるサロモンさんの家へ着く。
「失礼します。ルミちゃんは居ますか?」
「あー、お兄ちゃーん! ルミに会いに来てくれたのー?」
「あぁ、ちょっと相談したい事があってな」
「分かったー。ちょっと待っててねー……お爺ちゃん、ちょっとだけ出てくるねー」
テケテケと小走りで駆け寄ってきたルミに連れられ、家から少し離れた森の中へ。
少し大きな樹の傍で、家から見えない場所へ来ると、唐突にルミが両手を上げる。
「ふふっ。はい、お兄ちゃん。抱っこしてー」
「……なんで、抱っこ?」
「え? だって身長さがありすぎて、このままじゃチュー出来ないよ?」
「いや、チューって何の話だよ」
「え? 逢引じゃないの?」
逢引って、ルミは意味を分かっているのか?
というか、どこでそんな言葉を覚えて来るんだよっ!
「……そういうのじゃなくてだな。ちょっと教えて欲しいんだけど、ルミはドワーフの国がどこにあるか知らないか?」
「えー、違うんだー。……あとドワーフは知らないよー」
「じゃあ、サロモンさんとか知らないかな?」
「うーん。お爺ちゃんも知らないと思うよー。ルミはドワーフを見た事ないけど、エルフとドワーフって昔から仲が悪いらしいしー」
やっぱりそうなのか。
というか、逢引を否定した途端にルミが拗ねているんだが……何を期待していたんだ?
「お兄ちゃん。それより、そろそろ時空魔法を教えてくれる気になった?」
「あ、そろそろ帰らなきゃ。じゃあ、そういう事で」
「そういう事で……じゃないよっ! ねぇ、教えてよー! お兄ちゃーん! 教えてくれたらルミの事を好きに……」
「テレポート」
無い胸を頑張って寄せようとして、クネクネしていたルミを見て、面倒臭さで逃げるように瞬間移動してしまった。
「それに加えて、獣人族の村ねぇ。しかも貴方、まだ手がかりが無いのよね? ……店員さん、これおかわりくださーい!」
「にーに。おいしー!」
マーガレットとアタランテ、それからご飯の匂いで起きたユーリヤが食事を、ニーナとジェーンが甘い物を食べながら話をしているのだが……しかし、よく食べるな。
特にユーリヤは寝て食べて……って、大丈夫か?
「アタランテは獣人族がどういう所に住んでいるのかは知らないんだよな?」
「分からないよ。だって私は、人間だもの。ただ、ちょーっと神様に怒られて、ライオンにされちゃったけど」
アタランテは見た目も身体能力も完全に獣人族なんだけど、元々獣人族として生まれた訳ではないから分からないと。
困った。
獣人族の村については、ちょっとアタランテに期待していたのだが。
「マーガレットは何か知らないか?」
「んー、確かドワーフって鉱山の近く、というか鉱物が沢山採れる場所の近くに住むんでしょ? 魔法とかで、鉱物が沢山ある場所とか分からないかなー?」
「なるほど。確かに、鉱山から鉱山へ移動する種族だって言っていたな。鉱物の場所を知る事が出来たら、ドワーフの国の発見に役立つかもしれない」
(アオイ。魔法で鉱物が沢山ある場所を調べたり出来ないか?)
『うーん。私は出来ませんが、可能性があるとしたら精霊魔法ではないでしょうか』
(精霊魔法か。精霊魔法と言えばルミだな。エルフの村へ行ってみるか)
『でも、エルフとドワーフって仲が悪いというのが定番ではないですか? 私はドワーフに知り合いが居ないので、正確な所は分かりませんが』
(そうなのか。まぁとりあえずルミに聞いてみるか)
ちらっとユーリヤを見てみると、アタランテと共におかわりしたご飯を笑顔で食べている。
食べ過ぎだとは思うが、機嫌が良いので今がチャンスかもしれない。
「ユーリヤ。ちょっとだけ、席を外しても良いか?」
「にーに。どこかいくのー?」
「あぁ、エルフの村へ行ってくるよ。でも、すぐ帰ってくるからさ」
「わかったー。いってらっしゃーい」
おぉ、食べ物が沢山あるとユーリヤがぐずらない。
これから学校へ行くときも、食料を大量に用意してから行こうか……いや、学校は時間が長いから無理か。
ユーリヤが食料を食べきった後、大惨事に成りかねないしな。
「じゃあ、行ってくる。……テレポート」
エルフの村へ瞬間移動し、ルミの家へ。
ノックをすると、中から人妻エロエルフ、リリヤさんが現れた。
……相変わらず、露出が激しくてグッドだ。
「あら、魔術師さん。さぁ、どうぞ。中へ入って」
「あ、いえ。今は本当に時間が無くて……ルミちゃんは居ますか?」
「まぁ、ルミを入れて三人でしたいんですね? ルミなら長老様の所へ行っていて、そのうち帰ってくると思うから、先ずは私たちで楽しみましょう」
そう言って、リリヤさんが俺の手を両手で握り、胸の谷間を見せつけるようにして迫ってくる。
三人で……は、さておき、俺もリリヤさんと楽しみたい。というか、いろいろ教わりたい。教わりたいのだが、
「ほ、本当にごめんなさい。俺もリリヤさんと一緒に居たいんですが、今は本当に時間が無いんですよ」
本気で涙目になりながら家を後にした。
早く帰らないと、ユーリヤが暴走して町が壊れる可能性がゼロではない。
……今度ユーリヤも一緒に連れてきて、ルミにユーリヤを見てもらっている間にリリヤさんとイチャイチャしてはどうだろうか。
けど、どれくらい時間を要するものなのかが、未経験故に分からない。
ルミがどれくらいユーリヤの事を見ていられるだろうか……と真剣に考えている内に、エルフの長老であるサロモンさんの家へ着く。
「失礼します。ルミちゃんは居ますか?」
「あー、お兄ちゃーん! ルミに会いに来てくれたのー?」
「あぁ、ちょっと相談したい事があってな」
「分かったー。ちょっと待っててねー……お爺ちゃん、ちょっとだけ出てくるねー」
テケテケと小走りで駆け寄ってきたルミに連れられ、家から少し離れた森の中へ。
少し大きな樹の傍で、家から見えない場所へ来ると、唐突にルミが両手を上げる。
「ふふっ。はい、お兄ちゃん。抱っこしてー」
「……なんで、抱っこ?」
「え? だって身長さがありすぎて、このままじゃチュー出来ないよ?」
「いや、チューって何の話だよ」
「え? 逢引じゃないの?」
逢引って、ルミは意味を分かっているのか?
というか、どこでそんな言葉を覚えて来るんだよっ!
「……そういうのじゃなくてだな。ちょっと教えて欲しいんだけど、ルミはドワーフの国がどこにあるか知らないか?」
「えー、違うんだー。……あとドワーフは知らないよー」
「じゃあ、サロモンさんとか知らないかな?」
「うーん。お爺ちゃんも知らないと思うよー。ルミはドワーフを見た事ないけど、エルフとドワーフって昔から仲が悪いらしいしー」
やっぱりそうなのか。
というか、逢引を否定した途端にルミが拗ねているんだが……何を期待していたんだ?
「お兄ちゃん。それより、そろそろ時空魔法を教えてくれる気になった?」
「あ、そろそろ帰らなきゃ。じゃあ、そういう事で」
「そういう事で……じゃないよっ! ねぇ、教えてよー! お兄ちゃーん! 教えてくれたらルミの事を好きに……」
「テレポート」
無い胸を頑張って寄せようとして、クネクネしていたルミを見て、面倒臭さで逃げるように瞬間移動してしまった。
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